失敗体験を共有する仕組みづくりが、イノベーションを起こす鍵。


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失敗の殿堂―経営における「輝かしい失敗」の研究
著者:ポール・ルイ・イスケ
東洋経済新報社

本書の要約

Knowledge=Insights×Information×Inspirationという公式を活用することで、成功するための知識を増やせます。また、知識創造を上手に行うためには、暗黙知を形式知に変えることが求められます。失敗体験を形式知に置き換えることで、成功の可能性を高められるのです。

成功には知識や体験が欠かせぬ理由

Knowledge=Insights×Information×Inspiration(ポール・ルイ・イスケ)

ポール・ルイ・イスケは、マーストリヒト大学ビジネス・経済学部教授で、「輝かしい失敗研究所」のチーフ・フェイリュア・オフィサー(最高失敗責任者)として活躍する失敗学のプロフェッショナルです。彼が失敗についてまとめた失敗の殿堂―経営における「輝かしい失敗」の研究書評を続けます。

著者は成功につながる「輝かしい失敗」には知識と学習が欠かせないと述べています。知識(Knowledge)とは、意思決定、機会の創出、問題解決を中心とする課題を実行するための「燃料」と見なすことができます。

知識は次の3つのカテゴリーに分類できます。
■洞察(Insights)    振り返り(リフレクション)をして、過去の経験を理解
■情報(Information)  無知、不確実性、不確定なものを減らすために、収集したデータ
■インスピレーション(Inspiration)    どこに行きたいか、どこに行くべきかを私たちに教えてくれる。

私たちは知識を使って、過去、現在、未来を結びつけているのです。

この3要素はシンプルな公式にまとめられます。
Knowledge=Insights×Information×Inspiration

洞察と情報とインスピレーションを掛け合わせたものが知識を生み出します。 情報はオリジナルの文脈以外に、インターネット、書籍、データベース、リポートといった多様なチャネルを通じて共有できます。 ただし、知識の重要な部分は私たちの中にあり、なかなか他者に共有されません。

私たちの経験が洞察やインスピレーションの重要な情報源となっています。何かを行ったり、決めたりするのは、経験のおかげです。洞察は時にはうまく言葉にできないこともありますが、この種の知識は、暗示的知識や暗黙知として知られています。

ナレッジバリューチェーンを活用しよう!

私が他の人よりも遠くを見てきたとすれば、それは私が巨人の肩の上に立っていたからだ。(アイザック・ニュートン)

いろいろな情報源の知識を組み合わせて使えば、より多くのことが可能になります。ナレッジバリューチェーンをつくることで、自分の可能性を広げられるようになります。マシュー・ウェッフマンが説いた「ナレッジバリューチェーン」を活用することで、成功の可能性を高められます。

知識の開発のためには、以下のことを明らかにしなければなりません。
■何を達成したいか?
■そのためにどのような知識が必要か?
■それは入手可能か?
■入手できない場合、開発、購入、協力など、どんなやり方で取得すればよいか?

変化が激しい時代に成功するためには、知識を増やす必要があります。ナレッジバリューチェーンによって、知識の獲得だけでなく、知識を活用できるようになります。多様なバックグラウンドを持ち、多様な企業や業界で働いている人々がいる場合には、知識や体験の共有が重要になります。他者の知識や体験を共有できる仕組みがなければ、イノベーションはなかなか起こせません。

しかし、知識全体のうち、書類で移転できる形式知はごくわずかです。デルファイ・グループが行った調査では、全知識のうち形式知は平均して12%にすぎないことがわかりました。それ以外の知識はすべて、私たちの脳の中や、電子メール、メモ、ボイスメールなどの「構造化されていない」知識環境に溜まっています。この暗黙知を形式知に変えることが、リーダーに求められています。

輝かしい失敗から暗黙知も豊富に生み出されていますが、自動的に他の人でも利用できる状態にはなっていません。私たちはを暗黙知を互いに共有する方法を探さなければなりません。適切なアプローチと手段を使うことで、「輝かしい失敗」に終わったプロジェクトで得られた知識がより簡単に「流通」しやすくなり、さまざまな場所でより頻繁に利用することができ、成功への可能性を高めてくれます。

野中郁次郎氏と竹内弘高氏の「SECIモデル」を使うと、知識や体験を共有できるようになります。個人が持つ暗黙的な知識(暗黙知)は、「共同化」(Socialization)、「表出化」(Externalization)、「連結化」(Combination)、「内面化」(Internalization)という4つの変換プロセスを経ることで、集団や組織の共有の知識(形式知)となるのです。

「共同化」→経験の共有によって、他者に暗黙知を移転。
「表出化」→暗黙知を言葉に表現して、メンバーで共有。
「連結化」→言語化された知識を組み合わせ、新たな知識を創造。
「内面化」→表出化された知や連結化した知を、自らのノウハウ・スキルに変える。

知識創造を上手に行うためには、暗黙知を形式知に変えることが求められます。失敗体験を形式知に置き換えることで、成功の可能性を高められます。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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