とにかく可視化―仕事と会社を変えるノウハウ―(菊池明光)の書評

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とにかく可視化―仕事と会社を変えるノウハウ―
菊池明光
新潮社

とにかく可視化―仕事と会社を変えるノウハウ―(菊池明光)の要約

眼前可視化を徹底することで、進捗管理が簡単かつ正確になり、報告・連絡・相談(ホウレンソウ)の精度も向上します。クライアントとの関係も良好になり、正しい課題に集中できる時間が増えるため、ビジネスの成功につながります。結果として全てがスムーズに進行し、組織全体の効率性と生産性が大幅に向上するのです。

眼前可視化で生産性を高めよう!

会議・商談時にリアルタイムに目の前で議事録を書きながら「議論を可視化しながら会議を進行する」という極めてシンプルな方法で、これにより議論を深め、蓄積していくことを目的としています。(菊池明光)

日本人の生産性が低いと言われて久しいですが、何に原因があるのでしょうか?現在、日本の労働生産性は他国に比べて低い水準にあります。この問題には様々な要因が絡んでいます。まず、日本の長時間労働文化が挙げられます。過度な残業や労働時間の長さが、労働者の疲労やストレスを引き起こし、生産性を低下させています。

さらに、日本企業の縦割り組織や決定プロセスの遅さも生産性向上を阻害しています。意思決定が遅れることで、効率的な業務が行われず、生産性が低下するのです。

著者は生産性を上げるための「眼前可視化」というノウハウを提案します。この眼前可視化は、会議や商談時にリアルタイムで参加者の目の前で、議事録を作成しながら議論を進行する革新的な手法です。議論の焦点を明確にし、情報共有を促進することで意思決定の迅速化や会議時間の短縮などの効果が期待されます。

この手法を効果的に活用することで日本企業の生産性向上が図れるだけでなく、長時間労働の是正やワークライフバランスの改善にも寄与し、さらには企業文化の変革や従業員のエンゲージメント向上にもつながる可能性があります。実際、導入した企業では実際に会議時間の削減やプロジェクト進捗の改善ができるようになったと言います。

私が社外取締役やアドバイザーをしているベンチャーでは、リアルタイムに議事録を書くことが主流になっています。Notionに議事録を書き、Slackで共有することで、生産性を高めているので、この手法には共感を覚えます。 このような取り組みは、会議の効率性を向上させるだけでなく、情報共有や意思決定の迅速化にもつながります。

リアルタイムで議事録を作成することで、参加者全員が議論の流れや結論を把握しやすくなり、次のステップやアクションに移りやすくなります。

また、NotionやSlackを活用することで、議事録や議論内容がいつでもアクセス可能となり、会議後も情報の共有や確認がスムーズに行えます。さらに、Slackを使った共有は、社員やクライアントとのコミュニケーションを促進します。タスク漏れを防げたり、メンバー間の連携を強化する効果も期待できます。最近ではAIで議事録をアップできるようになるなど、より生産性が高まっています。

眼前可視化のメリットとは?

眼前可視化のメリットは、議論中と議論後の両面で大きな効果をもたらします。議論中には、内容が把握しやすくなり発言数と精度が向上し、話題を深く消化できるため、会議がスムーズに進行します。特に社外の方との商談では、バックグラウンドの異なる相手との情報交換や議論を容易にする強力なツールとなります。

議論後には、前回の内容を正確に振り返ることができ、スムーズに会議を再開できます。また、「言った・言わない」のトラブルを防ぐことができ、ビジネスのスピードアップにつながるだけでなく、信頼関係も構築できます。ムダやストレスのない効率的な会議運営が可能となり、特に営業シーンでは顧客の言葉を大切にしているというメッセージを伝える貴重な武器となります。

取引相手とメモを共有することは、単なる議事録以上の付加価値を生み出す有効な手段であり、「仕事の仕方がしっかりしている」という好印象を与え、内容の正確な擦り合わせを可能にし、共通の過去を同じ目線で振り返ることができます。結果、クライアントから大きな信頼を獲得できます。

特にリモートワークやグローバルな取引が増加する現代のビジネス環境において、眼前可視化は、透明性、正確性、相互理解を築く強力なツールとなり、長期的な取引関係の構築や自社の業務プロセスの改善にもつながります。

相手に関心を持ち理解を深めるために心の矢印を外向きに向けることで、相手の喜びを通じて自分の重要感が満たされ、やる気が湧くというポジティブな連鎖が生まれます。これが仕事のやりがいとなり、モチベーションを高めてくれるのです。組織の成功と個人の成長を確実にするためには、明確な目標と詳細なタスクスケジュールを整え、指示が確実に実行される企業文化を築くことが重要です。

眼前可視化を徹底することで、進捗管理が簡単かつ正確になり、報告・連絡・相談(ホウレンソウ)の精度も向上します。クライアントとの関係も良好になり、正しい課題に集中できる時間が増えるため、ビジネスの成功につながります。結果として、全てがスムーズに進行し、組織全体の効率性と生産性が大幅に向上するのです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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