世界3万人のハイパフォーマー分析でわかった 成功し続ける人の6つの習慣 (ブレンドン・バーチャード)の書評

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世界3万人のハイパフォーマー分析でわかった 成功し続ける人の6つの習慣
ブレンドン・バーチャード
ディスカヴァー・トゥエンティワン

成功し続ける人の6つの習慣(ブレンドン・バーチャード)の要約

成功し続ける人は、明確性、エネルギー、必然性、生産性、影響力、勇気という6つの習慣(HP6)を身につけています。日々の生活の中で、これらに習慣を意識し、少しずつでも実践していくことで、豊かな人生を送れるようになります。幸福感が高まることで、他者へのポジティブな影響を与えられるようになるのです。

人生を変える本当の習慣とは何か?

正しい習慣を身につければ、どんな活動分野でも、 誰でも劇的に成果を挙げ、成果を出し続けることができる。(ブレンドン・バーチャード)

ブレンドン・バーチャードは、世界的に有名な高業績コーチであり、ベストセラー作家として知られています。個人と組織の潜在能力を最大限に引き出すことに情熱を注ぐバーチャードの著作は、ニューヨーク・タイムズ紙やウォール・ストリート・ジャーナル紙でベストセラーとして認められています。

そのバーチャードの最新作成功し続ける人の6つの習慣は、成功の本質と持続性に関する深遠な洞察を提供しています。本書で彼は、早期に成功を収め、それを長期にわたって維持できる人々と、そうでない人々の違いを探求しています。さらに、成功への道のりが困難な人々と比較的容易な人々の間にある差異にも注目しています。

著者の研究および科学文献や学術文献から浮かび上がってきた重要な洞察は、成功が「特定のタイプの人」ではなく、「一連の特定の習慣を実践する人」にもたらされるという点です。この発見は、社会的立場に関わらず、誰もが成功への道を歩める可能性を示唆しています。

現代社会は、不確実性に満ちた複雑な環境となっています。日々変化する世界情勢や急速な技術革新により、個人や組織が成長するためのハードルは、かつてないほど高くなっています。このような状況下で長期的な成功を収め、卓越したパフォーマンスを発揮するためには、自分にとって容易なこと、あるいは性格に合っていることだけでは不十分です。より広範な能力を身につけ、自己の限界を超えていく必要があるのです。

生まれながらの才能や「天性の」強みは確かに重要な要素ですが、それだけに頼っていては、現代社会の厳しい要求に応えることはできません。むしろ、自分の コンフォートゾーンを積極的に脱し、新たなスキルや知識を獲得していく姿勢が求められています。

バーチャードは、成功を阻害する要因として、明確性、エネルギー、必然性、生産性、影響力、勇気の欠如を挙げています。これらの要素が欠けると、たとえ優れた素質を持っていても、その潜在能力を十分に発揮できないと指摘しています。

例えば、自分の目標が不明確だったり(明確性の欠如)、疲弊して成果を上げられなかったり(エネルギーの欠如)、目標達成への強い意欲を感じられなかったり(必然性の欠如)する状況が、成功への障害となります。

さらに、重要なタスクに集中できない(生産性の欠如)、対人スキルが不足して他者からの支持を得られない(影響力の欠如)、リスクを取って自己主張できない(勇気の欠如)といった問題も、成功の妨げとなります。

バーチャードは、これらの要素が欠けると、どんなに才能に恵まれた人でも、迷走、疲弊、無気力、非生産的、孤独、不安な状態に陥る可能性があると警告しています。

著者は、意識的に自己の限界を押し広げ、コンフォートゾーンを脱する必要があります。偏見や個人的な嗜好を乗り越え、他者を理解し、愛し、奉仕し、導く努力をすることが重要だと説いています。

個人のパフォーマンスを高める3つの習慣

6つの習慣をすべて一緒に実践すれば、他の重要な人生のクオリティ─たとえば全体的な幸福度や、良好な健康、良好な人間関係などとも相関するのである。

著者は「HP6」と呼ばれる6つの普遍的な習慣を提唱しています。明確性、エネルギー管理、必然性は、個人のパフォーマンスを高める習慣で、生産性、影響力、勇気は社会的価値を高める習慣です。

1. 明確性
明確性は成功への第一歩です。これは単に目標を設定するだけではなく、自分が何を望み、なぜそれを望むのかを深く理解することを意味します。明確な目標があれば、エネルギーを適切に集中させ、必要な行動を取ることができます。バーチャードは、定期的に自己反省の時間を設け、長期的なビジョンと短期的な目標を調整することを推奨しています。

著者は自分自身、対人関係、スキル、他者への貢献という4つのビジョンを描くべきだと言います。なりたい自分になったつもりで振る舞うことで、自分を変えられるようになります。私は最初の本を出版する前に、作家のように振る舞い、積極的に行動することでチャンスを獲得できました。

ハイパフォーマーは、他者、そして未来全般に対し、自分がどんな変化をもたらすことができるかをとても気にかけている。その貢献を、心を込めて、巧みに実現する未来図から逆算して今日の行動を考えているのだ。

ハイパフォーマーは他者に貢献するために自己投資に時間を使い、日々自分の専門性を高めています。将来からバックキャスティングし、必要なスキルを割り出し、それを習得するために努力を重ねます。

「熱意+つながり+満足感+守備一貫性=個人的満足感」という方程式をつくることで、行動を続けられるようになります。人生に意味をもたらすものは何かを考えること、内省の習慣を持つことで、やりたいことが明確になります。

2. エネルギー管理
質の高いパフォーマンスを持続させるには、内なるエネルギーを引き出すと同時に、適切なエネルギー管理が欠かせません。これには、身体的、精神的、感情的なエネルギーが含まれます。適切な睡眠、バランスの取れた食事、定期的な運動に加え、ストレスと感情のコントロールも重要です。

著者は、エネルギーを意識的に回復させる急速の習慣の重要性を強調しています。また、日常の中に喜びをつくり出すことで、エネルギーが高まり、結果、私たちは幸福度をアップできるのです。

3. 必然性
必然性とは、目標達成への強い動機づけを持ち続けることです。これは単なる願望以上のものであり、行動を起こさずにはいられない内的な衝動を意味します。バーチャードは、自分の特定のテーマに対する深い情熱を育み、それに熱中することの重要性を説いています。

ハイパーフォーマーは卓越性を重視し、人よりも力を注ぎます。パーパスやビジョンを明らかにすることで、必然性が生まれ、困難な状況でも前進し続けることができます。感情も卓越性も周りの人に伝染するので、良い仲間をつくり、ネットワークを拡大することを心がけましょう。

社会的価値を高める3つの習慣

人生は短い。成功するために私たちに与えられた時間は限られている。だからこそ、意識を集中させる必要があるのだ。魂をワクワクさせないアウトプットを生み出すのはやめよう。誇りに思えないこと、世の中に影響を与えないことを、きちんと、あるいは効率的にやろうとするのも避けよう。

4. 生産性
生産性は、効率的かつ効果的に結果を出す能力です。これは単に忙しくしているだけではなく、真に重要なタスクに集中し、価値あるアウトプットを生み出すことを意味します。

自分や他者がワクワクするアウトプットを心がけましょう。バーチャードは、優先順位の設定、集中力の向上、効果的な時間管理技術の習得をすすめています。

5. 影響力
影響力は、他者とのつながりを築き、ポジティブな変化を促す力です。自身が社会に貢献していると感じることが、影響力の証明となります。このためには、効果的なコミュニケーション能力、成長を促すリーダーシップ、他者への共感が欠かせません。著者は、影響力を高めるために、他者に貢献することが重要だと言います。

6. 勇気

何かの成功体験を積めば積むほど、慣れていく。だからこそ今からもっと勇気ある人生を生きることが重要なのだ。恐怖に立ち向かう、自分を表現する、人助けをするといった行動は、やればやるほど、楽に、ストレスを感じずにできるようになる。

勇気は、不確実性や恐れに直面しても行動を起こす能力です。これは単に無謀に行動することではなく、リスクを適切に評価し、必要な場合には自分の快適ゾーンを出る勇気を持つことを意味します。著者は、小さな勇気ある行動を日々積み重ねることで、この能力を強化できると説いています。

人は時に、自分の潜在能力を十分に発揮できていないと感じることがあります。そんな時こそ、HP6を意識的に取り入れることが解決の糸口となると著者は言います。6つの習慣を身につけることで、私たちは自己実現への道を切り開くことができるのです。

ハイパフォーマーは、自分のためより、世のため人のために何かをしています。彼らは人に尽くすことの中に、勇気を出す理由や、集中し卓越性を発揮する目的を見いだしています。

HP6の素晴らしさは、その普遍性にあります。6つの習慣は、人生のあらゆる良い習慣の基盤となる「メタ的習慣」と言えます。「明確化」という習慣を意識的に実践することで、私たちは自然と問いを立て、内省し、自分の行動を客観的に観察し、軌道修正の必要性を適切に判断できるようになります。

また、「エネルギー」を培う習慣は、適切な休息、健康的な食生活、定期的な運動といった、心身の健康に不可欠な習慣へと発展していきます。

このように、HP6は私たちの生活全般にポジティブな影響を与えるのです。 HP6の実践がもたらす効果は、単に個々の習慣が向上するだけにとどまりません。一つの習慣を磨くことで、他の習慣も相乗的に高まっていきます。

例えば、「明確化」の能力が向上すると、エネルギーの管理や必然性の認識、生産性の向上、勇気の発揮、そして他者への影響力も同時に高まっていくことが多いのです。 このような相互作用により、ポジティブなスパイラルが生まれます。

一つの習慣の向上が他の習慣を引き上げ、それがさらに全体的な成長につながるのです。こうした好循環こそが、成功と失敗を分ける重要な要素となるでしょう。

さらに注目すべきは、HP6のすべての習慣が、全体的な幸福感と強い相関関係にあるという点です。 研究結果によると、これらの習慣のスコアが高い人ほど、より幸福な生活を送っているという傾向が見られます。

このように、HP6を意識的に取り入れることは、私たちの人生に多面的な恩恵をもたらします。それは単なるスキルの向上にとどまらず、自己実現と幸福の両立を可能にする強力なツールなのです。

HP6の実践は、個人の成長だけでなく、組織全体のパフォーマンス向上にも適用可能です。リーダーがこれらの習慣を身につけ、チームメンバーにも奨励することで、組織全体の生産性と成功の可能性が高まると著者は述べています。

本書の核心は、成功が生まれながらの才能や運ではなく、意識的に培われる習慣の結果であるという革新的な視点にあります。著者は、ハイパフォーマーの行動を綿密に分析し、誰もが学び、実践できる6つの普遍的な習慣を提示しています。日々の生活の中で、これら6つの習慣を意識し、少しずつでも実践していくことで、豊かな人生を送れるようになります。

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