前頭葉バカ社会 自分がバカだと気づかない人たち(和田秀樹)の書評

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前頭葉バカ社会 自分がバカだと気づかない人たち
和田秀樹
アチーブメント出版

本書の要約

前頭葉は、脳の重要な領域であり、様々な認知機能を担当しています。前頭葉の老化が進むと、思考力や判断力、集中力、創造性、意欲、感情のコントロールなどに影響が及び、認知症やうつ病のリスクが高まる可能性があります。 前頭葉バカにならないために、前例主義に陥るのをやめ、変化に適応するようにしましょう。

日本人の多くが「前頭葉バカ」になってしまった?

20年後の日本を予測しろといわれた際に、AIの時代になるとか、自動車はすべて自動運転になっているとか、人々の生活は大きく変わるとされていますが、日本人の嗜好がこれから20年たっても変わらないだろうというのが、精神医学や心理学を長年勉強してきたわたしの予測です。(和田秀樹)

精神科医の和田秀樹氏は日本の社会が高齢化することで、変化に適応できなくなっていると指摘します。和田氏は日本人の前頭葉の使用に問題があると指摘し、「前頭葉バカ」と表現しています。彼は前頭葉の老化や劣化が、日本が抱える大きな問題の原因であると考えています。

また、彼は日本の国が低迷し、変化の兆しが見えないのは、日本人が変わろうとしないからだと疑問視しています。彼は日本人の思考や判断に前例踏襲、現状維持、事なかれ主義、失敗を恐れる認知バイアスが大きく作用していると感じています。

この「前頭葉バカ」の状態では、自己思考が乏しく、変化を避け、前例を踏襲し、創造性を発揮できず、意欲がわかないため新しいチャレンジをしないとされています。 ただし、この主張は個々の意見であり、科学的な根拠や統計データに基づくものではありません。

前頭葉の機能や高齢社会における課題については、多くの研究が行われていますが、日本人の前頭葉の問題が国の衰退に直結するかどうかは、議論の余地があります。 日本の社会や個人の行動パターンには様々な要因が関与しており、一因だけで全てを説明するのは難しいでしょう。社会の変化や課題への対応には多角的なアプローチが必要です。

前頭葉は、脳の重要な領域であり、様々な認知機能を担当しています。前頭葉の老化が進むと、思考力や判断力、集中力、創造性、意欲、感情のコントロールなどに影響が及び、認知症やうつ病のリスクが高まる可能性があります。 前頭葉の老化を防ぐためには、前頭葉を鍛えることが重要です。新しいことに挑戦したり、困難に立ち向かったりすることは、前頭葉の機能を刺激し強化する助けとなります。

また、適度な運動や健康的な食事、十分な睡眠などの生活習慣の改善も前頭葉の健康維持に役立ちます。 日本が超少子高齢社会に入ったことで、前頭葉の老化が深刻な社会問題となっています。特に40代から50代の世代は、経済的な危機を経験し、失敗を恐れる傾向があると指摘されています。このような傾向がイノベーションの阻害や成長の停滞をもたらす可能性があります。

日本社会が成長し続けるためには、前頭葉の老化を防ぐことが重要です。個人レベルでの前頭葉のトレーニングや生活習慣の改善はもちろんのこと、組織や社会全体でイノベーションを促進する環境を整えることも重要です。新しいアイデアやチャレンジを受け入れ、リスクを恐れずに変化に対応することで、日本社会は成長を加速させる可能性があります。

前頭葉バカを抜け出す方法

日本はこれから変わらなければなりません。どう変わるかが問われています。しながら、変えないかぎり、何も変わりません。

前頭葉バカになりたくなければ、昔の知識に固執せず、新しい理論や知識を柔軟に取り入れる必要があります。

情報化社会においては、知識や情報の差が格差を広げる可能性があります。知識と情報には大きな違いがあります。情報は単なる事実の集合であり、インターネットで簡単に検索可能です。

一方、知識は、情報を整理し、分析し、自分自身と社会との関係を正確に理解することができる有用なツールです。特定の分野の知識に関する情報を集め、それを網羅的に把握することで、問題解決や社会的コミュニケーションの活用など様々な場面で有用に活用できます。

また、知識人は、専門分野において生産性を高めることができ、社会的貢献を果たすことができます。 結果、収入を高くできます。

知識社会においては、常に新しい情報や知識の獲得が必要です。社会的・技術的変化のスピードがますます加速する中、情報の更新や専門分野における技術革新についていけなくなるリスクがあります。

そのため、知識の持つ価値を保ち続けるために、常に更新し、継続的な学習が不可欠です。知識という宝を適切に活用し、自己成長や社会貢献に繋げることが、知識社会において成功するための大切な要素となっています。

常識を疑うことは、常識を否定することではありません。常識に対して「他の可能性」を想定し、どちらが正しいかを選択する余地を自分の中につねに持っていることだと思います。そのためにも「知識で武装する」ことは大切です。知識があれば選択肢が増えるからです。上手に前頭葉を使える人は、新しい発想を生み、クリエイティブ思考によって、これまでになかったものを作ろうとします。その代表がスティーブ・ジョブズです。

前頭葉思考型の人間は、柔軟な思考力を持ち、1つのやり方にこだわらず、新しいアプローチを試みることができるとされています。特に現代社会においては、急速に変化していく状況下で、新たな問題に対応するために柔軟な発想力が必要となっています。そのため、前頭葉思考型の人材は、現代社会で重宝される存在として注目を浴びています。

著者の和田氏は前頭葉バカを予防・改善する5つの視点を明らかにしています。
1、変化を楽しむ
変化を恐れずに、積極的に挑戦しましょう。新しいことに挑戦することで、脳は活性化し、前頭葉が鍛えられます。

2、自己モニターする
自分の思考や行動を客観的に見つめ、改善点を見つけましょう。自己モニターすることで、前頭葉の機能が向上し、より合理的な判断ができるようになります。

3、アウトプットする習慣をつける
自分の考えや思いを言葉や文章にして、アウトプットしましょう。アウトプットすることで、前頭葉の機能が向上し、より創造的な思考ができるようになります。

4、「より現実的な議論のしかた」を身につける 自分の意見を主張するだけでなく、相手の意見も尊重し、建設的な議論をしましょう。建設的な議論をすることで、前頭葉の機能が向上し、より柔軟な思考ができるようになります。

5、前頭葉を元気にするために「ただ動く」
運動をすることで、脳の血流が良くなり、前頭葉が鍛えられます。特に、有酸素運動や筋力トレーニングが効果的です。運動を続けるコツは楽しさを優先することです。

これらの5つの視点を意識することで、前頭葉バカを予防・改善することができます。

前頭葉バカを避けるためには、まず常識を鵜呑みにせず、自分なりの判断基準を持つことが大切です。また、他の可能性を考え、さまざまな方法を試してみることで、創造性や柔軟性を養うことができます。知識をインプットするだけでなく、自分なりの考えや仮説をアウトプットすることで、前頭葉の活性化が促されます。更に、人の評価に左右されず、自己表現することでストレスを軽減し、前頭葉の働きを促進することが可能です。

Chat GPTのようなAIが、「ドラえもん化」していくことによって、ますます使いやすく、多くの人々にとって身近な存在となっていくことが予想されます。 AIの進化に伴い、そこに含まれる技術や知識も日々更新され、その使い方も変わっていくはずです。

そのため、AIを上手に使える能力はますます価値があるものとなっていくでしょう。 このようなAI技術を活用することにより、今後、様々な新しいサービスや商品が生まれてきます。今後、AIに精通している人材の需要も高まっていくことが予測され、AIを使い倒す、クリエイティブな人材が評価されるようになるでしょう。

そんな時代を生き抜くためには、今までの思考や行動に疑問を持ち、人と同じことをやっていてはダメ、と考えることが重要です。常に「なぜ?」と疑問を持ち、自分自身の思考のクセに気づくことで、より深い洞察力や発想力を身につけることができます。前頭葉バカにならないということは、哲学的に生きるということかもしれません。


 

 

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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