ハマトンの知的生活(P.G.ハマトン)の書評

white dog walking on forest trail

ハマトンの知的生活
P.G.ハマトン
三笠書房

本書の要約

知的生活を送りながら、健康を維持することはとても難しいことです。根を詰めるのをやめ、意識的に座っている時間を中断することで、健康寿命が伸びてQOL(Quality of life)も上がることがわかっています。自然の中を散歩することで、心と体をリフレッシュでき、生産性をアップできるのです。

知的生活を送りながら健康になる方法

知的労働がもとで、悪くすれば病気になることもありますが、そのような場合でも、知的労働はその間接的原因にしか過ぎないことが多いようです。私たちが病気になるのは、知的労働そのもののせいではなく、書斎に閉じこもって運動不足になり、娯楽に乏しい単調な生活を送ってしまうことに原因があるのです。P.G.ハマトン

大学生の頃、ハマトンの知的生活を読んで以来、今までに何度も本書を再読してきました。どうすれば、知的な生活を送れるかをハマトンほど考えた人はいません。本書の中には、ハマトンだけでなく、先人の知恵や体験が詰まっていて、彼らの習慣を真似ることで、自分をよりよくできます。

知的労働をしながら、最高に健康でいることはとても難しいものです。学びとエクササイズを両立させることは、意外に大変で、多くの天才と言われる人たちもそのバランスを崩し、健康を害しています。

しかし、ハマトンは知的労働と健康のバランスは取れると述べています。自分が決意すれば、知的労働を行いながら、健康になれることをケーススタディを示しながら明らかにしています。

イギリスの代表的なロマン派詩人のウィリアム・ワーズワースは戸外を歩きながら詩をつくりました。そうすることによって、机にかじりついてばかりいる生活がもたらす害から身を守ったのです。

ロンドン・タイムズ社の創立に大いに貢献したW.F.A.ディレインは、同僚たちがびっくりするくらい頑健だったと言います。彼は自分を厳しく律し、節制を重ねたと言います。

以前の私は節制ができず、暴飲暴食を繰り返していました。結果、アルコール依存症になり、健康を害していました。この堕落した人生にサヨナラするために、私は15年前に断酒を決意し、習慣を変えることで、健康な体を取り戻せました。

断酒することで時間の使い方が変わり、飲み屋で過ごしていた時間を読書やブログ、散歩に時間を割けるようになりました。禁酒の習慣を厳格に守ることで、知的生産の時間と運動の時間を確保でき、自分を変えることができたのです。

心と体をリフレッシュする方法

フランスの女流作家のジョルジュ・サンドは、ある新聞社の社長から文芸欄の小説を急いで書くように催促されました。サンドは注意深く慎重な作家で、小説を書く際には準備することを重視していたため、仕事を急かされるこを我慢できませんでした。

準備不足の中、結果を出すために彼女はハードワークで対応します。超過勤務に耐えられるようにと、夜にその仕事の一部をまわして、昼間の数時間を、自分が住んでいる田舎を散歩することに割り当てました。世の作家たちの多くは、ハードワークをする際、一時的に運動するのをやめてしまいますが、サンドは健康状態をよくすることを意識し、散歩を続けたのです。

スコットランドの詩人のウォルター・スコット卿も、屋外スポーツを心ゆくまで楽しむことによって、座りづめの仕事がもたらす悪影響の埋め合わせをしました。フランスの作家のウージェーヌ・シューは、毎朝10時まで執筆をし、田舎の別荘にいる時は、残りの時間を乗馬か屋外スポーツ、あるいは庭仕事をして過ごしたと言います。

イギリスのロマン派詩人のパーシー・ビッシュ・シェリーは、ボートを漕ぐことを習慣にしていました。ボートを漕ぐことによって、筋肉を鍛えるだけでなく、絶えず思索を練ったり、瞑想に耽ることで、彼は精神の疲労を取り除いていました。

傑出した知性の持ち主が自己の能力を十二分に発揮し続けていられるのは、机に向かいづめの生活からくる悪影響を、自ら防いでいるからにほかなりません。

知的労働をして疲れたと感じた時には、体が休息と気晴らしを求めていると考えましょう。疲れを放っておくと心と体の健康に悪影響を及ぼします。座りすぎは健康に悪いこともわかっています。デスクの前で根を詰めるのをやめ、定期的に立ち上がり、体を動かすようにしましょう。

意識的に座っている時間を中断することで、健康寿命が伸びてQOL(Quality of life)も上がることがわかっています。自然の中を散歩することで、心と体をリフレッシュでき、生産性をアップできるのです。


 

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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