マインドフルネスは脳にどのような効果を与えるのか?ジョン・メディナのブレイン・ルール 健康な脳が最強の資産であるの書評


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ブレイン・ルール 健康な脳が最強の資産である
著者:ジョン・メディナ
出版社:東洋経済新報社

本書の要約

マインドフルネスが脳の老化を防いでくれることが明らかになりました。マインドフルネスは最高のストレス低減法で、人の脳に良い影響を与えます。マインドフルネスによって心身の寿命を伸ばすだけでなく、認知力を高めたり、精神力を鍛えられるようになります。

マインドフルネスによって、老化が防げる!

現在、マインドフルネス・ストレス低減法は、最も強力な対ストレス療法の一つであり、高齢者にとっても有効であることがわかっている。そういうわけでわたしはそれを最高のストレス低減法としてお勧めしたい。(ジョン・メディナ)

ジョン・メディナブレイン・ルール 健康な脳が最強の資産である書評を続けます。最近の研究で、脳の老化を防ぐために、マインドフルネスが効果があることがわかっています。たとえば、マインドフルネス瞑想を行う高齢者は、行わない高齢者より良く眠れますが、それはストレスを引き起こすコルチゾールレベルを下げているからです。

マインドフルネスを行う人は、うつ病や不安症にもなりにくいことが明らかになっています。彼らは、マインドフルネスを行うようになってから、以前ほどネガティブなことを考えなくなったそうです。「孤独感が減り、日常で経験する幸福感の量と質が劇的に変わった」と語る人もいるほどです。

マインドフルネスが寿命を延ばすと考える研究者もいますが、彼らはその根拠として、免疫系と心血管系への効果を挙げています。マインドフルネス瞑想を行う高齢者は、感染症にかかりにくく、マインドフルネスを行わない高齢者に比べて、心血管系疾患マーカーが正常範囲に収まる可能性が86パーセントも高いのです。免疫機能不全、心疾患、高血圧(それにうつ病)が早死につながることを思えば、これらの科学者の主張を信じる価値はあります。

マインドフルネスは認知力にもプラスの影響を与えます。  マインドフルネス瞑想の後、注意力が大幅に高まります。瞑想によって認知と実行機能全般が改善することが多いのです。「注意の瞬き」とは、脳がタスクを切り替える時に経験する注意が遅れることを指します。タスクを切り替えるには、実際500ミリ秒ほどの時間が必要です。目の瞬きとほぼ同じ間隔ですが、年をとるにつれて、タスクの切り替えにかかる時間は長くなり、この時間が伸びます。

しかし、脳にマインドフルネスのトレーニングをさせると、その遅延を防ぐことができるのです。マインドフルネスを行うと、行わなかった同年齢の人と比べて、注意の瞬きの成績が約30パーセント向上します。マインドフルネスをしない20代の人とほぼ同じレベルにまで、数字が改善されるのです。

マインドフルネスは、注意を切り替える能力を向上させ、脳がより効率的に働くようにしているのです。脳が老化すると、感覚情報を効率的に分類する能力が落ちますが、マインドフルネスがこれを防いでくれるのです。マインドフルネスによって向上する認知機能は、注意力だけではありません。視空間処理、ワーキングメモリ、認知の柔軟性、発話の流暢さにも、良い効果があります。

マインドフルネスによって、精神力も鍛えられる?

わたしがこれほど強くマインドフルネスを勧めるのにはわけがある。その主軸となる今この時に意識を集中させることと、それをありのまま受け入れることは、あなたの行動を配線し直し、あなたの脳の配線さえもつなぎ替えるのだ。

NBAの伝説的監督フィル・ジャクソンは、マインドフルネスの力を活用し、NBA監督としてシカゴ・ブルズを6回、ロサンゼルス・レイカーズを3回、リーグ優勝に導きました。彼はアメリカで最も有名なマインドフルネスの実践者かもしれません。ジャクソンは自分が成功できたのは、あらゆるアスリートに必要とされるある要素を重視したからだと言います。それは、精神面の強さだったのです。彼はマインドフルネスを実践することで、精神面を鍛えました。

「人生と同じく、バスケットボールにおいても、真の喜びが得られるのは、物事がうまく進んだ時ではなく、今この時に完全に存在できた時だ」と彼はいいます。2014年、68歳のジャクソンは、5年6000万ドルの契約でニューヨーク・ニックス球団の社長になりました。2017年に彼はその地位から退いたが、今でもNBA史上最高の監督のひとりと見なされています。

マインドフルネスはフォン・エコノモ・ニューロンを含む賢い領域を常に活性化することによって、注意状態にもよい影響を及ぼします。マインドフルネスを実践する人々のその領域は、実践しない人々のものより活性化しており、休息している時でさえ、活性度が高いことがわかっています。この活性化は、脳の構造に影響する可能性があります。

マインドフルな高齢者の脳では、これらの領域のニューロンを取り巻くミエリンの量が多くなります。白質のミエリンは素晴らしい絶縁体で、ミエリンに包まれたニューロンは、電気信号を効率的に送ることができます。マインドフルネスはミエリンを増やしてACCの「オンのスイッチ」の部分を強化することで、脳に良い影響を与えている可能性があるのです。マインドフルネスは心身によい影響を及ぼし、脳の老化を防ぐだけでなく、認知力や精神力も高めてくれるのです。

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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