タイムスマートな生き方を実現しよう!アシュリー・ウィランズのTIME SMART(タイム・スマート): お金と時間の科学の書評

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TIME SMART(タイム・スマート): お金と時間の科学
著者:アシュリー・ウィランズ
出版社:東洋経済新報社

本書の要約

未来の不確実性が増している中で、時間の浪費は許されなくなっています。お金より時間を優先するタイムリッチな生き方を選ぶことで、私たちの幸福度がアップします。時間を味方に付けることで、生産性が高まるだけでなく、自分への投資や余暇も増やせます。

タイムスマートな生き方を目指そう!

私たちは第二の天性ともなっている「タイム・イズ・マネー」という考え方をひっくり返さなくてはならない。ほかならぬ健康と幸福が、それにかかっているのだから。実際には、「タイム・イズ・マネー(時は金なり)」ではなく、「マネー・イズ・タイム(金は時なり)」なのだ。(アシュリー・ウィランズ)

ハーバード・ビジネススクールのアシスタントプロフェッサで、心理学者のアシュリー・ウィランズは、お金と時間の関係を見直すことで、幸せになれると述べています。自分の時間をリッチにすることで、生産性が向上し、幸せになれると言うのです。時間を優先することで、自分がやりたいことに集中でき、お金も稼げることが明らかになったのです。

時間とお金のどちらを優先したらよいのでしょうか?今までの常識では、お金が重視されていました。しかし、時間を犠牲にする「タイム・プア(時間的に貧乏)」に陥るとストレスが増えたり、孤独になり不幸になりがちです。心と体の健康をお金と引き換えにすることで、人生の負け組になってしまうのです。

お金を追い求めるのも、ある程度までは大事だけれど、それは果てしない任務となる。もっとお金を得ようとする試みには、切りがない。そして、調査結果が示しているとおり、人はすでにどれほどお金をもっていても、もっと手に入れようとする。けれど、時間がどれほど貴重かを考えれば、時間を最優先させるべきだ。それなのに、多くの人がキャリアに的を絞り、多くの時間を犠牲にし、それと引き換えに、もっとお金を手に入れたり、生産性を上げたりしようとする。

著者は、「タイム・イズ・マネー(時は金なり)」という考え方をやめ、「マネー・イズ・タイム(金は時なり)」というマインドセットを取り入れるべきだと言います。自分の生活の中のタイムトラップ(時間の罠)を見つけ、それを改善することで幸福度がアップします。お金よりも時間を大切にすることで、人生をよりよくできるのです。

著者が研究仲間とともに、ヨーロッパで5万人の従業者を対象に行なった調査では、今回のコロナパンデミックの間、自分の仕事に最も満足しているのは自宅で働く機会を与えられた人々でした。この調査では、対象となった従業者の20%が、パンデミックへの雇用者の対応のせいで転職したくなった、と答えました。ところが、在宅勤務を許された従業者のうち、この危機的状況への雇用者の対応のせいで仕事を辞めたくなったという人は、1人もいませんでした。リモートワークは一流の人材を定着させてくれそうです。

しかし、リモートワークの環境では、人とのコミュニケーションが減るため、孤独になることもあります。メールやチャットの対応が増え、働き過ぎになることもあります。仕事とプライベートの線引きを明確にしなければ、ストレスを溜め込んでしまいます。

リモートワークの環境では、「単純緊急性効果」を免れ、緊急な課題よりも重要な課題を優先することが、大切になります。あまり大切ではない課題や苦手な課題をアウトソーシングしたり、他人に任せたりして、本当に重要な課題に時間を使うようになります。

タイムスマートになることで、私たちは以下の恩恵を得られます。
■幸福感が増す
お金よりも時間を大切にすると、結婚したときの約半分もの幸福感が得られることがわかっています。そして、この幸福感の増大は、あらゆる層の人に当てはまると著者は指摘します。
■社会的なつながりが強まる
時間を重視すると社会の中で、人間関係を優先するようになります。
■人間関係の満足感が増す
時間があることで、パートナーとの人間関係がより深まります。
■仕事の満足感が増す
時間を大切にする人は、お金を大切にする人と同じ時間数だけ働きます。時間を大切にする人のほうが、お金を大切にする人よりも多くの収入を得ることがあるのです。なぜなら、前者のほうが、自分が大好きなキャリアを築きやすく、生産性が高く、創造性に富み、退職する可能性が低いからだということが調査結果から明らかになっています。

タイムスマートになるための8つの戦略

時間は限られた資産で、無駄遣いすると自分の目標を実現できなくなります。著者はタイムスマートになるための8つの戦略を以下のように整理しています。この戦略を用いることで、私たちは時間の使い方を変えることができ、生産性を高めたり、より幸せになれます。

■タイムスマートになるための8つの戦略
戦略1、なぜかを問う
自分が束の間の自由時間を無駄遣いしているのに気づいたら、なぜこんなことをしているのか、自問します。

戦略2、ゆとり時間を予定する
仕事や余暇の合間に、空っぽのゆとり時間を確保し、人生に余裕を取り戻しましょう。ゆとり時間があることで、弱い紐帯を築けるようになり、より創造的になれます。この弱い中退との時間を増やすことで、私の運気は高まっています。スケジュールにゆとりを持つことで、未来を明るくできるのです。

戦略3、自分のカレンダー・マインドセットを知る
●クロック・タイム(「午後1時から2時15分まで」というように、とても具体的に時間を決めておく)型?
●イベント・タイム(「午後の半ば」のように、あまり具体的にではなく、おおよそ の時間帯を決めておく)型か?自分がどちらのタイプが明らかになれば、そのスタイルでスケジュールを埋めていきましょう。時間のマインドセットを変えることで、心地よく過ごせるようになり、タイム・リッチな人生を歩めるようになります。

戦略4、意図をもつ
どうすれば有効に時間を使えるかを考えます。意図をもち、いつ、どこで、何を、誰と、どのようにしてタイム・リッチになるかを突き止め、その意図を記録します。タイムプアな活動をタイムリッチな活動に変えていきます。私はこのブログを書き続けるという意図をもつことで、インプットの時間を確保するようになり、学びの時間を増やせるようになりました。

戦略5、アメとムチを使う
意図したとおりにやり抜いたときには自分にご褒美を与え、やりそこねたときには自分を罰しましょう。

戦略6、タイム・スマートなデフォルト設定をする
さまざまなデバイスを設定して、タイム・スマートな行動をとりやすくします。

戦略7、単純緊急性を見極め、それと闘う
ただ緊急なだけの用件と重要な用件との違いに気づくようにしま巣。そして、ただ緊急なだけの用件よりも重要な用件に的を絞るようにします。このマトリックスを参考にして、緊急ではないが、重要であるタスクの時間を確保しましょう。

 

戦略8、余暇をゆったりと過ごす
余暇の経済的な価値を考えないようにして、目の前の時間を楽しむようにします。かけたお金に見合ったものを余暇の活動から引き出せているかを考えるよりも、余暇の一瞬一瞬を楽しむことに集中しましょう。

もし、あなたが、時間のストレスを感じているなら、以下のことをやってみましょう。
□時間のトラッキングをする
自分の時間が何に使われているのかを見極めましょう。

□やるのが楽しいことについて考える
自分が幸せになれることや、意義を感じられること、生産的なことにもっと的を絞りましょう。

□物事の合間に短い自由時間を見つけて、そうした活動をもっとやる
自分がもっとほしいと思っているもの(たとえば、快楽、意義、生産性)の優先順位をつけましょう。

□楽しくないこと、ストレスになることについて考える
惨めな気分やストレスをもたらすもの、非生産的なものに注意を向けましょう。

□そうした経験をもたらす活動に費やす時間を減らす
時間に投資したり(たとえば、外注する)、時間を見つけたり(たとえば、会議をキャンセルする)、時間の捉え方を変えたり(たとえば、望ましいものに的を絞る)して、そうした活動をできるだけ減らしましょう。私は自分が苦手なことはアウトソーシングし、自分が得意なことに時間を振り分けるようにしています。

□見つけた自由時間を自分のために埋める
自由時間にやりたい活動のスケジュールを決めましょう。もっと読書に時間をかけたければ、いつそうするかをしっかり決めておいてください。ここでは仕事を優先しないように注意を払うべきです。

□余暇を楽しむ
仕事を終えたら、余暇を徹底的に楽しみましょう。余暇は頑張ったご褒美だと考えるのです。

未来の不確実性が増している中で、時間の浪費は許されなくなっています。本書のメソッドを取り入れ、タイムリッチになることで生産性が高まるだけでなく、自分への投資や余暇も増やせます。より幸福に生きるために、時間を味方につけましょう。

ブロガー・ビジネスプロデューサーの徳本昌大の5冊目のiPhoneアプリ習慣術がKindle Unlimitedで読み放題です!ぜひ、ご一読ください。

 

 

 

 

 

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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