ウォーレン・バフェットの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実(デイヴィッド・アンドリューズ)の書評

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ウォーレン・バフェットの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実
デイヴィッド・アンドリューズ
文響社

本書の要約

ウォーレン・バフェットは、「企業のあらゆる要素を考慮した時に、その株が本来の価値よりも低い価格で売られていると思った時だけ」株を買うべきだと述べています。彼は、企業の業績や事業内容だけでなく、自己資本比率やROEなどの財務指標も注意深く分析し、企業の真の価値を見極めることを重視しています。

ウォーレン・バフェットが成功した理由とは?

どこかの企業の株を買う時は、その企業を丸ごと買うとしたらどうだろうと考えます。それは近所の店を買う時と同じです。もしどこかの店を買うとしたら、その店について全部を知りたいと思うでしょう。(ウォーレン・バフェット)

ウォーレン・バフェットは、一流の投資家として世界中に名を馳せています。彼の取り組む投資手法はシンプルでありながら効果的です。それは、本来の価値が1ドルであるものを60セントという割安な価格で購入しようという戦略です。

一見すると単なる安さを追求する方法のように思えるかもしれませんが、彼が重視するのは企業の本質的な価値なのです。株価の一時的な上下には動じず、その背後にある企業の真の価値を見定め、それが低評価されている時に投資を行います。

長期的な展望を持つバフェットの投資のスタンスは、市場の短期的な変動から目を背け、企業の持続的な価値を評価することに重点を置いています。彼の目利きのセンスは、企業の財務状況や経営陣の資質、さらにはその業界の競争状況まで、多岐にわたる要素を総合的に評価する能力に起因しています。

私は毎年、何百もの年次報告書を読みます。ブローカーとはまったく話をしません彼らとは話したくないのです。人はいいアイデアを教えてくれたりしませんから。

バフェットが投資の対象とする企業選びには、深いリサーチが欠かせません。財務データの分析はもちろん、その企業のビジョンや戦略、産業の動向など、幅広い情報を元に判断を下すのです。彼のこのアプローチは、企業が未来に向けて安定的な成長を遂げる可能性があるかどうかを見極めるためのもの。投資の世界での長年に渡る彼の成功は、その徹底的な取り組みと独自の哲学の賜物であると言えます。

バフェットは「株を買ってよいのは、その企業のあらゆる要素を考慮した時に、その株が本来の価値よりも低い価格で売られていると思った時だけです」と述べています。彼は企業の業績や事業内容だけでなく、自己資本比率やROE(自己資本利益率)などの財務指標も注意深く分析し、企業の真の価値を見極めます。

バフェットが成功できた理由は、価値のあるよい企業を見つけ、それらの企業とずっと付き合ってきたからです。コカコーラは彼のお気に入りで、ここから莫大なリターンを得ています。

彼は長期的な視点で企業価値を見極めることの重要性を強調しています。市場は遅かれ早かれ、企業の実力や成長性を正確に反映するとバフェットは考えています。

だいたいにおいて、我々は人々が悲観的な時に活発に取引を行います。それは悲観主義が好きだからではなくて、そういう時のほうが魅力的な値段になるからです。

バフェットは、市場の感情から距離を置いています。 市場は感情に左右されることをバフェットは理解しています。楽観的な時期には過度に高騰し、悲観的な時期には過度に下落します。バフェットは、そのような市場の感情から一歩引いて、冷静に投資判断を下しているのです。

市場が悲観的な時、多くの投資家はパニックになり、株を売却することを選びます。しかし、そのような状況が、賢い投資家にとっては「買い時」であるとバフェットは考えているのです。なぜなら、悲観的な時期は多くの銘柄が本来の価値よりも低い価格で取引されるからです。 

私たちはバフェットの行動をまね、短期的な市場の動きに流されず、長期的な視点で投資すべきです。企業の本質的な価値を理解し、その価値が正しく評価されるのを待つことが成功の鍵となります。

私はごく単純なルールに従って投資しています。みんなが貧欲になっている時は慎重に、そしてみんなが怖がって慎重になっている時は貧欲にやるのです。

空気に流されずに投資するすることはとても難しいことですが、気持ちが熱くなった時には、私は大きく深呼吸をし、このバフェットの言葉を思い出すようにしています。

バフェットの投資哲学は、市場の短期的な動きや感情に流されず、長期的な視点で冷静な判断を下すことの重要性を示しています。

バフェットの生声から私たちが学べること

ウォーレン・バフェットは、数々の名言を通じて私たちに投資の本質を教えてくれます。その中でも、以下の名言は特に印象的です。

あなたにとって最高の投資先はあなた自身です。それに勝るものはありません。

金融の投資とは異なり、自己投資は一時的な利益や短期的なリターンを追求するものではありません。自己啓発やスキルの向上は、生涯を通じて持続的な利益をもたらす可能性があります。 他の投資対象とは異なり、自己投資は外部の環境や市場の変動から独立しています。

自己の成長や学びにお金や時間を投じることは、直接的な結果や影響を自分自身で制御できることを意味します。また、自己投資は他者に依存せず、自己の能力やスキルを広げるための重要な手段です。

投資は世の中で最高の仕事です。なぜなら、野球のように無理にバットを振る必要はないからです。バッターボックスに立ったら、ピッチャーがいろんな球をどんどん投げてきます。「ゼネラルモーターズ47ドル!USスティール39ドル!」という感じで。でも、誰も「ストライク!」とは言いません。いい球を見送ったって、なんの罰則もないんです。だから、一日中、自分の好きな球が来るのを待っていればいい。そして野手が居眠りでもしたら、踏みこんで、かっ飛ばす。

投資家はバフェットのこの言葉から以下の学びを得られます。
・焦らず、自分のペースで投資する
市場は日々さまざまな情報や機会を提供しています。しかし、すべての機会が自分に合っているわけではありません。バフェットの言葉通り、自分の打てる球、つまり投資したい銘柄や機会が来るまで待つことが大切です。

・チャンスを逃しても罰則はない
投資において、大事なのは失敗を避けること。良い投資機会を逃しても次が来ます。しかし、誤った判断で損失を出すと、その回復には時間と労力がかかります。

・市場のノイズに流されず、冷静に分析する
多くの情報や動きが市場には存在しますが、それに一喜一憂してしまうと、長期的な視点を失ってしまいます。冷静な分析と、自分の投資方針を持つことが成功への道です。

・最良のタイミングを見極める
市場の参加者がみんなが注目していない、または見過ごしている時こそが、最良の投資機会であることが多い。バフェットの「野手が居眠り」の比喩は、市場の過度な楽観や悲観、あるいは注目が集まらない状況を示しています。

胃がむかむかするような人々と一緒に働かなくてはならないのなら、別の仕事に就いたほうがいいと思います。そんないやな仕事に耐えるのは、恐ろしい人生の過ごし方です。人生は一度しかないのですよ。

このバフェットの言葉が私の独立のきっかけになりました。今では好きな人たちとの好きな仕事に時間を使えるようになりました。

本書にはバフェットの生声がいくつも紹介されていますが、バフェットの言葉には、聞く人を魅了する特徴があります。私たちはユーモアあふれる彼の言葉から、投資の本質を学べます。また、バフェットの言葉の中には、ビジネスで成功するために必要な要素が数多く含まれています。

彼は金銭的な富を追求するのではなく、人々が幸せになることに焦点を当てています。そのため、彼の言葉は人々の心を掴み、ビジネスにおける本質的なメッセージを伝える力を持っています。 バフェットはまた、リスクについても語っています。彼は投資においてリスクを避けることを重視し、自分が理解できるシンプルなビジネスに投資することを提唱しています。


この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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