エベン・ぺーガンのチャンスを見つける19の法則の書評 チャンスのキュレーターになろう!

チャンスを見つける19の法則
著者:エベン・ぺーガン
出版社::ダイレクト出版

本書の要約

チャンスに対するマインドセットを変えることで、人生をより豊かにできます。チャンスはいつもそこにあり、よく探すことで、チャンスを見つけられます。チャンスのキュレーターというマインドセットを身に付けることで、人生のさまざまな分野ですばらしいチャンスのコレクションを作れるようになるのです。

チャンスはあなたの周りに必ず存在する!

何かの解決策を探したり、仕事を終わらせたり、目標に到達したりする必要があるとき、周りをよく見回せばきっとチャンス力が見つかると私は経験から学んだ。チャンスはいつもそこにあるのだが、よく探す必要があるのだ。自ら進ん働くのは、どんな場合でも必勝戦略になる。チャンスに関しては、なおさらそれが当てはまる。(エベン・ぺーガン)

本書を読むことで、あなたは簡単にチャンスのつかみ方を学べます。チャンスは絶えずあなたのそばにあるのですが、真剣に探していないがために、見つからないのです。

チャンスには3つの真実があると著者は言います。
■チャンスを理解することが人生の成功の鍵である。
あなたは人生のチャンスの量と質を高められる。
■そのために信頼できるシステムがある。
手に入るチャンスの質と量を高めるためには、自分に対する見方や他者への見方を変える必要があるのです。

テクノロジーの変化がチャンスを掴む確率を高めています。Uberが成功したのも、優れたアイデアだけでなく、iPhoneやソーシャルメディアの普及があったからこそです。

アイデアのひらめきと、その実現を可能にするいくつかのイノベーションの出会いが、私の言う「チャンスの窓」だ。未来に向かっていくにしたがって、ますます多くのチャンスの窓が開くだろう。なぜなら変化の速度の増大と、イノベーションを進める人やグループの増加による相乗効果で、より多くの分野でますます多くのイノベーションやアイデアが生まれてくるからだ。結果的にアイデアとイノベーションの出会いはもっと増える一そしてチャンスの窓もいっそう増えるだろう。これは好循環だ。イノベーションが進んでチャンスが増え、さらにイノベーションが進む。そして変化の速度が加速するため、チャンスの窓はますます速く開くようになる。

しかし、インターネットなどの技術を利用してチャンスを生かす人が増える一方で、チャンスの「賞味期限」はどんどん短くなっていきます。窓は速く開くだけでなく、閉まるのも速くなるのです。人々が目の前のチャンスをあっという間につかんで、自分のものにしてしまう前に私たちは行動を起こす必要があるのです。

チャンスのキュレーターを目指そう!

チャンスのキュレーターとして、あなたは人生のさまざまな分野ですばらしいチャンスのコレクションを作るだろう。

チャンスを追求するために、キュレーションというマインドセットを取り入れることで、様々なチャンスに出会えるようになります。あなたは一度に1つしかチャンスとしか出会えないわけではありません。不思議なもので、チャンスは立て続けにやってくるものものなのです。

あなたは基本的に無限の選択肢を持っていて、未来につながる生き方の1つとしてチャンスを選ぶことができるのです。自分自身をチャンスのキュレーターに変え、最高のチャンスを選択する仕組みを作るようにすべきです。人生のすばらしいチャンスをいくつも選んでいくと、チャンスの「コレクション」ができ上がります。

そのうちいくつかのチャンスは、驚くほどの成果を上げ始めてくれます。1つの分野で1回だけ成功を収めるのに比べて、いくつかの分野で成功を重ねれば、いっそう豊かで興味深い経験ができます。私は著者になり、ブロガーになることで、ネットワークが広がり、ここからチャンスの質と量を劇的に変えることができました。

チャンスをコレクションと考えれば、視点が広がります。以下のようなチャンスをコレクションに加えることで、人生はより豊かなものになるはずです。
■もっと健康でエネルギッシュになるチャンス
■尊敬する人と交友関係を持つチャンス
■生きる意味を見いだすチャンス
■人生の目標を実現し世の中に献するチャンス

これらのチャンスがすべてあなたの人生の一部として生かされたとき、相乗効果が起きて、1つの分野で成功するだけでは決して到達できない高い次元の成功が手に入ります。キュレーションという考え方をマインドセットに取り入れ、明確な意図を持った意識的なキュレーターとして現実に向き合うためには、「決断」というマインドセットを超越する必要があります。チャンスがきたと感じたら、それをものにすると決め、全力で取り組むようにするのです。

チャンスを選ぶとき、重要なのは金銭的利益の計算だけでなく、人間的な面の利益(そしてそのチャンスに関わることによる人間的な面の代償)を考慮することが重要だと著者のペーガンは指摘します。チャンスは入れ代わり立ち代わり現われ、利益や損失を与えます。私たちは全てのチャンスから、利益を受け取れるわけではありません。あるときは、あなたにストレスや不満を感じさせるかもしれません。

悩んだ時には、そのチャンスが秘めている可能性を、「全体的自己実現ポイント(Holistic Actualization Points)」=HAPSという指標で評価してみるといよいと著者は言います。これは特定のチャンスがあなたの長期的な全体的自己実現にどれくらい貢献するかを推測して、1から10までの数値で表すものです。

あるチャンスがあなたの生活の質や人間的成長に貢献しないとしたら、それはチャンスとは呼べません。チャンスが与える長期的な影響と、それが自分の人間的な成長や自己実現にどう貢献するかを考慮し、HAPSスコアで評価すれば、それぞれのチャンスを簡単に比較できるようになります。

私はチャンスがきたら、過去の経験と直感で判断するようにしています。よい人から運ばれてきたチャンス、自分の可能性を広げてくれる話なら、基本すぐに手を上げるようにしています。

あなたが人から受ける影響は、あなたの運命を左右する。だから未来の自分のロールモデルになる人と意識的につきあうのはとても重要なことだ。そう考えると、進化的発達を理解し、人間的な進化や人間関係の進化に熱意を持った人をぜひとも見つけたい。しかし、そういう人はなかなかいない。なぜなら自己を発達させ、進化させるのは勇気と大胆さを必要とするからだ。

「成長マインドセット」を持っている人、つまり自分自身や自分の環境は変えられると信じている人を探し、彼らの仲間になるのです。彼らと付き合うことで、自分の知識や知性を高められますし、自分の運命をよい方向に変えられるようになります。

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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