ダン・S・ケネディの屁理屈なし利益と熱狂を生み出す ダイレクト・ブランディングの書評

すべてのビジネスは、顧客を引きつけ、魅了し、動機付けるものでなければならない。そして、すべてのビジネスは、成功するために、少なくとも顧客の一部を熱狂的な支持者に変えなければならない。それが成功するトライバリズム(部族主義)だ。(ダン・S・ケネディ)


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ダイレクト・マーケティングが、新規ビジネスを加速させる!

ダン・ケネディ、フォレスト・ワルデン&ジム・カベル屁理屈なし利益と熱狂を生み出す ダイレクト・ブランディングが面白い。一部の熱狂的なトライブをつかまえることがビジネスには欠かせません。このトライブを一つにまとめ、忠誠心を感じさせるために、企業は強力なブランドを作る必要があります。

フォレスト・ワルデンとジム・カベルは、ダン・ケネディのダイレクトマーケティングの手法を活用し、スポーツジムのフランチャイズ事業を成功させました。彼らは売り上げに貢献することに注力しながら、コミュニティを作り、アイアン・トライブというフィットネスクラブを唯一無二のブランドに育てていきます。

ブランドを持たないベンチャー企業は大企業のようなブランディングを行うことは危険です。真似るのなら、もっと新しい新興企業のブランディングを模倣すべきです。短期的にはブランド広告ではなく、ダイレクトレスポンスに力を入れるべきです。

ブランドを構築するためには、まず売ることに注目すべきで、マーケティングもどれだけ売り上げに貢献したかを重視すべきです。そして、マーケティングでもっとも重要なものは顧客リストと熱狂的なファンであることを忘れないようにしましょう。熱いコミュニティを作ることで、顧客に熱狂的な帰属意識を持ってもらうのです。

ビジネスで一番大切な資産は顧客リストだ。私のフィットネスクラブ・「アイアン・トライブ・フィットネス」では、会員(顧客)のコミュニティ作りに焦点を当て、会員(顧客)には、アイアン・トライブ・フィットネスの一員であるという帰属意識を持ってもらえるようにしようと思った。(フォレスト・ワルデン)

「もし、1枚の写真が1000の言葉に値するならば、この写真はアイアン・トライブ・フィットネスについて何を語るのか?」という広告によって、彼らは入会者を増やします。プログラムは効果があるという社会的ポジションの高い人たちの評価(社会的証明)によって、アイアン・トライブは会員を増やしていきました。

会員数が上限に達するとウェイティングリストに載せる戦略で希少性を訴えました。そのために広告では最新の会員数を伝え、残席がどんどん減っていくことを知らせたのです。 その結果、すぐに絶大な反響がありました。ジムの会費は競争相手の2倍もしましたが、毎月40から50名の入会者がありました。そして最初のジムは8カ月もしないうちに満席になってしまったのです。営業トークを始める前から、彼らは希少性というポジショニングを手に入れたのです。

熱狂的なファンから推薦の言葉がどんどん集まるようになると、ターゲットとする人口統計学的属性(デモグラフィック)グループ(たとえば40歳以上の女性・など)に合わせて、メッセージに変化をもたせることで良い結果を出せるようになったのです。

アイアン・トライブは選ばれたアスリート向けで、一般のアメリカ人向けではないなどという思い込みを払拭するために、ワルデンは自分の妻を広告のモデルに起用しました。4人の子供を持つ多忙な母親である彼女は、子供のいる専業主婦というデモグラフィック・グループにぴったりと当てはまり、そのグループの人たちの共感を呼ぶことができました。彼女の広告は、激しいグループ・トレーニングなど思いもよらなかった女性たちを引き寄せるのに大いに役立ったそうです。彼らの広告は毎月200%から400%のROIを稼ぎ出し、新たな拠点を次々と出店できるようになりました。

顧客に売るな!顧客を巻き込め!

アイアン・トライブの会員は、アイアン・トライブのiPhoneアプリをダウンロードし、アイアン・トライブ・ジムのウェブサイトのメンバーにならなければならない。この点だけは絶対に譲れない、会員の義務だ。(ジム・カベル)

アイアン・トライブの会員は毎日サイトを訪れ、アイアン・トライブのジムの翌日のワークアウトのプログラム(彼らにとってはゲームみたいなものだが)をチェックし、クラスのスケジュールを調整しなければなりません。メンバーは、翌日のプログラムを知らずに就寝するわけにはいきません。なぜなら、プログラムは前日の午後7時半以降に発表されるからです。

メンバーやコーチのブログを使った絶え間ないコミュニケーションによって、アイアン・トライブ・コミュニティへの仲間意識が高められます。アイアン・トライブの競争的なスタイルは、ワークアウトを楽しくてやめられないゲームです。テクノロジーは、そのゲームを楽しめる枠組みを作り、ジムとメンバーの交流を促進しています。

ジムのメンバーになる紹介ツールも強力です。ブランドの価値がわかるウェルカムキットはアップル製品並のクオリティで、もらった人はトライブになりたくなるように設計されています。自分の人生を変えられるという結果にコミットした「LIFE Changed」という冊子や栄養食品のサンプル、ワークアウト用のウェア、プロテインのシェーカーボトル、自分の変化を書くためのスレート版までが入っています。

会員たちは自らの体験をソーシャルメディアで書き込むだけでなく、リアルの場で周りの人に話します。アイアン・トライブは自分たちを顧客ではなく、熱狂的なファンだと感じているため、自然と自らの話を語りたくなるのです。口コミは広告以上に効果があり、全取引の50%を先導しているのです。彼らは顧客に商品を売っているのではなく、変化という体験を売っています。顧客はアイアン・トライブの信者となり、他の顧客をジムにいつの間にか紹介しているのです。

まとめ

新興企業は大手のブランディングを真似てはいけません。広告は利益を上げるものだけに限り、ダイレクト・マーケティングを取り入れるべきです。戦略的な顧客を熱狂的なファンに変え、彼らの声をマーケティングに活用することで、結果を出せるようになります。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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