「課題発見」の究極ツール 哲学シンキング 「1つの問い」が「100の成果」に直結する(吉田幸司)の書評

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「課題発見」の究極ツール 哲学シンキング 「1つの問い」が「100の成果」に直結する
吉田幸司
マガジンハウス

本書の要約

私たちが問題に取り組む際、時には自分の固定観念や既存の思考パターンにとらわれてしまいがちです。しかし、哲学シンキングを実践し、新しい考え方を見つけることで、問題を別の視点から見つめることができるようになります。哲学のアプローチから、問題を見つめることで、解決策を見つけることができるようになります。

哲学シンキングとはなにか?

哲学シンキング(哲学思考)」は、ビジネスや日々の現場で現れる、さまざまなモヤモヤの糸をひもとき、思考を前に進めるためのメソッドです。(吉田幸司)

著者の吉田幸司氏は、日本で初めて「哲学専門の会社(クロス・フィロソフィーズ株式会社)」をスタートさせました。吉田氏は哲学の力をビジネスに活かすことに挑戦し、組織や個人の現状を改善するために哲学的なアプローチを提供しています。

哲学は一般的には学問の一部として捉えられますが、彼はそれをビジネスに応用することで新たな価値を生み出しています。著者の会社は哲学を専門としたコンサルティングを行い、組織の課題や問題を解決する手助けをしていると言います。

哲学的なアプローチは、問いを立てることから始まります。吉田氏は「1つの問い」が「100の成果」に直結するという考え方を提唱しています。問いを明確にし、それに対して深く考えることで新たな視点や解決策が生まれるのです。自分自身に対して問いを立て、自己分析や目標設定を行うことで、より充実した人生を送ることができるのです。

本書を通じて哲学的思考を習得・実践すると、言葉にできなかった不明確な問題や感情を整理し、具体的に語ることができるようになります。さらに、問題の根本原因を見つけ出し、適切な問題設定ができるようになります。

哲学とは、考え方や思考方法の総合学なのです。実際には、哲学はいくらでも深く考えることが可能なので、掘り下げれば掘り下げるほど難易度は上がります。新しい考え方を見つけることによって、それまでの問題を別の視点から見つめることができるようになったり、より広い視野のもとで、解決困難に見えた問題が解消されたりします。

私たちが問題に取り組む際、時には自分の固定観念や既存の思考パターンにとらわれてしまいがちです。しかし、新しい考え方を見つけることで、問題を別の視点から見つめることができるようになります。この新しい視点から問題を見つめることで、解決策を見つけることができるのです。

また、より広い視野のもとで問題を捉えることで、解決困難に見えた問題が解消されることもあります。 このような新しい考え方や広い視野を持つために、哲学は非常に有用な道具箱となります。哲学は長い歴史の中で人類が開発してきた学問であり、ものごとの「そもそも」を問うことで新しい気づきが得られたり、答えが見つかったりします。

哲学的な思考を通じて、自分の固定観念や既存の思考パターンにとらわれずに問題に取り組むことができます。 新しい考え方や広い視野を持つことは、問題解決能力の向上につながります。他者のアドバイスを柔軟に取り入れたり、新しい視点で物事を考えることで、より効果的かつ効率的な解決策を見つけることができます。また、新しい気づきや答えを見つけることで、解決困難に見えた問題を解消することも可能です。

哲学シンキングの大原則とそこから得られるメリット

哲学シンキングの大原則は、解決策から遠そうに見えても、モヤモヤ違和感を感じる問いからスタートすることがポイントになります。この原則は、問題解決や意思決定において非常に有効です。

問題解決には、まず問題の本質を見極めることが重要です。解決策を考える前に、なぜその問題が起きているのか、どのような背景があるのかを深く探求する必要があります。このような問いからスタートすることで、問題の本質を明確にし、解決策を見つけやすくなります。

また、モヤモヤ違和感を感じる問いからスタートすることで、より多くの視点や意見を考慮することができます。問題解決には、一つの解決策だけでなく、複数の選択肢を検討することが重要です。モヤモヤ違和感を感じる問いから出発することで、異なる視点や意見を取り入れることができ、より良い解決策を見つけることができます。

さらに、解決策から遠そうに見える問いに取り組むことで、新たな発見や学びが得られる可能性もあります。解決策が明確になっている問いに取り組むよりも、解決策が見えにくい問いに取り組むことで、新たな視点やアイデアが生まれることがあります。このようなアプローチは、創造性や革新性を引き出すためにも有効です。

問いに問いを重ね、本質をつかむ哲学シンキングによって得られるメリットは多岐にわたります。
①問題の真因を発見できる。
哲学シンキングは深く問いを追究することで、問題の根本的な原因を見つけ出すことができます。これにより、表面的な解決策ではなく、真の解決策を見つけることができるのです。

②哲学シンキングは人の隠れた本心を引き出すことができる。
問いを深めることで、人々は自分自身の内なる思考や感情に気づくことができます。これにより、コミュニケーションや人間関係の改善につながるだけでなく、創造性やイノベーションの源泉となるアイデアを生み出すことができるのです。

③哲学シンキングは個人やチームの内なる意義や基軸を確立することができる。
問いを通じて自分自身やチームの目的や価値観を明確にすることで、自己啓発や目標達成に向けた意識の高揚を図ることができます。これにより、より意義のある人生や仕事を送ることができるのです。

④哲学シンキングはボトムアップでチームの潜在能力を最大限に引き出すことができる。
異なる立場や意見を持つメンバーが集まり、問いを通じて対話を深めることで、個々の能力や知識を活かすことができるのです。これにより、チーム全体のパフォーマンスが向上し、より良い結果を生み出すことができるのです。

⑤哲学シンキングは前提をくつがえし、斬新な視点を生み出すことができる。
従来の常識や固定観念にとらわれずに問いを追究することで、新たな視点やアプローチを見つけることができます。これにより、イノベーションや創造性を促進し、新たな価値を創造することができるのです。

哲学シンキングからイノベーションを起こす方法

人間による創造は、あるものごとが持っている関係性をいったんバラバラにし、別の要素や関係性とくっつけなおすことで可能となります。このプロセスによって、もともとの意味や本質がリニューアルされるのです。

「あるものが何であるか」ということは、そのものが他の要素との関係性や脈絡に依存して規定されます。つまり、私たちが物事を理解する際には、そのものが他の要素とのつながりを通じて意味を持つのです。

しかし、人間は常に創造的な思考を持つことができます。私たちは与えられた要素や関係性を見直し、新たな要素や関係性を結びつけることで、もともとの意味や本質を変えることができるのです。 この創造的な発想は、哲学的な思考において特に重要です。

哲学は、既存の概念や理論を疑問視し、新たな視点や考え方を生み出す学問です。人間の創造力によって、哲学的な思考は革新的な発想を生み出すことができるのです。 もちろん、破壊からの創造はかならず起こせるわけではありません。

個々の要素にはなかった新しい質が、組織化された全体において発現することを「創発といい、複雑系の科学のほか、ビジネスの文脈でも使われていますが、「創発」は合理的に予見できないと哲学的には考えられます。イノベーションを起こすには、偶然的で非合理な要素をうまく巻き込む必要があるのです。「うまく」というのは、でたらめに偶然的な要素を集めるだけではダメだということです。

合理的な議論体系をつくり、みんなが納得していくなかで、ポツッと突拍子もない「たったーつの問い」が飛び込んで、そこまでの議論が「脱臼」することで、議論体系のメタモルフォーゼ(変容)が始まります。

哲学シンキングは、脱線や空気の読めない話も許容することで、「革新的な発言」を待ち望んでいます。世間的には「変だ、おかしい」と評価されるかもしれませんが、独特な趣味や感性を持つ人の声こそ、常識や社会的通念を疑わせ、革新をもたらすポテンシャルを持っています。 哲学シンキングのプロセスは以下のように進められます。

まず、テーマを設定し、問いを集めます。次に、いくつかのグループに問いを整理し、各グループの問いについて考えたり、さらなる問いを出したりして、議論を組み立てます。そして、議論の体系を分析し、新しい洞察や視点を発見します。

この一連のステップを踏むことで、ビジネスシーンを含め、日々直面するさまざまな問題に対して思考を前進させることができます。しかし、単にステップを理解するだけでは効果は発揮されません。実際に自分自身で実践してみることが重要です。

哲学シンキングは、常識や既成の考え方にとらわれず、自由な発想や独自の視点を尊重します。これによって、新しいアイデアや解決策が生まれ、革新が起こります。空気の読めない話や一見無関係な要素も、意外な関連性や示唆を与えることがあります。

例えば、ある問題に対して「変だ、おかしい」と思われるような意見やアイデアが出た場合でも、それを無視するのではなく、逆に掘り下げて考えることが重要です。その中には、他の人が見落としていた新しい視点や解決策が隠れているかもしれません。

哲学シンキングは、個々の意見や考えを尊重し、多様性を重視するアプローチです。他者の声を聞き、異なる視点を取り入れることで、より豊かな議論や洞察が生まれます。それによって、問題解決やイノベーションの可能性が広がります。

最初に設定したテーマ=フレームを破壊し、新しい視点に到達できたということは、創造的な思考ができた証しです。その思考は、ほかならぬ「哲学思考」だといってよいでしょう。哲学は、問題解決の思考だというゆえんもここにあります。

1つの視点しか持っていないことは、個人にとっても、企業にとっても、さらには人類にとっても、たいへんなリスクです。ものごとを多角的に見ることで、悲劇を未然に防ぎ、よりよい道を探れる可能性が高まります。 もし私たちが1つの視点に固執し、他の視点を無視してしまうと、重要な情報や視点を見落とすことになります。

このような状況では、問題解決や意思決定が歪んでしまう可能性があります。例えば、企業が単一の視点に基づいて商品開発やマーケティング戦略を進めると、顧客のニーズや市場の変化を見逃してしまうかもしれません。結果として、競争力の低下やビジネスの失敗につながるかもしれません。

また、個人的な視点の狭さも問題です。他の人の意見や感情を理解する能力が欠如していると、人間関係やコミュニケーションに支障をきたすことがあります。異なる視点を受け入れ、尊重することは、社会的な調和や共生を築く上で重要です。

VUCAの時代に課題を解決するためには、様々な問いを持つことが重要です。その際、哲学シンキングのアプローチが効果を発揮しそうです。 新たな課題を定義し・解決するためには、従来の方法や既存の知識だけでは限界があります。ビジネスのハードシングスに直面したら、哲学的に思考することで、新たな解決策を見つけるようにしましょう。


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