ニック・リトルヘイルズの世界最高のスリープコーチが教える 究極の睡眠術の書評

ところで、「睡眠時間」というものは本当に重要なのだろうか?じつは、重要なのは睡眠の「長さ」ではない。人類が誕生以来守ってきた自然なプロセスが重要なのだ。そして、現代社会の多くの要素が、このプロセスを奪っている。人工照明、テクノロジー、シフト勤務、睡眠薬、旅行、目覚め直後のスマホのチェック、深夜残業、始業時間に間に合うために朝食抜きで走って家を飛び出すこと。こういったすべてが、人間から自然なプロセスを取り上げている。この自然なプロセスを理解することが、「休息」と「回復」の問題を知る最初の一歩だ。(ニック・リトルヘイルズ)


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8時間睡眠の呪縛から逃れよう!

8時間睡眠が健康のためにはよいという考えが常識になっていますが、それは産業革命以降の押し付けで、私たちの祖先(ゆっくり自分らしく暮らしていた人たち)はそんな考え方にとらわれずに、自分の体の回復を優先していました。世界最高のスリープコーチが教える 究極の睡眠術ニック・リトルヘイルズはそんな睡眠の常識を捨てて、90分1サイクルで睡眠を捉えるべきだと指摘します。「まどろみ」「浅い眠り」「深い眠り」「ヘルタースケルター」の4つのサイクルの連続を滑らかなひと続きの睡眠としてとることの方が私たちの心と体の回復のためには重要なのです。

しっかりと眠りたいなら起床時間を固定し、そこから自分の睡眠サイクルを意識しながら、就寝時間を逆算します。起床時間を固定し、朝時間を大事にすることで、生活の質は上がります。起床時間を決めると自ずと夜は眠くなり、就寝時間を固定しなくても睡眠の質は高まります。4つの睡眠サイクルを意識し、自分にフィットした睡眠時間を決めれば良いのです。私も朝4時起きをスタートしてから睡眠の質を高めることができました。規則正しく起きることで、就寝時間に多少のズレが生じても良い睡眠をキープできるようになりました。起床時間を固定するという著者のアドバイスを信じて、まずは朝起きる時間を決めて、自分の時間をコントロールするようにしましょう。通勤前に慌てて家を飛び出すのをやめ、祖先の生活を思い出し、ゆっくりと過ごすことで本来の体のリズムを取り戻せます。喉の乾きや食欲を満たし、排泄をすることで、自分の体調を整えることができ、1日を気持ちよくスタートできるのです。

人工の照明が使われるようになったのは、つい最近、19世紀のことだ。コンピュータやテレビはもちろん、スマートフォンやタブレットは、人類の長い進化のプロセスから見れば、ほんの赤ちゃんにすぎない。ヒトの進化が、電化製品や電子機器の今日の使われ方に追いついていないのだ。何をするときも、「無人島での生活」を頭の隅に置いてほしい。理想は、人間の生物学的プロセスに沿った生活だ。睡眠を改善するためのステップは、たとえ一つひとつが小さくても、たき火の前に座る生活に近づく一歩であるべきなのだ。

産業革命以降の便利な生活が私たちの睡眠を阻害しています。iPhoneを眠る時には遠ざけて、私たちの祖先や無人島の生活をイメージし、寝室での過ごし方を人間らしいものに変えて行きましょう。

眠る前に明日の不安を取り除く!

睡眠サイクルを邪魔する最大の原因は「思考」だ。私たちは、今日の体験を何度もかみしめ、明日を思いわずらう。そのせいで目が冴えて眠れなかった経験を持つイギリス人は82パーセントにのぼる。入眠準備として、テクノロジーへの不要な接触を減らすことで、新しい心配ごとが入ってくるのは防げる。しかし、すでに頭の中にある問題を取り除くことはできない。

夜眠る時には、明日のことが気になります。睡眠時には不安な気持ちが大きくなりがちです。そんな時には今日をダウンロードするとよいでしょう。1日の体験を吐き出して全てを整理して、頭をスッキリさせるのです。睡眠中の脳の消化の準備をするとよい睡眠が取れるようになります。私は眠る前に今日出会った人のことを思い出しながら、彼らに感謝の言葉を伝えるようにしています。楽しい会話を思い出すと幸せな気持ちになれます。たとえ、嫌な出来事があっても相手に感謝することで、自分の気持ちを落ち着かせることができます。この習慣のおかげで夜、眠る前に無駄に悩まなくなり、以前よりもよく眠れるようになりました。ボディスキャンという瞑想も眠る前のルーチンにしています。自分の体のパーツ、指や口、耳、目、脳などひとつ一つに意識を向け、自分に感謝する時間をもつことでリラックスできます。眠る前に深呼吸をするうちに、私はいつの間にか眠りに落ちています。

昼間も回復のための努力を行うべきです。昼寝は効果があることがわかっています。短時間の昼寝でも脳の記憶処理能力が高まることがデュッセルドルフ大学の研究でわかりました。また、90分おきにストレスレベルを下げると集中力を保てるようになります。睡眠と同様、脳に入ってきた情報を定着させるためには休息も大事なのです。人の集中力は続かなないと考えて、デスクから定期的に離れるようにしましょう。移動してお茶を入れる、数分でも外出するなど小さな努力があなたの脳の疲れを癒してくれます。短時間のリラックスによって生産性を取り戻せるのですから、仕事の合間の休息を意識すべきです。私は60分働いたら立ち上がり、洗面所で手を洗うようにしています。冷たい水で手を洗うとリフレッシュでき、気分転換ができます。立ち上がった時に仲間と会話したり、お茶を飲むことで本来の自分を取り戻せます。

まとめ

睡眠の質を高めることで、疲れがとれ、リカバリーできます。無人島で生活することをイメージし、朝時間を大切にしましょう。起床時間を決めることで、夜は自然と眠くなります。夜眠る前には不安を取り除き、明日を心地よく迎えられるように準備しましょう。感謝や瞑想の習慣化によって、よい睡眠を得られるようになります。ただ眠ることをやめて、脳と体の回復を心がけることで、私たちはより多くの結果を残せます。過去の睡眠の常識を捨て去り、本書に紹介されているメソッドを取り入れることで、幸せな時間を過ごせるようになります。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。 
なお、本書はダイヤモンド社さまから献本いただきました。

     

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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