他者の批判を気にするな!ジョン・ロスマンのアマゾンのように考える 仕事を無敵にする思考と行動50のアイデアの書評


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アマゾンのように考える 仕事を無敵にする思考と行動50のアイデア

著者:ジョン・ロスマン
出版社:SBクリエイティブ

本書の要約

イノベーションを起こしたければ、他者の批判を気にしないようにすべきです。まだ世の中にないアイデアは一見わかりづらく、競合や投資家には理解できません。アマゾンは顧客満足を高めるというビジョンを実現するために、勇気を持って、投資を続けてきたのです。

アマゾン最高のイノベーションとは?

アマゾン最高のイノベーションとは、競争の基盤を根本からくつがえし、それが今ではごく当たり前になっているものだと思っている。私が考えるアマゾン最高のイノベーションのリストには、毎日の無料配送、プライム会員、そしてアイテム・オーソリティが入る。アイテム・オーソリティとは、複数の販売者が同じ商品を売ることを認めるという、一見シンプルなものだ。(ジョン・ロスマン)

ジョン・ロスマンアマゾンのように考える 仕事を無敵にする思考と行動50のアイデア書評を続けます。長年、アマゾンの幹部だった著書は、アマゾン最高のイノベーションは①毎日の無料配送 ②プライム会員 ③アイテム・オーソリティの3つだといいます。

アイテム・オーソリティはアイテムの選択肢や入手可能性を高め、価格競争を促す作用があり、これがアマゾンの”キラーフィーチャー”になったのです。アイテム・オーソリティによって、2000年代半ば、アマゾンは競合のイーベイを圧倒して、ナンバー1ブランドのポジションを築きました。

多くの顧客や関係者は当初、このアイテム・オーソリティに否定的でした。 イノベーションの最大の影響力とは、長年当たり前とされてきた前提をくつがえす可能性がありますから、すべての人が肯定するアイデアには意味がありません。従来の前提に代わるものをつくるときは、それを批判する人がたくさん現われることを覚悟しなければなりません。

では、世の中を変えるイノベーションに共通するものは何なのでしょうか?
著者は次の2つの要素をあげています。
■技術的なものではなく、顧客体験とビジネスモデルのイノベーションであること
■現役ビジネスマンや業界の大物が、その影響を過小評価していること

アマゾンが次々と従来のぬるま湯的なビジネス習慣を根本からひっくり返し、破壊していったとき、体制派は嘲笑し、言下に否定することで反撃しました。しかし、アマゾンは他者の批判を気にせずに、一気に行動を起こしました。

イノベーションを目指すなら、理解されないことを甘んじて受けるだけでなく、図太くならなければいけない。多くの競争相手にとって、アマゾンは「非論理的でわけのわからない存在で、(増え続けるあまたの競争相手にとって)世界一恐ろしい会社だ」。誰からも批判されないということは、根本的な変化を起こしていないということだ。

競合にとって脅威になるイノベーションを起こす勇気を経営者は持たなければなりません。ジェフ・ベゾスは顧客体験を最高にすることを目指しながら、とてつもないアイデアを形にしていったのです。

ビジョンを実現したければ、他者の批判を気にしない!

2001年にアマゾンは「なか見!検索」をスタートしました。「本屋での体験」を再現するというシンプルな考えに基づいて、この事業を開始しました。アマゾンのサイトを見ている人が、本を買う前に何ページか見られるようにすることで、顧客満足を高めようとしたのです。

アマゾンは本の内容をサイト上に保管しなければなりません。著作権侵害の可能性を排除し、多大なコストをかける必要がありました。本ごとにスキャンしてデジタル化し、インデックスをつけるには、膨大な量の作業が求められました。

ジェフ・ベゾスは、これを最初から大規模に行なう計画にゴーサインを出しました。このサービスはなんと、12万冊以上の本で始まりました。これを実現するためには20テラバイトのデータベースが必要で、それはアマゾンが創業当時に存在した最大のデータベースの20倍でした。

アマゾン初の製品と店舗開発担当副社長のデイビッド・リシャーは次のように述べています。

1000冊とか2000冊とかの小規模でおそるおそるやっていたのでは、宣伝にもならないし顧客の目にも留まらない。そこには未知の要因がある。大規模にやったらどう見えるだろう?投資額も機会費用も大きい。勝てるかどうかもわからない。ジェフはそういうギャンブルをする度胸がある。(デイビッド・リシャー)

最終的に、出版社も「なか見!検索」機能は有益であると判断して受け入れました。

何か大きなことをやるときは、特にそれが既存のものを破壊するとき、キンドルやAWSのように必ず批判の声があがるものです。そこにはおそらく、少なくとも2種類の批判者がいると著者はいいます。
1、善意からの批判者 本当にあなたがしようとしていることを誤解しているか、違う意見を持っている場合
2、利己的な批判者 理解しようとしない理由がある場合

成功したければ、どちらのタイプの批判者も無視しなければなりません。自分のビジョンを実現したければ、そういう批判者を無視し、ビジョンを築くのに専念することが重要です。

 「理解されないこと」には、考えるべき2つの面がある。第1に、あなたのゴールは大きなイノベーションだ。顧客体験とビジネスモデルががらりと変わるので、重要な関係者からの批判がなければ、むしろ心配をするべきだ。第2は、投資家や提携先といった関係者から、否定的な反応があることを前提に準備をすることである。

ジェフ・ベゾスは株主への年次報告書を通じ、アマゾンが長期的な成果を求めていることを訴えています。短期的に結果を出そうとして、長期的な価値を捨てることはないと考え、利益より未来の投資を優先しています。投資家からバカにされても、彼らは投資をやめないことで、信じられない成長を続けているのです。

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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