エピック・コンテンツマーケティング 顧客を呼び込む最強コンテンツの教科書(ジョー・ピュリッジ )

MacBook Air beside gold-colored study lamp and spiral books
エピック・コンテンツマーケティング 顧客を呼び込む最強コンテンツの教科書
ジョー・ピュリッジ
PHP研究所

本書の要約

エピック・コンテンツマーケティングの戦略の最大のポイントは、もし企業が首尾一貫した有益な情報をストーリーにして継続的に買い手に届けることができたなら、顧客のロイヤルティを得られることです。顧客の重要な情報源になり、頼りになる存在になることを目指しましょう。

コンテンツマーケティングで顧客のロイヤルティを獲得しよう!

われわれのコミュニケーションはストーリーをとおして語られる。何を売るかではなく、顧客のために何ができるかをストーリーとして伝えていくことで。ストーリーの力とは、読者と消費者をストーリーの一部にしてしまうところにあると思っている。「エピック・コンテンツマーケティング」の力を信じているのだ。(マイケル・ブレナー)

SAPのマーケティング部長のマイケル・ブレナーは、コンテンツマーケティングの重要性を指摘します。コンテンツマーケティングにおいては、自分たちの言いたいことより顧客のニーズを優先し、人々とつながり合えるストーリーを語ることが求められています。

伝えたい相手とエモーショナルにつながることができる「エピック(Epic)・コンテンツマーケティング」を採用することで、顧客に発見してもらえるようになるだけでなく、絆も強化できるのです。

本書の著者のジョー・ピュリッジは、コンテンツマーケティング戦略の第一人者で、コンテンツマーケティング・インスティテュート(CMI)の創設者です。Epicには「壮大な、堂々とした規模の、大航海」という意味がありますが、私たちはこの意味を意識し、ブランドストーリーを語るべきだとピュリッジは述べています。

コンテンツマーケティングは、基本的に販売行為は抜きで顧客、潜在顧客とコミュニケーションする技術のことだ。コンテンツマーケティングは休みなく行われる。自分たちの製品やサービスを売り込むのではなく、買い手の知識欲を高めるような、あるいは楽しませるような情報を伝えることで、エモーショナルな関係を築こうとするものだ。 この戦略の最大のポイントは、もし企業が首尾一貫した有益な情報を継続的に買い手に届けることができたなら、その見返りとして顧客のロイヤルティが得られる。(ジョー・ピュリッジ)

ソーシャルメディアマーケティングとコンテンツマーケティングの役割は異なります。
ソーシャルメディアマーケティング
1、ブランドを知らしめること──ブランドをめぐる活動、ディスカッションを促せます。
2、顧客維持・顧客満足を図ること。ブランドはソーシャルメディアのチャネルを顧客と直接対話できるオープン・フォーラムの場として用い、顧客の持つ問題・疑問について論じ合うことができます。 

・コンテンツマーケティング
ウェブサイトを拠点としているため、潜在顧客に対してより重点的に取り組むことが可能になります。良質のコンテンツに引かれて見込み客がブランドサイトを訪れれば、ブランドは彼らとの関係を発展させ、見込み客に転換させたり、あるいは商品購入にまで導くことが可能となるのです。

ソーシャルメディアマーケティングとコンテンツマーケティングを掛け合わせることで、クライアントはマスメディアの力を借りることなく、ダイレクトに生活者にストーリーを届けられます。ブランドが真のメディアパブリッシャーとなることで、顧客とより深く関われるようになります。

コンテンツマーケティングによって得られるメリットとは?

役に立ち、説得力のあるコンテンツが突破口を開く。そうでないものはみな、無視されるか、読み飛ばされるか、軽んじられるのが落ちだ。

企業が成功するためには、コンテンツを用いてオーディエンスの関心を絶えず引くことが求められています。コンテンツマーケティングによって、顧客を作り出すだけでなく、自社のファンを作り出すことが可能になっています。そのためには、オーディエンスに役立つコンテンツを発信する必要があります。

クライアント企業は読者にエピック(最高)なコンテンツを絶え間なく、長期間、発信することで、新しい顧客やリピーターを獲得できます。

従来型のマーケティングとコンテンツマーケティングは以下の点で異なります。
・自分たちのものではなく顧客のためのものである。
・「どなたにも合います」的なセールスコピーではなく、顧客にとって関連性の高いコンテンツで関心を引くこと。
・モノローグではなく、双方向の対話である(顧客に向かって叫ぶのではなく、語りかける)。
・よりダイナミックで、修正も容易。
・リスクが少ない。
・有効期限がずっと長い。
・マーケティングが機能している証が得られ、効果の把握も容易である。
・大切な宝であるクチコミの評判を最大限に活かせる。
・販売の前にも後にも行われる。
読者のためになる、宣伝色を控えたコンテンツが新規顧客やファン、リピーターを生み出してくれます。

また、コンテンツーマーケティングによって、以下のメリットが得られます。
■優秀な人材を採用できる
■社内のモチベーションを高める
■コンテンツはコミュニケーションの回路を開く(コンテンツによって仲間や上司をプロジェクトに引き込める)
■コンテンツは信頼を育む

信頼がゴールであるなら、企業は「売り込まないことで売る」よう努めるべきなのだ。

コンテンツマーケティングは顧客の情報面でのニーズを満たし、関心を持ってもらうというやり方です。 最初からすべてが備わったコンテンツマーケティングをしようとするのではなく、顧客のためになると思われるコンテンツを作成し、発信することか始めましょう。100点満点を目指すのではなく、まずは顧客との関係を模索することから始めてみるのです。

●エピック・コンテンツマーケティングの6原則
①顧客のニーズを満たす
②定期発行
③人間味を持つ
④視点を持つ
⑤売り込みを避ける
⑥その領域の第一人者になる

顧客の重要な情報源になり、頼りになる存在になることを目指しましょう。私はこの書評ブログを毎朝、経営者のために届けていますが、ブログによって、多くの経営者や士業、コンサルタントと出会えました。彼らが読みたい書籍を紹介することで、良質な人的ネットワークが手に入りました。

コンテンツの発信者は、メディア企業や編集者のように考えて行動すべきです。コンテンツマーケティングで行うことはすべて、オーディエンスに始まり、オーディエンスで終わるのですから、オーディエンスのウォンツとニーズを理解しなければなりません。

エピック・コンテンツマーケティングで成功したければ、以下のプロセスでコンテンツを設計すべきです。コンテンツで自社を成長させると決め、オーディエンスの課題を解決できるコンテンツを発信しましょう。
●エピック・コンテンツマーケティングの5つのプロセス
1、ゴール/目標の設定
2、オーディエンスの定義
3、オーディエンスの購買プロセスの理解
4、コンテンツニッチの選択
5、コンテンツマーケティンングのミッションステイトメントの策定

他者とは異なるにはオーディエンスの役に立つ最高の情報を開発し、発信することを目標にすべきです。顧客が関心を持つ理由を提供し続けることで、彼らとの素晴らしい絆を育めるようになります。



 

 

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
徳本昌大 Amazonページ >
 

徳本昌大をフォローする
イノベーションセレクト習慣化書評ソーシャルメディアアイデアクリエイティビティ
スポンサーリンク
徳本昌大をフォローする
起業家・経営者のためのビジネス書評ブログ!
Loading Facebook Comments ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました