マイク・ミカロウィッツのPROFIT FIRST お金を増やす技術――借金が減り、キャッシュリッチな会社に変わるの書評


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PROFIT FIRST お金を増やす技術――借金が減り、キャッシュリッチな会社に変わる
著者:マイク・ミカロウィッツ
出版社:ダイヤモンド社

本書の要約

「売上ー経費=利益」という公式を信じるのはやめ、プロフィットファースト経営を実践しましょう。経営者の仕事は、事業の大きさにかかわらず、利益を最大化することです。利益に集中すれば、ビジネスを合理化できるだけでなく、イノベーションを起こせるようになります。

「売上ー経費=利益」という公式を信じるな!

「利益が先、経費があと」という考えを身につけることで、儲かる会社がつくれます。儲かる会社にしたいなら、まず最初に利益を考えるようにしましょう。著者のマイク・ミカロウィッツはプロフィットファーストを提案しますが、かつての彼は売り上げ至上主義に陥り、破綻します。

「売上ー経費=利益」という公式を多くの経営者が盲目的に信じています。できるだけたくさん売り、必要な経費を支払い、残るものが利益だと捉えることが、失敗の入り口になっています。この古い公式は、ビジネスにおける化け物を作り出してしまいます。それは金を食い尽くす化け物で、経営者はこの化け物との戦いに時間を使わざるを得なくなります。

経営者の仕事は、事業の大きさにかかわらず、利益を最大化することです。利益に集中すれば、ビジネスの合理化と成長という面からも新しい方法を発見できます。

私たちは売上を最初に計ることになる。その結果として、私たちは必死に売上げを伸ばそうとし、費用については、より多くの売上のための必要悪のように扱う。そうしなければならないと信じているために、有り金をすべて使い切ってしまつのだ。それを正当化するために、再投資という言葉を使ったりする。

売上をできるだけ増やし、費用をできるだけ抑えれば、それだけその差額を自分のものにできる。しかし、この理論を信じるとただ売り上げをあげることがゴールになり、自分を追い詰めてしまいます。売り上げの増大と共に経費が大きくなり、キャッシュフローを悪化させます。多くの支出が正当化され、コントロールできなくなるのです。

ここから抜け出すための解決策はただ一つです。利益を最初に考えるように経営スタイルを変えることです。

まず利益を第一に考えることだ。そう、ただそれだけでいい。 プロフィットファーストが困難なのは、ビジネスに関する考え方を根本的に変えなくてはならないからだ。変化は恐怖を伴う。ほとんどの人は新しいことを試すのが苦手だ。新たなシステムを導入してそれを運用するなどそれ以上に難しい。

経営者は現金にこだわるべきです。会計上の利益ではなく、手元に現金を残すことを考えない限り、経営者は金作から逃れられません。真の利益である現金を生み出すために、経営者は今すぐ行動を起こすべきです。

プロフィットファーストを4つのステップで実践しよう!

プロフィットファーストは、ビジネスにおいて刻一刻と迫ってくる破滅に対する解決策なのだ。

使えるお金が少なくなれば、自動的にビジネスの運営は慎ましくなります。 より少ないお金でそれ以上の結果を生み出すための方法を見つけることで、成功に近づけます。最初に自分の利益を確保することで、より賢く考え、より多くのことに革新的になれます。

私たちが身につける公式は売上−利益=経費というものです。まず、最初に自分の利益をとることで、無駄な経費を使わないビジネスモデルを設計するのです。

プロフィットファーストを導入することで、「目に見えないものには気付かない」ことを利用することとなる。利益を生み出したら、次にやることはそれをすぐに使える場所から隔離することだ。自分の視界から消すことで、それにアクセスできないようにするのである。こうして、それを使う正当な理由がない限り、持っているもので何とかやりくりする方法を見つけ、持っていないものについて心配することはなくなる。こうして利益の口座からお金を引き出すとき、あなたはそれをボーナスとして受け取るのである。

利益を最初に考えることで、優先すべきビジネスが明確になります。より利益が出ることにフォーカスし、利益が出ていないビジネスは改善するか、やめるかを決められます。利益をもたらすものに注力することで、それが得意になり、ますます利益が上がるようになります。プロフィットファーストを実践することで、経営が一気に健全化します。

プロフィットファーストのために以下の4つのステップを取り入れましょう。
1、小さな皿を使う
メインの売上入金口座にお金が入ってきたとき、他の口座にお金をすぐに移します。
■利益のためのための口座(預金口座に入ってきたお金の最低1%はこの口座に移動する)
■オーナーの給料のための口座
■税金用の口座
■事業経費を賄うための口座

2、順番を意識する
複数の口座に対し、常に、必ず、決められた割合でお金を振り分けるようにします。その際、絶対に、請求書の支払いを最初に行ってはいけません。売上入金口座から利益・オーナーの給料・税金・事業経費の口座に、最初に金を移動します。 それから、事業経費を管理する口座に入っているお金だけを使い、必要な支出に対する支払いを行います。

もしもこの事業経費用口座に十分なお金がなかったとしたら、あなたのビジネスがその経費の支払いに耐えられなくなっており、その経費を見直すことが必要です。不必要な経費を排除することで、経営は健全になります。

3、誘惑を断ち切る
利益を管理する口座は手の届かないところに移動し、そのお金を使うことをできるだけ困難にすべきです。利益口座に入れたお金は絶対に使ってはいけないというルールがあなたの会社を強くします。

4、リズムを作る
お金の振り分けと支払勘定は月に2回行うようにします。お金があるときにだけ支払うということはしてはいけません。収入の振り分けを定期的に行い、請求書の支払いを月に2回行うことで、現金は貯まり、お金がどこに出て行くのかを正確に把握できます。勘と経験を頼りにするお金の管理ではく、継続的なキャッシュフロー管理を行うことで、利益を出せる体質になります。

利益口座の1%が貯まることで、キャッシュが潤沢になります。時間を経るうちにこの1%が魔法を起こしてくれます。目標金額を実現することにフォーカスし、得意分野に集中しながら、生産性向上のためのイノベーションを起こすことで、ビジネスが強化され、利益を出せるようになるのです。

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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