ブライアン・カーツのOverdeliver: ダイレクトレスポンスの成功原則の書評


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Overdeliver: ダイレクトレスポンスの成功原則
著者:ブライアン・カーツ
出版社:ダイレクト出版

本書の要約

マーケティングにおいて重要なことは、レスポンスをしっかりとチェックすることです。価値あるコンテンツを配信し、見込み客を顧客に変え、ファンを生み出すことで、売り上げを高められます。自分の顧客を幸せにするために「ギバー」になることがマーケターには求められます。

マーケターなら心に留めるべき9つの心得

生涯にわたる関係を築いていけるようつねに心がけ、何か続ろうとするときには、必ず事前に、多分に価値のあるコンテンツを配信すること。(ブライアン・カーツ)

ダイレクトマーケティングの世界で40年以上の実績を残したブライアン・カーツOverdeliver: Build a Business for a Lifetime Playing the Long Game in Direct Response Marketingの翻訳本が、ダイレクト出版から届きました。

カーツはどんなメディアを使う場合でもレスポンスをチェックできるようにすべきだと述べています。有効性と収益性を見極められるものを用意することで、コミュニケーションの反応を高めることができます。カーツは、経営者もマーケティングを重視し、マーケティング業務に関係者を携わらせるべきだと述べています。そして、以下の9つの心得を本書の冒頭で紹介しています。

1、あらゆるマーケティング業務に携わる
2、マーケティングは悪ではない
3、誰もリストに十分な時間をかけない
4、顧客に拒まれたら・・・・関係は成立しない
5、信頼性と透明性が全てに勝る
6、常にダイレクトマーケティングのことを考える
7、可能なら自分のマーケティングで個人ブランドを活用する
8、広告の機会は今や無限だからこそ、各分野のスペシャリストに接触する
9、単一チャネルマーケティングでは、退屈なだけでなく危険である

顧客のリストは宝で、これを無視してはいけません。「リストを無視するのは家族を無視するようなものですから、リストの顧客との連携を密にするようにしましょう。ただし、伝える価値のある情報だけに絞り、メールを送るようにすることが重要です。せっかくのリストを台無しにしないように、顧客に敬意を払うようにすべきです。

顧客をしっかりと理解し、自分の価値を提供できるかを絶えず真剣に考え、個人ブランドを活用すると顧客の信頼関係を築けます。私もこのブログのおかげで、様々な顧客やパートナーの方との関係を構築できました。

マーケティングチャネルを一つに絞るのは危険なので、様々なアプローチにトライしましょう。Facebookやメールに頼るだけでなく、新たなメディアにチャレンジしましょう。今ならYouTubeにトライするのもありだと思います。そして、そのチャネルの専門家と仲良くなり、最新で最高な情報を手に入れるようにすれば、マーケティングで結果を残せるようになります。

マーケティングの5つの重要なルール

プロのようにルールを学べは、芸術家のようにルールを壊せる。

すべての先人のマーケターたちがつくりあげたルールや原則、方法を深く理解すれば、効果的な開発や試みができるようになります。マーケティングのルールを深く理解するには、マーケティング業界の偉大な先人たちがつくったオリジナルソースの素材を研究することで、多くの武器が手に入ります。

マーケティングを行うにあたり、鍵となる原則が5つあるとカーツは言います。
1、マーケティングの本質は心理学だ。何があなたの市場を動かすのか。

自分の市場を知り、大事にし、敬意を抱かなければならない。(ジーン・シュワルツ)

私たちは顧客の行動を理解しなければなりません。そのためには市場を理解し、顧客に教えてもらう必要があります。

2、ショートカットは悪いことではない。
誰かがもうすでに調査を行ってくれているのなら、それを活用することです。先人の力を活用して、時間の無駄をなくしましょう。彼らのスキルを組み合わせて、自分の仕事をさらに加速させるのです。

3、すでに機能しているものを活用する。
素晴らしいコピーやプロモーションのための素材は至るところにあります。つねに目をしっかりと開けておき、いいコピーを盗み、それを応用するのです。

4、スワイプファイルは秘密兵器。
(ほかのマーケターが成功を収めた)コントロールパッケージを研究し、力のあるコピーのルールから感覚やひらめきを身につけていきましょう。

5、新しいことは、さほど新しくない。
1920年代や60年代に開発された素材やテクニックには、依然として価値があり、それらのノウハウを使うことで、結果を得られます。我々が今日使っているあらゆる技術やタクティクスのベースとなっている作品群(スワイプファイル)は決して古くなりません。

自分の顧客を幸せにするために「ギバー」になることがマーケターには求められます。そのために日々の鍛錬を重ね、良いコンテンツを生み出しましょう。見込み客や既存客とコミュニケーションを図り、信頼やより深い関係を築けそうなときは、大事な機会を無駄にしないようにすべきです。戦略的な貢献者になることはとても重要なことです。ビジネスにおける個人的なつながりが、他のどんな戦略にも勝るという事実を忘れないようにしましょう。

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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