成毛眞氏のバズる書き方 書く力が、人もお金も引き寄せるの書評


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バズる書き方 書く力が、人もお金も引き寄せる
著者:成毛眞
出版社:SBクリエイティブ

本書の要約

何度も推敲を重ね、自分の感情や思考を真剣に伝えることで、「バズる」文章を書けるようになります。読者の立場から文章を見直し、読みやすさ、わかりやすさを追求しましょう。文章の良し悪しは、「最初の1行」で9割決まると著者は言います。読んでもらえる見出しをつくることを、まずは心がけましょう。

ある程度の長文を書き、推敲を重ねよう!

インターネットの普及はいうまでもなく、いまはSNSで誰もが手軽に発信できる。発信にかかるコストはほぼゼロ。1億総中流時代は格差社会の出現によって消え去ったが、それに引き換えるようにして「1億総書き手」時代が訪れたといっていいだろう。(成毛眞)

SNSやブログ、Noteなど個人が情報を発信できる手段が多様化しています。文章を書くことが日常化し、「1億総書き手」時代が訪れたと元マイクロソフト日本代表の成毛眞氏は指摘します。

副業や起業が当たり前になる中、パーソナルブランディングの重要性が高まり、ビジネスパーソンに「文字で自分の思いを伝える」スキルが求められています。成毛氏は義務教育で習う国語に知識があり、言葉に関心のある人であれば、誰もが自分の感性で魅力的な文章を書けるようになると言います。

文章を書くときには、書き手の本気度が試されます。それは今、流行りのSNSでも変わりません。

SNSは気軽な発信の場だが、少しでもバズらせたいのなら真剣に書くことだ。 文章を書くという行為は自分の感情や思考の発露である。つまり文章を真剣に書くというのは自分の感情や思考を真剣に伝えるということだ。読む側からすれば、書いた人の感情や思考がありありと伝わってくる。そんな文章こそがバズるエネルギーを帯びる。

真剣に書くためには、ある程度長い文章(400字程度)を書き続け、それに推敲を重ねます。いったん文章を書き上げたら、今度はその文章に手を加えていくのです。著者はこの推敲をしっかり行うことで、バズる文章が書けるようになると言います。実際、成毛氏はFBの投稿でも、しつこく推敲を重ねることで、世の中に自分の考えを伝えています。(本書には成毛氏の投稿の推敲のプロセスが詳しく紹介されています。これがとても参考になります!)

グルーヴ感のあるノリのよい文章を書こう!

文章の良しあしを分けるのは、もちろん「何をどう表現するか」である。 しかしそれ以前に、文面を見て「うわ、読みたくないな」と思われてしまったら、何をどれだけうまく表現していても無用の長物となる。文章の「見た目」はバズる文章の第一関門なのだ。見た目が魅力的でない文章は読む気にならない。決して侮ってはいけないのだ。

SNSはスマホで読まれるために、見た目を意識しなければ、すぐにスルーされます。冒頭で読みたくないと思われたら、あなたは存在しないのと同じです。読みやすくするためのテクニックは、以下のとおり。
・漢字とひらがなのバランス(漢字はできるだけ開いた方がよい)
・改行、1行空き
・余白と空白、スクロールするのが大変なのはNG。(努力が無駄に!)(改行・余白の参考記事
・140字に一つ行間を作れ(段落変えをする)

書き手にとって、読者にうんざりされてしまうのは、とても勿体ないことです。せっかくアウトプットするのですから、自分の投稿が読みやすいかどうかを確認しましょう。スマホで見られることを意識し、徹底的に見た目にこだわるようにするのです。

文章は多分に主観的なものだが、まず自分が読者になるというのは、書き手としての最低限のマナーである。最初は勘所がわからなくても、自分の投稿を見直して手を入れるというのを繰り返していくうちに、スマホで読みやすい文面のコツがつかめるだろう。

文章をバズらせるためには、読み手の存在が不可欠です。読み手のために、何度も推敲を重ねる習慣を身につけましょう。スマホファーストでの投稿を意識し、読者視点の文章を書き続ければ、SNSでファンをつくれますし、投稿の勘所もつかめるようになります。

作品の良しあしは「最初の1行」で9割決まる。これは作家の問でよくいわれてきたことだが、SNSの発信でも同じだ。むしろSNSでは、より一層最初の1行の重要性が高い、といってもいいのかもしれない。本は、読者が自分の意志で「開く」ものだ。一方、SNSはスクロールするごとに、さまざまな人が書いたものがどんどん「流れてくる」ものである。見ている人はあまたの人の投稿の1行目を見て、その投稿を読むかどうかを決める。

SNSの投稿は最初の1行が勝負で、「1行」で読ませる書き方を身につけれなければ、読者にスルーされてしまいます。SNSの特性を見誤らないように、出だしの1行に神経を使うべきです。最初の1行は本や新聞の見出しだと捉え、コンパクトにまとめ、「つかみ」をつくるようにするのです。

■成毛氏のテクニック→投稿の導入部分を短い感想で、端的に始める。
・何かレコメンド 「これは絶対おすすめ!」
・自分の体験談や告知文 「先日、貴重な体験をした。」「〇〇イベントの告知です!」
・感嘆詞で始める 「あはははは。」「びっくり!」「いやはや、なんだかなあ」
・読者に「おっ?」と思わせれば、しめたものです。

長い文章は読者の読む気を削ぐと考え、最初の1行は短くしましょう。長い説明は不要だぐらいの勇気を持って、導入部分を短くするのです。

文章と音楽は似ている。読ませる文章には「読んでいて心地いいリズム」があるのだ。いくら難しい言葉を使っていなくても、リズムが感じられないだけで最後まで読む気が失せてしまう。反対に、大して目をみはるようなことを言っていなくても、リズムが感じられる文章には思わず「いいね!」したくなる。はっきりと自覚していない人のほうが多いだろうが、これが読者の習性というものなのだ。

ブラックミュージックのようなグルーヴ感を文章に持たせると、読者にスラスラと読んでもらえます。リズム感のあるノリのよい文章を書けば、読者からスルーされなくなります。明治の文豪の夏目漱石も、リズム感を意識していました。「吾輩は猫である。名前はまだ無い」という表現で、読者を一気に引きつけたのです。リズム感がある書き出しによって、読み手はハッとさせられ、次を読み進めたくなるのです。

■成毛氏のテクニック→接続詞と一文の長さを意識する。
・文章のリズムをよくするための接続詞 むしろ、たしかに、もちろん、なにしろ、さすがにといった副詞を接続詞として使っている。
・「一文の長さ」を意識するというのは、短文・中文・長文を織り交ぜて文章のテンポに強弱をつけるということだ。

音楽では、強拍と弱拍を織り交ぜてリズムの強弱を作ることを「シンコペーション」という。文章でも短文・中文・長文を織り交ぜると、音楽的なシンコペーションが生まれるのである。何気ない書き出しに見せかけて、絶妙なテンポを感じさせる。そんな文章には不思議と先をどんどん読みたくさせる威力があるのだ。

また、句読点を使いこなすことで、文章は音楽的になります。リズムをよくするためには、読み手の立場になって、読点の入れ方を考えるようにすべきです。ポイントは以下の3つ。
1、リズムをよくする調整役として接続詞を入れるとき あえて接続詞の後に読点を打たない。
2、音読したときに、ひと息つきたいところ(読者にひと息ついてほしいところ)に「、」を打つ。
3、修飾的な文章が長くなり、どの節がどの節を修飾しているのかわからない場合は、視覚的な読みやすさを優先して「、」を打つ。

本もSNSも読者に読んでもらって、なんぼの世界です。バズる文章を書きたければ、本書のノウハウを徹底的にパクればよいのです。それほど成毛氏は真剣に推敲を重ね、文章のレベルを高めています。文章は1行目が9割、グルーヴ感、スマホでの見た目を意識し、読み手に刺さる文章を今後も書けるよう努力を続けます。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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