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独学大全――絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法
著者:読書猿
出版社:ダイヤモンド社
本書の要約
独学という不断な努力を続けることで、自分をよりよい存在に変えられます。日々、知識と経験を重ね、外部の足場を確固たるモノにすることで、学び始めた頃の自分とは全く異なる自分に出会えます。発心→資料収集→読解→記憶→理解というステップを繰り返すことで、更なる高みを目指せます。
独学とは何か?
「どのように学ぶか」よりも「何を学ぶか」が大事だし、「何を学ぶか」よりも「学び続けるか否か」の方が重大だという話だ。 独学者は、自分で何を学ぶかを決め、自分のために自ら教材などの学習リソースを探して入手し、必要な時間を何とかやりくりして、試行錯誤を重ねて、様々な制約の内で学習を続けなくてはならない。自信がへし折られたら自力で継ぎ直し、暮らしに忙殺されて吹き飛ばされそうなモチベーションをかき集め、挫折する度に繰り返し学ぶ意欲を立て直さなくてはならない。(読書猿)
私は日々、読書を続けこのブログを書いていますが、独学を習慣化することで、有意義な人生を送れるようになりました。以前の私はアルコールに依存し、自己投資を怠っていましたが、13年前に断酒し、インプットとアウトプットを続けることで、独学の素晴らしさを実感できたのです。
ブログをスタートした頃、私は何度も挫折しそうになりましたが、周りの応援を活力になんとか継続できました。当時、この著者のメソッドに出会っていれば、苦しむことなくアウトプットを習慣化できたはずです。もし、今あなたが独学をスタートするなら、本書を何度も読み返すとよいでしょう。
独学をする際には、知らないことを明らかにすべきです。「知識についての知識」があってこそ、何を学べばよいかがわかります。著者は独学を「発心(志を立てる)」→「資料収集」→「読解」→「記憶」→「理解」の5つのステップに分け、どうすれば継続できるかを追求しています。著者の55の技法を身につければ、独学での挫折を防げるはずです。
自分の知識や体験を55の技法を読者のために体系化し、大全という形で一冊にまとめた著者の労力は尊敬に値します。私はこのタイミングで本書に出会えたことに感謝しています。
学ぶことで人は変わる。変わるためにこそ人は学ぶ。そうして変化した後には、これまでの学び方は最適ではなくなっているかもしれない。 ただ与えられたノウハウを使い回すだけでは、いずれ行き詰まる。必要な技法を探し出し、組み合わせ、あるいは自分に合わせて作り直す必要に迫られるだろう。そうした再構築を行うためには、それぞれの技法のよって立つところを理解しなければならない。つまり自律した学習者である独学者は、自分の変化に応じて自らの学びをデザインし直す必要がある。さらに、独学者には、計画を完遂する技術が要る。そのためにモチベーションを維持する、誘惑に負けないといった自己コントロールについての技術知が必要だ。
自分に慢心せず、独学を継続することで、更なる高みを目指していきたいと思います。時代の変化に適応するために、今後も学びを変化させていきます。
著者は自己コントロールすることを助けるツールを外部足場(Scaffold)と呼びますが、様々な知識や体験を足場にすることで、自分の能力を向上できます。「独学は、船を修繕しながら続ける航海のようなものだ」という著者の言葉が印象的です。外部の足場を使いながら/探し集めながら「船」を修理し拡張することで、私たちは独学という航海を続けられます。独学を継続することで、昨日とは違う自分になれるのです。
独学を継続させるための2つの技法
実を言えば、志の強さは、それを立てた瞬間にではなく、自身の行為や思考を絶えず志に結び直した、その繰り返しの中に生じる。 意志の強さとは、決して揺るがない心に宿るのではなく、弱い心を持ちながら、そのことに抗い続ける者として自己を紡ぎ出し、織り上げようという繰り返しの中に生まれるのだ。 進展や成果を寿ぎ、志に結びつけて、その力を積み増しする。
失敗や挫折に打ちひしがれた時は、初心に戻って志を確認すべきです。目標に向かって、小さなアクションを繰り返すことで、日々自分を変えられます。一つ新しい経験を積めば、わずかでも知識を獲得すれば、人は否応なく変化できます。志と独学という行為を結びつけることで、私たちは結果を出せるようになるのです。
モチベーションを維持するために、以下の2つの技法を身に付けるとよいでしょう。
■ 未来のミニチュアを組み立てる
1、「実現したいこと」を数値目標に変換する
2、「実現したい」数値目標の1/100を小目標として立て、 今すぐ実行する
3、これでも大変なら目の前の一つだけやる
■ 重い腰を蹴っ飛ばす (2ミニッツスターター)
1、タイマーを2分にセット
2、タイマーをスタートさせ、すかさず作業を開始する
3 、タイマーが鳴ったと同時に途中でも作業をストップする
ストップしたら、次のいずれかを2秒で決めて行う。
・そのまま制限時間なしで同じ作業を続けるか
・それともまた2分間で違う作業にとりかかるか
・それとも作業をやめて休憩に入るか
ヒトが作る目標は大きくなりがちですが、私たちはそれを目の前にすると恐怖感を抱き、行動を先延ばしします。ブライアン・トレーシーは大きな目標は小さく切り刻み、食べられるサイズにするべきだと言います。(サラミスライス法)
大きなビジョンを立てるのは正しいことですが、行動が伴わなければ意味がありません。
ヒトは解決可能と感じるからこそ、課題に取り組もうという気持ちになる(動機付けられる)。手に負えないと思えば、我々のモチベーションはへし折られ、課題への取り組みは先延ばしされてしまうだろう。悪いことに、我々は、先延ばしすることで過大な評価を修正する機会を失う。そればかりか、ヒトは恐怖や不安のために回避した場合、その恐怖・不安を増幅させる性質を持つ。つまり先延ばしし、課題に取り組むことから逃げたせいで、余計に課題への恐れを強めてしまう。先延ばしと恐れは互いに強め合う悪循環ループを形成するのだ。
締切がある課題の場合、先延ばしをすることで、タイトなスケジュールと闘わなければなりません。遅れを取りすためには、多大な労力がかかります。それを防ぐためには、課題を小さく切り刻み、すぐに行動を起こすことが求められます
小さなことでも一旦着手すれば、今後必要な時間が見積もれます。難しいと恐怖感を抱いていた課題でも、小さく切り刻むことで意外に簡単に思えるようになります。また、繰り返し行動することで、単純接触効果が得られ、苦手意識を払拭できます。
課題を未着手から未完成状態に変えることで、中途半端な状態で終わらせたくなくなります。未完成で中断した作業をやりたくなってしまう効果をオヴシアンキーナー効果と呼びますが、私はブログを書く時にこのメソッドを活用しています。 一行でも記事を書いておけば、時間を見つけて、それを仕上げようという意識が高まります。私が暇さえあれば、WordPressを開き、ブログの下書きをするのは、この効果を狙っているからです。
学びをやめないことで、理想の自分の近づけます。本書を何度も読み返し、著者の55の技法を身に付けましょう。
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