問題の構造化で売上げアップを図る方法。会社の問題の9割は「4つの武器」で解決できるの書評

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会社の問題の9割は「4つの武器」で解決できる
高松康平
朝日新聞出版

本書の要約

売上目標を達成をするためには、営業全体を俯瞰し、重要な問題点を明らかにし、正しい解決策を考えるようにします。営業活動をステップごとに分解し、各要素ごとにKPIを設定し、それを伸ばす施策を実践します。さらに、定期的に施策を見直し、改善を行いながら、売上目標の達成を目指します。

売上アップのための問題解決のステップ

営業の問題解決とは、「営業の視点」で俯瞰しながら戦うゲームのようなものです。「お客様に自社商品・サービスを選んでもらい売上目標を上げる」というゴールに向けて、「何をKPIにするのか」を考え、「KPIを伸ばすための営業活動」を行い、一定タイミングごとに作戦変更を行います。そして、売上目標達成の実現を目指します。(高松康平)

高松康平氏の会社の問題の9割は「4つの武器」で解決できる書評を続けます。売上を上げるためにも問題解決の手法が使えます。営業の問題を解決したければ、問題分解👉原因分析👉課題抽出👉解決策立案のステップで考えることが求められます。

売上が伸び悩んでいる場合、ついつい原因を探りたくなってしまいますが、まずは全体を見渡し、問題分解(ルートコーズ分析)を行い、「どこで問題が発生しているか」(どこどこ分析)を行うことが大切です。売上データを商品別や地域別に分けて確認することで、売れていない商品や地域を特定することができます。

これによって、問題の原因を明確に把握し、適切な対策を講じることができます。つまり、全体像を把握することが大切であり、これによって最適な解決策を導き出すことができるのです。

また、営業担当者の視点から問題を分析する際には、営業進捗の分析も欠かせません。営業進捗の分析とは、担当する顧客に対する営業活動のプロセスがどこまで進んでいるかを数字で確認することを意味します。この分析を行うことで、問題がどこにあるのかをより明確に把握することができます。

営業活動プロセスは、顧客の連絡先を把握し、商談機会を得て、顧客のニーズを把握し、提案を行い、受注を獲得し、リピートに繋げるという一連の流れです。各段階での顧客数を分析することで、営業が滞っている箇所を特定できます。例えば、商談機会は得られているが、受注につながっていない場合、原因を調べます。

営業進捗を確認する際には、過去との比較も重要です。営業活動の成果を数値で確認し、営業目標を達成するためには、どこを改善すべきかを明らかにするために、問題分解が必要です。

しかし、原因分析に進む前には、問題が発生している営業活動プロセスの顧客の心理を理解することが重要です。一人の顧客から聞いた話だけで判断するのではなく、複数の顧客の声を聞くことで、状況をより深く理解することができます。複数のお客様からヒアリングすることで、問題の発生場所を定量的、かつ、定性的に確認します。

問題の原因を突き止めるためには、まず仮説を立ててその正確性を検証する必要があります。しかし、よくある誤りとして、自分が気になる部分に焦点を絞ってしまい、本当の原因を見落としてしまう「自分の気になる部分だけを見てしまう症候群」に陥ることがあると著者は指摘します。

営業の最前線にいると、全体の状況を把握することが難しく、直近の営業活動に基づいて原因を推測してしまう傾向があります。また、自分自身を責めたくないという心理から、自分以外の要因に原因を求めることもあります。しかし、こうした都合の良い仮説だけにとらわれてしまうと、良い結果を出すことはできません。

仮説を立てる際には直感も大切ですが、事実をデータや数字で確認することが重要です。これによって、客観的な視点から問題点を見つけ、適切な解決策を導き出すことができます。

正しい解決策を策定し、売上アップのKPIを設定しよう!

原因分析の流れは次のようになります。 《直感で思いついた原因仮説を出す→「営業の視点」を意識して構造を作る→原因仮説を追加する→事実を確認する 》 

以下の営業の視点で、分析を行いましょう。

●営業活動……営業の質×量
●個人力……営業のスキルおよびマインド
●組織力……営業活動を支えるシステム、教育評価、組織文化
●自社戦略……夕ーゲットセグメント(誰を夕ーゲットにしているのか)
●他社戦略……夕ーゲットセグメント(誰を夕ーゲットにしているのか)

これらを活用して、問題を構造的に捉えることで、見るべき事実を確実に見ることができます。 問題が起こる原因(事実)を洗い出したら、課題を明らかにします。

問題が発生する原因を特定することで、問題解決のための課題が明確になります。課題とは、問題の中でも特に解決すべき事柄を指します。複数の原因が絡み合って問題が発生している場合、特に改善すべき事項を課題としてまとめる必要があります。このようにして初めて、解決策を考えることができるようになります。

課題をまとめる3つのコツ
①因果関係を一文にまとめる。
問題が起こる構造を明らかにすることで、問題の所在がわかります。

②課題を因果関係から丁寧に説明する。

③具体的に説明をする。

課題が抽出できたら、解決策立案に取り組みます。「これまでの営業活動と何を変えるのか」「その結果、何が変わっていき、最終的に売上目標達成にどうつながっていくのか」を考えます。

●顧客の見直しを行うのか?
●営業活動の質および量をどう変えていくのか?
●営業のスキルおよびマインドをどう変えていくのか?
●営業組織のシステム、教育評価、風土をどう変えていくのか?

要素を全て変えるのではなく、問題の解決に必要な箇所を特定し、そこを改善することで、問題の原因となっている構造を変え、良好な循環を促進することを目指します。組織力を強化することで、個人の力も向上し、その結果として営業活動の質と量が向上し、営業進捗が改善され、売上が増加します。組織力、個人力、営業活動、営業進捗、売上ごとにKPIを設定します。

KPIを設定し、定期的に進捗を確認しながら営業活動を進めることは、ビジネスにとって非常に重要です。さらに、競合他社のKPIを推測してみることも、競争優位性を獲得するための有効な手段です。

競合他社がどのような営業戦略を採用しているかを予測することで、自社が重点的に取り組むべき営業行動を明確にすることができます。これにより、深い思考を促進し、競合他社に対して優位な立場を築くことができます。その結果、ビジネスの成長を促進することができます。

売上目標の達成を目指すためには、顧客に自社商品やサービスを選んでもらうことが重要です。そのためには、各要素ごとにKPIを設定し、営業活動を通じてKPIを伸ばすことが必要です。さらに、定期的に施策を見直し、改善を行いながら、売上目標の達成を目指します。このようにして、顧客のニーズに合った商品やサービスを提供し、売上目標を達成することができます。


この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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