自分の居場所を見つける50のヒント(増田和芳)の書評

people sitting on chair inside building

自分の居場所を見つける50のヒント
増田和芳
セルバ出版

本書の要約

ハードシングスを乗り越えるためには、独りで抱え込むのではなく、他者との対話を求めることが有効です。家や職場以外の「サードプレイス」という第3の場所での絆や関係性は、そうした難題への対処に役立つ大きな支えとなります。仲間とのコミュニケーションや知識の共有は、新しい視点や解決のヒントをもたらしてくれます。

ハードシングスを乗り越える方法

試練は乗り越えられる人にやってくると、いいます。さまざまな危機は誰もが経験するといっても過言ではありません。危機に直面するとわかっているのであれば、乗り越える手立てを知って実践すれば大丈夫です。(増田和芳)

人材育成コンサルタント、キャリアコンサルタントの増田和芳氏は私のメルマガ執筆仲間で、何度もサードプレイスラボでご一緒してきました。その増田さんが新刊を出版されたので、今日はこちらをご紹介します。

彼はキャリアコンサルタントとしての豊富な経験と知識を持っており、人材育成に関するコンサルティング業務も行っています。増田氏は自律神経失調症で苦しんで克服した経験を持っています。彼は自分自身が辛い症状や苦しみを経験したことから、他の人々が同じような問題に直面している場合に、彼らをサポートすることを決意しました。彼はクライアントに寄り添い、彼らの症状や感情を理解しようと努力しています。

本書では、仕事や人生で想定される危機を乗り越えて、自分の居場所を見つけるためのヒントを50通りにまとめています。「思い切って休む」、「文章を書く」などすぐにできるものから、「他の職場や地域への移動」など時間をかけて取り組むものまで、7つの分野からアプローチする方法を教えてくれています。

ハードシングスが起こった時、私たちは一人で解決しようとする傾向があります。しかし、こういう時こそ他者との関係を大切にするべきです。他者とのつながりが、解決策を見つけるための重要な要素となります。 他者との関係を大切にすることによって、以下のような利点があります。

まず第一に、他者との協力によって、より多くのアイデアや知識を得ることができます。一人で考えることには限界がありますが、他者とのコラボレーションによって新たな視点やアプローチを取り入れることができます。他者の経験や知識を借りることで、より効果的な解決策を見つけることができるでしょう。

また、他者との関係を築くことによって、励ましや支えを受けることができます。困難な局面では、一人で抱え込んでしまいがちですが、他者とのつながりがあれば、励ましやアドバイスを受けることができます。仲間や信頼できる人々との関係は、困難を乗り越えるための貴重な支えとなるでしょう。

さらに、他者との関係を大切にすることで、チームワークや協力関係を築くことができます。困難な局面では、一人で解決することが難しい場合もありますが、チームとして協力し合えばより効果的に問題を解決することができます。お互いにサポートし合い、協力して目標に向かって進むことが重要です。

著者は2020年のコロナ禍の際に、キャッシュフローが悪化し、倒産を覚悟したと書いています。しかし、そのハードシングスを居心地の良い場所と人との交流で乗り越えていったと言います。このような著者の実体験が、本書の提案するメソッドの信頼性や説得力を一層強化しています。

サードプレイスが重要な理由

私は東京に住んでいるころにサードプレイスに参加していました。東京を中心に展開する「サードプレイス・ラボ」と呼ばれる場で、仕事や人生に役立つ話題を提供してくださる方々とつながりました。出かけてみると、会社での日々の辛さや閉塞感が吹き飛びました。月に一度集まる場で、これからも頑張ろうと、決意を新たに進むきっかけをいただいたものです。元気づけられるだけでなく仲間からの応援や紹介によってステップアップを果たした人が何人もいました。

「サードプレイス」とは、家(ファーストプレイス)や職場(セカンドプレイス)以外の、人々がリラックスし、社交活動を楽しむ場所を指します。スーターバックスなどのカフェ、図書館、公園、コミュニティセンターなどがこれに当たります。

スターバックスは、そのビジネスモデルや店舗設計において、サードプレイスの概念を積極的に採用しています。サードプレイスは、アメリカの社会学者レイ・オールデンバーグによって提唱されました。この場所は、人々が集まり、社交的な活動を楽しむことができる場所として重要視されています。 スターバックスは、このサードプレイスの概念を店舗設計やサービスに取り入れることで、ただのカフェやコーヒーショップ以上の役割を担っています。

最近では、多様な人々が集まるコミュニティや勉強会も増えています。人々は、自分の興味や関心に基づいた場所で他の人々と交流し、学び合うことができる環境を求めています。そのような中で、安斎輝夫氏が主催する「サードプレイス・ラボ」が注目されています。

サードプレイス・ラボのミッションは、「Expand your life with energy and support(エネルギーとサポートを得て、人生を拡張する)」です。この場所では、人々が自分の人生をより豊かにするために、新たなチャレンジに挑戦し、成長することを目指しています。ここでは、個々の目標や夢に向かって努力する人々が集まり、お互いを励まし合い、応援し合っています。

「サードプレイス・ラボ」の交流の中で、私自身も多くの出会いや学びを得ることができました。異なるバックグラウンドや経験を持つ人々との交流は、自分の視野を広げるだけでなく、新たなアイデアや考え方を学ぶ機会となりました。また、自分が本当にやりたいことに向かって進む姿勢や、困難に立ち向かう勇気を持つ人々からは、大きな刺激を受けました。

サードプレイスが社会において重要である理由を以下に簡単にまとめておきます。
・コミュニティの絆を強化
サードプレイスは異なる背景や立場の人々が集まり、互いに交流する場となることで、コミュニティ内の絆や理解を深める役割を果たします。

・リラックスとストレスの軽減
家や職場のストレスから解放され、リラックスした環境で過ごすことができる場所として、心の安らぎやストレスの軽減に寄与します。

・情報交換と学びの場
人々が自由に意見や情報を交換することができるため、新しい知識や視点を得る機会となります。 社会的な所属感の提供: サードプレイスは所属感やアイデンティティを感じることができる場としての機能も果たしています。人々はそこで共通の興味や価値観を共有する仲間と出会うことができます。

・社会的な平等性
良好なサードプレイスは、参加者の社会的地位や経済的地位を問わず、すべての人々に開かれています。これにより、様々な背景を持つ人々が平等に交流することが奨励されます。

・地域の活性化
サードプレイスが集まるエリアは、経済活動や文化活動が活発になることが多いです。これにより、地域全体の活性化に寄与します。 総じて、サードプレイスは、個人の精神的健康、コミュニティの結束、そして地域の活性化に貢献する重要な役割を果たしています。

ハードシングスを乗り越えるためには、一人で悩まずに、新しい出会いの場を探してみましょう。オンラインやリアルのサードプレイスで、新たな仲間とのつながりを築いてください。未来に向けて前向きになるきっかけになるかもしれません。本日紹介したサードプレイス・ラボや著者のイベントに参加することも選択肢の一つになります。


 

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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