最後までやりきる力(スティーヴ・レヴィンソン, クリス・クーパー)の書評

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最後までやりきる力 
スティーヴ・レヴィンソン,クリス・クーパー
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)

本書の要約

仕事で結果を出すためには、やる気を出すだけではなく、やりたくないことでもすぐの実行できる方法を身につけることです。決意を行動に変えることで、私たちは結果を出せるようになりますが、意志の力に頼ることは得策ではありません。私たちの意志は弱いため、意志の力に頼るらないようにすることが大切です。

やりきる力を身につける方法

最後までやりきる力があるからといって確実に成功できるわけではないが、やりきる力がなければほぼ確実に失敗する。(スティーヴ・レヴィンソン,クリス・クーパー)

誘惑と闘うのは簡単ではないため、私たちは重要なタスクを先送りしてしまいます。これが続くと仕事がうまくいかなくなり、自分の信用を毀損します。臨床心理士のスティーヴ・レヴィンソンと能力開発コーチのクリス・クーパーは、やり抜く力を身につけるための方法を本書で紹介しています。

仕事で結果を出すためには、やる気を出すだけではなく、やりたくないことでもすぐの実行できる方法を身につけることです。決意を行動に変えることで、私たちは結果を出せるようになりますが、意志の力に頼ることは得策ではありません。私たちの意志は弱いため、意志の力に頼らないようにすることが大切だと著者らは指摘します。

重要なタスクに集中するためには、誘惑の元を完全に絶つことが重要になります。健康の専門家であるニッキー・ロスコーは、健康な食生活を送るために、食べ物を口に入れる前にその食べ物が健康によいかどうか?を自問します。そして健康によいと思えば食べ、悪いと判断すれば食べないことを徹底しています。  

ロスコーの決意は断固としたものですが、意志の力を浪費しない賢明さも持っています。賢いシンプルな質問をすることで、あえて意志の力に頼らないようにしているのです。

私はアルコールをやめるときに、家中のお酒を処分し、お酒との距離を置きました。最初のうちは気持ちがもやもやしましたが、お酒がない環境をつくり出すことで、自分の仕事に集中できるようになりました。お酒を飲みたいという衝動を抑えるためにお酒を家に置かないことで、意志の力を節約できたのです。

著者たちはやり遂げるための戦略を本書で紹介しています。
①世界に宣言する。
世界に向けて宣言したことは、実現しなければいけないと人は感じます。 人と約束することで、自分の行動を変えられるようになります。アルコールをやめるときに私は周りの人に宣言し、彼らの視線を活用しました。

②退路をたつ
コメディアンのメット・プロッチは、自らの退路を断つことで成功を手に入れました。コメディアンの初舞台として1,635席ある会議ホールを予約し、返金不可の会場費14,000ポンドを支払いました。自分を追い込むことで、チケットを完売することができました。ステージを成功させることで、多くの人から注目されるようになり、コメディアンとしての人生をスタートさせたのです。

やり遂げるための6つの質問

③小さく始める
まずは、目の前のタスクを仕上げるために、小さなことから始めましょう。散歩に行くなら、スニーカーを準備し、それを履くことから始めます。最初の一歩を踏み出せば、自然と足が前に進みます。

小さく始めるという方法をこのブログを書く際に私は実践しています。やる気がなくても、まずはパソコンの前に座り、ブログソフトのWordpressを開きます。本のタイトルや著者の情報を書き始めるうちにやる気が高まり、1時間後には記事をアップできるようになります。また、朝のカフェラテを飲む習慣にブログを組み込むことで、朝早く記事を公開できるようになりました。

毎日、ブログを公開すると決めているので、朝早く仕上げることで残りの時間に他のタスクに集中できます。私はその日のうちにやるべき最重要な課題を3つ書き出し、そこから手を付けるようにしています。3つのタスクを細分化し、まずは小さなことから手を付け、一つ一つこなしていきます。小さな達成感を何度か味わううちに、そのタスクを終えることができるのです。

■やり遂げるための6つの質問
やりぬく力を身につけるためには、以下の6つの質問を自分に問いかけ、イエスと答えられるようになれば、結果を出せるようになります。
・成功するには、物事を最後までやりきる力が不可欠だ。
・決意は真剣に取り扱ったときにだけ効果を発揮する。
・成功するためのやる気があっても、そのためにしなければならない嫌なことに対してやる気が起こるわけではない。
・やるべきことを実行に移すよう、自分を励ましたり、だましたり、プレッシャーを与えたり、強制したりと、意識的にあらゆる手を尽くす習慣を身につけなければならない。
・どうしても必要でないかぎり、意志の力には頼らない。
・練習すれば物事を最後までやりきることが上手になるが、決意が自動的に実行に移されることは期待できない。決意を実行に移すには、クリエイティブな戦略をいつも意識的に駆使する必要がある。

最重要なタスクをやりたいと思えないときでも実行できるようにするために、本書のアドバイスを実践しましょう。


 

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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