ストア派はなぜ内省の時間を優先したのか?


Woman photo created by pressfoto – www.freepik.com

ストア派哲学入門 ──成功者が魅了される思考術
著者:ライアン・ホリデイ
出版社:パンローリング株式会社

本書の要約

1日の始まりか終わりに、ストア派の哲学者は日記を書き、内省の時間を持ったと言います。彼らは自分のしたことや考えたことを振り返り、記録していました。この習慣を取り入れることで、自分の行動を改善するだけでなく、何に集中すればよいかがわかるようになります。

1日を振り返る時間を持とう!

私は、絶えず自分自身を観察することにしよう。そして、その何よりの方法として、一日1日を振り返ることにしよう。というのも、この点でわれわれは間違いを犯すからだ。誰も自分の生活を振り返ろうとはしない。われわれは先のことなら少しは考えるが、将来の計画は過去から生まれるのだ。(セネカ)

道徳書簡集―倫理の手紙集で、ストア派哲学者のセネカは、兄のノウァトゥスにあてた書簡で、振り返りの時間を持つことの重要性を述べています。今日1日の自分の行動について自問する時間を持つことで、よりよい人生を生きられることにセネカは気づいたのです。
■今日1日、どんな悪い習慣を抑え込めただろうか?
■どんなふうによくなったか?
■自分の行いは正しかったか?
■どうすればもっとよくなるか?

1日の始まりか終わりに、ストア派の哲学者は日記を書き、内省の時間を持ったと言います。彼らは自分のしたことや考えたことを振り返り、改善点を探していたのです。

あのマルクス・アウレリウス自省録も、内省の時間から生まれたと言います。彼の習慣を取り入れることで、よりよく生きられるようになります。

君も自分の日誌をつけよう。コンピューターに保存しても、ノートや手帳に書きつけても構わない。意識して時間をとり、その日の出来事を振り返ろう。しんどい作業だろうが、手は抜かないように。幸せに感じたことは何か、逆に嫌だったことは何か、書き留めておこう。これからしたいことや、お気に入りの言葉も書きつけよう。そうやって考えたことを記録する癖をつければ、記憶にとどまりやすくなる。それから、こんなボーナスもある。自分が走ってきた道のり、その進歩を振り返る記録にもなるのだ。(ライアン・ホリデイ)

ストア派を研究する作家のライアン・ホリデイも、日記を書くことを推奨しています。毎日の振り返りを記録することで、自分の行動を改善するだけでなく、思考や行動を脳に刻めるようになります。

私も5年前から毎朝、感謝日記を書いていますが、この習慣によって、よりよい時間を過ごせるようになりました。その日に出会った人に感謝し、それを記録することで、1日を気持ちよくスタートできます。昨日の反省のもと今日を始めることで、感情をコントロールできるようになり、失敗を減らせるようになったのです。

ライアン・ホリデイの関連記事はこちらから

 

自分がコントロールできることに集中する!

自分にコントロールできるもの、できないもの「あるものはわれわれの力の内にあり、あるものはそうではない。意見や選択、欲求、忌避など、自らの意志が及ぶものはすべて、われわれの力の内にある。だが、肉体や財産、名声など、自らの意志が及ぼぬものはすべて、われわれの力の外にあるのだ。(エピクテトス)

私たちは自分がコントロールできないことに時間を使い過ぎています。日記を書くことで、自分にコントロールできることとできないことを区別できます。

自分の外側で起きる出来事はコントロールできないと理解することで、自分の気持ちを平穏に保てます。状況をコントロールすることはできなくても、自分の思考や感情はコントロールできるのです。

ライアン・ホリデイは外的なことに悩まされないようにすることで、1日を気持ちよく過ごせるようになると指摘します。

自分でコントロールできる範囲を心から理解すれば、世界の姿がはっきりと見えてくる。私たちの自由になるものは、自分の心だけなのだ。今日1日、自分ではコントロールできない外的なものに煩わされそうになったら、このことを思い出そう。

自分でコントロールできるものは何か?逆にコントロールできないものは何か?を考え、前者に集中するのです。あれこれ悩むのをやめ、本当にやるべきことに時間を使うことで、結果を出せるようになります。

朝と晩に、内省の時間をもち、自分がコントロールできるものを思い出すことで、正しい選択ができるようになります。夜、眠る前に内省の時間を持ち、眠りにつくことで気持ちが穏やかになり、よい睡眠を得られます。朝晩にこの時間を持つことで、自分のパフォーマンスを高められますから、ぜひストア派の教えを習慣として取り入れてみてください。

ブロガー・ビジネスプロデューサーの徳本昌大の5冊目のiPhoneアプリ習慣術がKindle Unlimitedで読み放題です!ぜひ、ご一読ください。

 

 

 

 

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
徳本昌大 Amazonページ >
 

徳本昌大をフォローする
習慣化書評生産性向上ブログアイデアクリエイティビティライフハック感謝感謝日記文章時間術書く
スポンサーリンク
徳本昌大をフォローする
Loading Facebook Comments ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました