古川哲史氏の最新研究が示す 病気にならない新常識の書評


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最新研究が示す 病気にならない新常識
著者: 古川哲史
出版社:新潮社

本書の要約

1975年の和食や地中海食を食べること、ファストフードや加工食品を減らすことで、私たちは健康を保て、長生きできるようになります。・十分な睡眠、すなわち8時間の睡眠をとること・運動をすること・バランスのとれた食事を摂ること・緊密な社会的なつながりを保つことを実践することで、健康を維持できます。

1975年の日本食が健康に効果的?

1975年の日本食は、他の年代の日本食に比べて、魚・果物・野菜・海藻・大豆製品・出汁・発酵系調味料など植物性タンパク質、不飽和脂肪酸が多く含まれています。この食事は、がんの予防にも効果が期待できます。(古川哲史)

さまざまな病気を予防するにためには、「食事」「運動」「睡眠」「ストレス」の4つに気を使うべきです。医師であり医学研究者でもある著者の古川哲史氏は、本書で最新の研究結果をわかりやすく説明してくれます。今日はこの中から、1975年の和食と地中海式の食事の効果について紹介します。

東北大学の都築毅博士はマウスを使って、15年間隔の4つの年代(1960、1975、1990、2005)の日本の1週間分の献立から「日本食飼料」を作成し、マウスに8カ月与え、その後のさまざまな身体への影響を調べました。その結果、1975年の日本食が生活習慣病の予防に最も効果的であるという結果が得られました。

2005年の日本食の飼料に比べて、1975年の日本食の飼料で飼育したマウスは以下の点で健康でした。
■BMIが小さく、肥満が少なかった。
■内臓脂肪量が有意に低く、特に肝臓の中性脂肪量、肝臓コレステロール量が有意に低い
■糖尿病に対するリスクも低い

都築先生は、「老化マウス」を用いた実験も行っています。この遺伝子操作でできた老化マウスは、生後24週(半年)ごろから急速に老化が進み、記憶障害などの症状が現れます。また、正常のマウスの寿命は平均2年ですが、老化マウスは約1年と短命です。

この老化マウスに生後4週から1960年、1975年、1990年、2005年の日本食の飼料を与え、生後24週(半年)と48週(1年)での、外見の老化度と脳の学習記憶能力の評価を行いました。生後24週(半年)では食事によって外見の老化度と脳の学習記憶能力には差が見られませんでしたが、48週(1年)になると、外見の老化度・脳の学習記憶能力とも、2005年 の日本食の飼料で育てたマウスに比べて、1975年の日本食の飼料で飼育したマウスで良好であることが明らかになりました。

実際に平均寿命も、2005年の日本食の飼料で飼育したマウスが49週だったのに対して、1975年の日本食の飼料で飼育したマウスは58週でした。2つのマウスの実験から、1975年の日本食は、老化を抑え、寿命と健康寿命の両方を延ばす効果が示されました

実は1975年の日本食は、他の年代の日本食に比べて、植物性タンパク質、不飽和脂肪酸、グリセミック指数の小さい炭水化物の割合が多く、体によいことがわかりました。これは「まごわやさしい」などが多く含まれているためでした。

■まごわやさしい
ま:まめ
ご:ごま
わ:わかめ
や:野菜
さ:魚
し:椎茸
い:いも
和食の食材の「まごわやさしい」を意識することで、健康を維持できるようになります。

都築先生によると1975年の日本食は、がんにも良いことも明らかになりました。 1975年の日本食は、他の年代の日本食に比べて、魚・果物・野菜・海藻・大豆製品・出汁・発酵系調味料など植物性タンパク質、不飽和脂肪酸が多く含まれています。この食事は、がんの予防にも効果が期待できます。特に日本人は、豆腐や納豆などイソフラボンを含む大豆食品を日常的に取り入れていることが、がんの抑制につながっています。

 

地中海食とMIND食も健康に効果あり!

スペインのナバーラ大学のゴンザレス博士らが、約7500人を対象に地中海食を用いた疾患予防という調査研究を行いました。この調査では、被験者を以下の3つのグループに分けています。
①地中海食とミックスナッツを食べる生活
②エキストラバージン・オリーブオイルを特にふんだんに使った地中海食を食べる生活
③地中海食ではない食事で減量

調査では、フィンランドの60~77歳の被験者2654人に、認知力のテストを行ってもらい、結果が同年代のフィンランド人の平均よりもやや劣る1260人を検査対象者としました。この1260人を均等に2つのグループに分けて、対照群として629人には標準的な栄養・食事の助言を行い、631人には地中海食を常食にしてもらいました。食事指導開始前と、開始後1年と2年で、認知機能の検査を実施しました。

標準的な栄養・食事指導を受けたグループに比較して、地中海食を食べたグループで開始後1年、2年とも認知機能が良いという結果になりました。少し認知症が進み始めたと思える人でも地中海食を食べることで、認知症の進行を遅らせる効果があったのです。

アメリカ・シカゴにあるラッシュ大学のモリス博士は、「MIND食・マインド食」(地中海食ほどストイックでないけれども地中海食に近づけた食事)の影響を調べる実験を行っています。マインド食では、葉物野菜と全粒穀物 を主体にして、野菜料理を1日2品、ベリー類(イチゴなど)を週に2品としています。地中海食では魚料理をほぼ毎日食べるのに対して、マインド食では魚料理は週に1回だけ摂るようにします。このマインド食を4~5年続けると、普通のアメリカ食に比べてアルッハイマー病の発症率が低くなるという結果が得られました。厳密な地中海食でなく、地中海食もどきでもある程度効果があることがわかったのです。

1975年の和食や地中海食を食べること、ファストフードや加工食品を減らすことで、私たちは健康を保て、長生きできるようになります。

私たちの祖先の食習慣や運動習慣を見習い、適度な運動、ナチュラルな食事をを取り戻しましょう。

現代の急激に変化した環境下で、病気にならないために必要なのは「運動」、「食事」、「睡眠」、「社会的なつながりを持つこと」に気を配る、これにつきるようです。

著者は、ストレスを避けるのではなく、上手にストレスに対応することで、健康を維持できるようになる指摘します。
そのためには、
・十分な睡眠、すなわち8時間の睡眠をとること
・運動をすること
・バランスのとれた食事を摂ること
・緊密な社会的なつながりを保つこと の4つを実践することがポイントになります。

ひとりひとりが健康に対する意識を高め、食事、睡眠、運動を改善し、人とのつながりを強化することで、心と体の健康をよい状態に保てます。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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