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クオンタム思考 テクノロジーとビジネスの未来に先回りする新しい思考法
著者:村上憲郎
出版社:日経BP
本書の要約
「クオンタム思考」というのは、意識的につくり上げられた質のよい(量子分野を含んだ)フレーム・オブ・リファレンスを土台として、その上に築かれる思考です。量子学を含めた異なる分野の本を大量に読み、脳内にフレーム・オブ・リファレンスを作ることで、様々な課題を発見し、解決できるようになります。
天才たちのクオンタム思考とは何か?
私は、日常感覚を超えた発想やアイデアに導く思考を「クオンタム思考」と呼んでいるのです。(村上憲郎)
VUCAの時代を生きている私たちは、何が正解か分からずに日々過ごしています。過去の常識の延長線で物事を考えていては、新たな課題を発見できません。元Google法人日本代表の村上憲郎氏は、今までの思考法を捨て、天才たちが使っている「クオンタム思考」を身につけるとよいと述べています。
テクノロジーとビジネスの未来に先回りする新しい思考法によって、様々な課題を解決できるようになります。実際、Googleのラリー・ペイジやサーゲイ・ブリン、YouTubeのチャド・ハリー、スティーブ・チェンといった天才たちは、この思考法で次々にイノベーションを起こしてきました。
クオンタム思考には、5つの共通点があると言います。
■これまで誰もが思いつかなかった、世の中を一新してしまつほどの価値を追求している。
■それぞれの好きなもの、自分の得意なものを追求している。
■「座った瞬間に知りたいことを画面に表示できる」「宇宙規模の地図をつくる」など、描くビジョンのスケールがとにかく大きい。
■地図がグーグル・マップになり、ARと組み合わさってゲームになったように、「何か1つを生み出して終わり」ではなく、そこからまた新たな可能性へとつなげている。
■結果、その成果は世界を変えるほど大きなムーブメントになっている。
天才ではない私たちも、クオンタム思考を取り入れることで、問題解決力やクリエイティブな才能を育めるようになります。発想に限界を設けないこと、より大きな視点で物事を見ることで、私たちは様々な課題を解決できるようになるのです。
質の高いフレーム・オブ・リファレンスを脳内に作ろう!
「クオンタム思考」というのは、意識的につくり上げられた質のよい(量子分野を含んだ)フレーム・オブ・リファレンスを土台として、その上に築かれる思考、ということになります。
村上氏はサラリーマン時代に「一知半解」でよいと考え、年間200冊の本を読み、1500冊の様々なジャンルを8年間で読破します。大量に本を読むことで、分野ごとの共通点や関連性が見えてくるようになり、脳内に質の高いフレーム・オブ・リファレンスを形成できたと言います。大量の知識をインプットし、知識を体系化することで、新しいアイデアを生み出せるようになります。
フレーム・オブ・リファレンスを形成することで、多様な分野の課題を解決できるようになります。幅広い知識によって、いくつもの引き出しからアイデアを出せ、それを組み合わせることで、問題を解決できるのです。広い視野で物事に触れ、本質を感じ取り、知の参照体系を築くことで、他者とは異なる解決策を生み出せます。
著者はフレーム・オブ・リファレンスを豊にする方法を紹介しています。
①書籍・動画などのインプット
②リベラルアーツを学ぶ
③量子力学分野を学ぶ
④英語を身につける
⑤社会人の基礎教養として財務3表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書)と契約書を読めるようにする。
量子力学が描き出す世界が、これまでの日常感覚とは根本的に異なるものであり、かつこれから世の中を変えていく技術のなかでも最先端に位置しているものであるからです。
未来から逆算し、視野を広げることで、新しいアイデアが生まれます。その際、フレーム・オブ・リファレンスに、日常感覚を超えた量子の振る舞いを描き出す「量子力学」の分野を加えることで、よりアイデアに磨きがかかります。
今後、量子コンピュータが登場すると、「できること・できないこと」の基準が大きく変わります。今後は、既存のソフトウェアが置き換わる可能性があるのです。量子力学を活用することで、イノベーションを起こせるようになります。
量子力学や量子コンピュータの知識の重要性を本書で認識できました。読書の幅を広げ、自分のフレーム・オブ・リファレンスを進化させたくなりました。
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