石川康晴氏の学びなおす力 新時代を勝ち抜く「理論とアート」の書評

社長である私自身が、学び続けなければならない、という危機感をつねにもっている。(石川康晴)


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右脳と左脳をバランスよくさせる!

ストライプインターナショナルの代表取締役社長石川康晴氏は、アートを愛すMBAホルダー経営者として有名です。経営者として忙しく働く石川氏は、なぜMBAだけでなく、アートにも時間を費やすのでしょうか?

AIやロボティクスが当たり前になる令和の時代には、働き方を変えない限り、生き残れません。企業は多様性や創造性のある人材を優遇し、自ら学ばないビジネスパーソンの居場所は無くなります。新刊の学びなおす力 新時代を勝ち抜く「理論とアート」の中で、石川氏はそのヒントを紹介しています。

私たちは右脳的な教養と左脳的な知識をバランスよく学ぶことで、大局観を養えます。ビジネスパーソンはこの「大局観」を鍛えるために「左脳的」な知識と、アートをはじめとする「右脳的」な教養を、バランスよく学ぶようにしましょう。

大局観をもてれば、物事を深く考えることができ、多角的な視点で社会との関係性などを見極めながら、状況に応じて適切なジャッジを下せるようになります。石川氏は「フレームワーク」を駆使して新しいビジネスを立ち上げる一方で、休日にはアート収集・鑑賞、平日は異業種のキーマンやアーティストとの会食に時間を割いています。この石川氏のバランスの良さが、ストライプインターナショナルを成長させているのです。

同社は社員にも学びの機会を与え、ブランド価値を高める努力を続けています。

ストライプインターナショナルでは、スタッフにも、積極的に「学びなおし」の機会を提供しています。大学院、異業種にスタッフを派遣し「他流試合」を経験させる。また、社内の至るところに現代アート作品をさりげなく並べる。このようにして、右脳と左脳をバランスよく鍛えられるような工夫をしています。スタッフ1人ひとりがコツコツと「学びなおし」をしていることは、ストライプインターナショナルの大きな強みであり、お客様一人ひとりの価値観に寄り添うブランド、そして新規事業を育てていく秘訣だと考えています。

経営が行き詰まった時に、再び学び始めた著者は思考をポジティブに変えられました。ポジティブ思考の人は人生を楽しみます。時間を作って、美術館やライブに行く、新たなことにチャレンジすることで、たくさんの情報が集まり、成長のチャンスを得られます。この考え方を社内に取り入れることで、ストライプインターナショナルは強い会社になったのです。

 

想像力と共感力を鍛えると視野が広がる!

働き方が多様になる中で、視野を広げることが重要になってきました。子どもを持たないという選択や入籍しないという選択、同性パートナーと暮らす選択など、自分自身が経験しないことにも想像力と共感力をもって接することができるようにすることで、自分の視野を広げられます。自分には理解できない、とネガティブに考えるのをやめ、「視野を広くしよう」とポジティブに考えるだけで、人とのコミュニケーションを変えることができるのです。

世の中が激変する中で、持続可能な社会の仕組みづくりが、今後ますます求められます。今後は社会をよくするイノベーションが求められますが、課題が複雑になる中で、多様性がイノベーションのキーワードになってきました。石川氏や社員がバランスよく学び続けること、多様な人材が集うことで、「メチャカリ」(ファッションレンタルサービス)や「ストライプデパートメント」(ECプラットフォーム)と言う新しいサービスが生まれてきました。MBAのフレームワークを活用し、リスクを見通し、思い切った決断をすることで、新しい事業を起こせたのです。

MBAで学んだことをすぐに実践することで、自分の価値を高められると石川氏は言います。社長が大学院に入ることで、産学協同でビジネスの可能性を広げられます。また、異なる視点を持つ若者の感性を吸収できます。MBAに通い、積極的に学ぶことで、多様な人脈を得られるのです。現場力とMBAを掛け合わせることで、成果を上げられるようになります。MBAに通うことで、1から100のイントレプレナーのスキルを養えます。

また、MBAを使える武器にするためには、アートに接するとよいと著者は言います。

1番の理由は、アートがビジネスパーソンの「学びなおし」に適している教養だからです。海外でも仕事をするようになって痛感するのは、「日本のビジネスパーソンには一般教養が足りない」ということ。厳しいようですが、これが現実です。

アートは世界の共通言語で、これを学ぶことで、自分の世界を広げられます。日常的にアートに触れている人たちは、つねに新しいことを考えています。自分の発想や新しい概念を組み合わせて、コンテンツやサービスを生み出せますし、アートから刺激を受けることで、さまざまなヒントをもらえます。また、アートをフックにすることで人脈やビジネスのネットワークも広げられます。

フレームワークを活用するMBAの知識とアートを中心にしたアプローチによって、左脳と右脳のバランスが生まれ、経営者は大局観を養えます。社会人になっても学び続けることで、新しいアイデアや多様なネットワークが作れるようになるのです。

まとめ

時代が激変する中で、学びをやめると自らの成長を止めてしまいます。経営者は大局観を養うために、右脳と左脳のバランスを保つとよいでしょう。そのためにMBA知識とアートなどの一般教養を学ぶべきです。ビジネスパーソンが学びなおす力を得ることで、イノベーションが起こり、企業は成長するのです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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