ランディ・ザッカーバーグのピックスリー: 完璧なアンバランスのすすめの書評


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ピックスリー: 完璧なアンバランスのすすめ
著者:ランディ・ザッカーバーグ
出版社:東洋経済新報社

本書の要約

幸福度をアップしたければ、手を広げないようにすべきです。仕事、睡眠、家族、運動、友人の5つの項目を毎日、完璧にこなすことは不可能です。この中から3つを選び、集中することで、結果を出せるようになります。毎朝、重要な3つの項目を選び、それだけに集中するようにしましょう!

全部はうまくできない、重要事項を3つ選ぶ理由

すべてを完璧にしようとする(そして惨めに失敗する)のではなく、毎日3つのことだけをうまくやる。そう決めてから、私の成功と幸せの形は大きく変わった。ずっと背負っていた、罪悪感という重荷も下ろせた。今では毎朝、鏡を見てこう自分に問いかける。「仕事、睡眠、家族、運動、友人。さあ、3つ選ぼう。Pick Three! (ランディ・ザッカーバーグ)

著者のランディ・ザッカーバーグはFacebookの創業者のマーク・ザッカーの姉として有名です。彼女はFacebookの創業期を支えたのち、「ザッカーバーグ・メディア」を設立し、コンサルティングや講演を行い、日々忙しく働いています。Facebook時代の彼女の働き方はクレイジーで、息抜きの時間もハッカソンのために働いていたと言います。その経験を通じて、仕事だけでなく、自分自身の夢に向き合うことを決めたのです。

1日は24時間しかないのに、すべてを手に入れるのは不可能です。 キャリア、家族関係、運動の目標、個人的な趣味、副業、友人付き合い、なんであれ、うまくこなしたければ、重要なのはバランスを取ることではありません。やること(ToDo)リストの最上位に何を据えるかを決断し、それを優先することです。すべてを1日でこなそうとするのはやめ、1度にわずかなことにだけ取り組めば、長い目で見れば、もっと幸せになれるのです。

バランスよく生きることで成功する人もいれば、何かを選択し、アンバランスに生きることで幸せになれるタイプの人もいます。著者はアンバランスにフォーカスすることでハーバードに入学し、その後もアンバランスに生きることで、人生をエンジョイできるようになったのです。

アンバランスになるのは楽しいことだ。まず、興味を引かれる対象に躊躇なく飛び込んでいける。仕事、睡眠、家族、運動、友人、どれも先のことはわからないけれど、情熱とデータを同じだけ手にできれば、私はいつでも喜んで挑戦する。罪悪感を持たず、他人になんと言われようとかまわず、失敗を恐れて固まることもなく、自分の思うままに、堂々とアンバランスな人生を生きる。そこから本当の楽しみは始まるのだ。

ピック・スリーの達人になりたければ、「選ぶのは3つだけ」と決めるべきです。明日になれば(もしくは明後日、でなければ来月)、また他の2つを選ぶチャンスが生まれます。

その日に集中するカテゴリーは、毎日新しく3つ選びます。前日と同じ3つを選んでもいいし、気分を変えて別の3つを選んでもよいのです。自分のその日の選択によって、3つを選べます。私は平日のピック・スリーと週末のピック・スリーを完全に分けています。土日は家族と睡眠を重視し、仕事の分量を減らすようにしています。この習慣によって、確かに私の幸福度はアップしています。

もし、5つをうまくやろうとしたら、行き着く先は、完全な「燃え尽き症候群」だと著者は指摘します。すべてを高いレベルでなし遂げるのは並大抵のことではありません。仕事、睡眠、家族、運動、友人を、毎日ちょっとかすめる程度ならできなくはありませんが、5つのカテゴリーをぜんぶ、しかもたった1日で完璧にこなすことは不可能なのです。

3つのことに集中することで幸福度をアップできる?

毎日選んだ3つのことだけに集中していると、優先順位のつけ方が上手になるので、結果としてその3つを高いレベルでこなせるようになる。集中せずに何週間もだらだら続けるより、同じことでもずっと上達する。そうして毎日違う3つを選んでいれば、やがてなんと、なんと「バランス」まで手に入ってしまうのだ! その日にすると決めた3つをぜんぶクリアしたばかりか、その一つひとつを完 壁にできたと知って一日を終えられたら、どんなに気分がいいだろう。

世界幸福度報告によれば、ノルウエーは2016年に幸福度ランキングの4位、2017年には1位に躍進しました。2位は同じく北欧のデンマーク、3位はアイスランドで、北欧の人々の幸福度は高いことがわかっています。その3か国に共通するのは、次の6つの価値を大事にしていることです。
■所得(仕事)
■長寿(運動)
■家族(同意)
■自由(睡眠)
■信頼(友人)
■寛容さ(上記5つのすべて)

ピック・スリーを選んだら、その日の行動記録をつけましょう。記録をつけることで、未来を変えられます。

ピック・スリーを使えば、自分で選んだ「やること」にもっと集中でき、もっとうまく優先順位をつけられ、もっと効率良くそれらを行える。そして週の終わりには、自分の時間と労力をどこに最も使い、最もアンバランスになったかが一目でわかるので、今後どう修正すべきかをすぐに判断できる。

何かをあきらめたり、自分が不死身でないことを受け入れたりするのはつらいことかもしれません。しかし、毎日3つを選び、習慣化し、うまくアンバランスになることで、必ず今よりも幸せになれます。3つに集中することで、選んだことをはるかに上手にこなせるようになります。

何かを得るには、別の何かを犠牲にする必要があります。仕事ばかりにフォーカスしすぎると、自分の夢や家族・友人など、人生においてもっとも大切なものを失ってしまいます。できれば、週に最低1回は仕事を選ばずに、家族や睡眠、運動を選択するようにしましょう。

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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