トゥー・ビー・リッチ――経済的な不安がなくなる賢いお金の増やし方(ラミット・セティ)の書評

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トゥー・ビー・リッチ――経済的な不安がなくなる賢いお金の増やし方
ラミット・セティ
ダイヤモンド社

本書の要約

お金を賢く使うとは、あらゆる支出を切り詰めることではありません。それは、あなたにとって本当に重要なものにお金を使うことと、重要でないものにお金を使わないことを明確に決めることです。お金を賢く使う人は、独自の計画を持ち、自分をコントロールしながらお金を上手に使っています。

お金を賢く増やし、賢く使う方法とは?

私は罪悪感を抱かないやり方で好きなことにお金を使う方が好ましいと思っている。 ある特定のものにお金を使わないことがケチだという考え方を、まず改めよう。(ラミット・セティ)

ラミット・セティは、アメリカの金融ブロガーであり、ベストセラー作家でもあります。彼は、お金を節約するためには、ケチケチするのではなく、賢く使うことが大切だと主張しています。

セティによると、お金を節約する方法はたくさんあります。
・固定費の削減
・割引や特典の利用
・不要なものは買わない。

しかし、お金を節約するだけでは、お金持ちになることはできません。お金持ちになるためには、お金を賢く使うことも大切です。

セティは、お金を賢く使う方法として、次のようなものを挙げています。
・投資をする
・自分のスキルアップに投資する
・自分の夢を実現するために投資する

私たちはしばしば、お金を節約するためにケチケチする傾向があります。しかし、時には、自分の幸せのためにお金を使う勇気を持つことが重要です。

私は、自分の収入の一部を読書や勉強会、旅行などの体験に投資しています。読書は知識を得たり、新しいスキルを学んだりするのに最適な方法です。勉強会は、業界の専門家から学ぶのに最適な方法です。

旅行は、新しい文化や新しい人々に触れ合うのに最適な方法です。 お金を賢く使うことは、時間と労力を要しますが、それだけの価値はあります。お金を賢く使うことで、より充実した人生を送ることができます。自分のスキルを高め、収入をアップすることで、支出の自由度が高まります。

何に価値を置くのかを、あなたが意識的に決めているだけだ。残念なことに、ほとんどのアメリカ人は意識的なお金の使い方——つまり、好きではないことには容赦なく支出を切り詰める一方、好きなことには惜しみなくお金を使うということ——に関して、教育を受けたことがない。 その代わりに、「そんなものにお金を使ってはいけない!」という原則をあらゆるものに適用するよう教えられる。

私たちはしばしば、気乗りしないまま支出を減らそうとしても、結局は失敗し、罪悪感に苛まれます。そして、変わらずに好きではないものに過剰にお金を使い続けるのです。

しかし、好きではないものにノーと言えることは大きな力です。好きなものに大きな声でイエスと言えることは、もっと大きな力を生み出します。 皮肉なことに、お金に関して私たちに教えられることはほとんど節約の方法だけです。

通常は外でコーヒーに使うお金を抑えて、トイレットペーパーを買いだめしようというアドバイスを受けますが、このような過度な節約方法は楽しくなく、疲れてしまいます。節約の方法については誰もが教えてくれますが、お金の使い方について教えてくれる人がいないのが実態です。

自分の好きなことにお金を使うことは、幸せになるための素晴らしい方法です。それはあなたを元気づけ、あなたの人生に喜びをもたらすことができます。

好きなことにお金を使おう!

意識してお金を使うというのは、あらゆる支出を切り詰めるということではない。そんなやり方では二日と持たない。シンプルに、惜しみなくお金を使いたいほど好きなものを自分で選び、好きではないものには容赦なく支出を切り詰めるということだ。 意識してお金を使うということは、具体的に何にお金を使うのか、あなた自身が決断するということだ。外出か、貯蓄か、投資か、家賃か。そうすれば、自分のお金の使い方に罪悪感を抱くことはなくなる。 

お金を賢く使うとは、あらゆる支出を切り詰めることではありません。それは、あなたにとって本当に重要なものにお金を使うことと、重要でないものにお金を使わないことを明確に決めることです。お金を賢く使う人は、独自の計画を持ち、自分をコントロールしながらお金を上手に使っています。

彼らは自分たちのニーズに応じてお金を使い、それほど重要でないものにお金を使わない。また、自分たちのお金をどのように投資するかについての計画も持っています。これにより、お金について心配する必要がなくなり、目標を達成しやすくなります。

この考え方を身につけることで、好きなものを買うことに罪悪感を感じることなく、お金を貯められるようになります。

意識してお金を使う人は,自分にとって必要なものにはお金を惜しみなく使い、他の領域では厳しい節約を徹底します。毎月の金額は異なるかもしれませんが、彼らは未来への投資を優先させます。自動的に投資口座に定期的な入金をするシステムを導入することで、残ったお金は後ろめたさを感じることなく自由に使えます。

彼らはお金のことで悩む時間を最小限に抑えています!また、彼らはクレジットカードやアセットアロケーションの基本をしっかりと理解しています。

著者の以下のアドバイスに従うことで、お金に困らない人生を送れそうです。
①自動化と自動化の最適化
自分の貯蓄と投資を自動化しましょう。給与から一定の金額を引き落とし、自動的に貯金や投資口座に振り分けることで、資産を築くことができます。

②価値のある支出
お金を使う際には、本当に価値のあるものにのみ注力しましょう。自分にとって重要なことや幸福感をもたらすものにお金を使い、他の範囲では賢く支出を抑えることが大切です。

③収入を増やす
定期的な昇給やボーナスを目指すだけでなく、自分のスキルや能力を高め、副業や副収入の源を見つけることも重要です。収入を増やすことで、貯蓄や投資の余裕が生まれます。

④借金の管理
借金のある場合は、優先度の高い借金から返済し、利子の高い借金を減らすようにしましょう。また、返済プランを作成し、節約や収入増加を通じて借金を早期に完済することを目指しましょう。

⑤投資の重要性
貯蓄だけではなく、投資にも積極的に取り組みましょう。投資を通じて資産を成長させ、将来の経済的安定を図ることが重要です。投資の方法やリスク管理について学び、自分に合った投資戦略を確立しましょう。

2010年、ノーベル経済学賞を受賞した2人の経済学者、ダニエル・カーネマンアンガス・ディートンは、年収と幸福度の関係を調べる研究を行いました。彼らは、年収が75,000ドルを超えると、収入と幸福度の間にはほとんど相関関係がないことを発見しました。

つまり、お金を稼ぐことは、ある程度まで幸福度を高めることができますが、それ以上は効果がないということです。 カーネマンとディートンは、この結果は、お金が幸福をもたらす唯一の要因ではないためであると説明しています。彼らは、人間関係、健康、仕事の満足度も幸福に重要な役割を果たしていると主張しています。

しかし、別の尺度である「生活の満足度」を考慮すると、年収75,000ドルでは頭打ちにならないことが示されました。実際、年収が50万ドルや100万ドルになっても、生活の満足度は引き続き上昇し続けるのです。 これらの研究結果は、幸福や満足感には所得だけではなく、他の要素も影響を与えることを示しています。

所得が増えると一時的に感情的な幸福度も高まりますし、物質的な面でも生活水準が向上するでしょう。しかし、一方で、より高い所得によって達成感や自己満足感が増し、生活の満足度も向上することが分かっています。

さらに、幸福は主観的なものであり、人によって異なることも重要です。ある人にとって幸福の源となることは、別の人にとっては幸福の源とはならないかもしれません。大切なのは、自分にとって何が重要かを理解し、それを達成するために努力することです。

お金が重要であることは間違いありませんが、幸福や満足感を追求する上で、所得だけにこだわるのではなく、自分自身の目標や価値観に基づいた生活を築くことが重要です。お金は手段であり、それを上手に活用して自分にとって意義のある人生を築くことが大切です。


この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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