一番大切なのに誰も教えてくれない メンタルマネジメント大全(ジュリー・スミス)の書評

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一番大切なのに誰も教えてくれない メンタルマネジメント大全
ジュリー・スミス
河出書房新社

メンタルマネジメント大全(ジュリー・スミス)の要約

心と体の健康を保つためには、運動、睡眠、栄養、そして人とのつながりに意識を向けることが重要です。これらの要素をバランスよく取り入れることで、ストレスに打ち勝ち、心身の不調を予防することができます。日々の生活の中で、自分自身の健康に対する意識を高めていきましょう。

気分は脳だけの産物ではない!

気分について語るときには、原因が常に脳にあるわけではないことを覚えておこう。原因は体の状態、人間関係、過去と現在、生活状態、ライフスタイルにもある。食事、考え、行動、記憶など、わたしたちがすること、しないことのすべてにある。気分は脳だけの産物ではないのだ。(ジュリー・スミス)

この本は、心理学者であり臨床心理士のジュリー・スミスによって執筆されました。著者はオンラインでの情報発信やカウンセリングで広く知られ、300万以上のSNSフォロワーを持つ人気のある専門家です。

彼女の目標は、心理学や精神医学に基づいた適切な知識をわかりやすく伝えることで、その内容はBBCなどのメディアでも注目を集めていると言います。 気分が沈んだ時に立ち直る方法を知っていることは、無駄に気分が持ち込まれることを防ぐのに役立ちます。

最近の能登での大地震や飛行機事故などの出来事により気分が落ち込むことがありますが、このような状況で自分を回復させる方法や行動を知ることは非常に重要です。ネガティブなニュースに焦点を当て続けると、ストレスが蓄積され、気分が低下することがあります。

気分の変動は、単に脳の働きだけではなく、体の状態にも密接に関連しています。例えば、体調が悪い時や痛みがある時には、気分が沈むことがよくあります。これらの認識をもって、自分の気分を管理し、健康な生活習慣を維持することが、気分の回復に役立ちます。

脳は絶えず働き、周囲で何が起きているかを理解しようとしています。その際、体からの情報(心拍数、呼吸、血圧、ホルモンなど)、五感からの情報(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)、そして行動や思考などを利用します。 脳はこれらの情報と、過去の経験から得られる記憶を組み合わせて、現在の状況を理解し、適切な対処方法を予測します。

言い換えれば、気分も入ってくる情報によって形成され、その後の行動に影響を与えるのです。私たちの脳は、単なる情報処理機械ではなく、感情や気分を通じて私たちの行動を促し、現実を体験するための重要な器官です。

また、人間関係の問題や過去の辛い経験は、気分の不安定さやストレスを引き起こすことがあります。これらの感情はうつ病や不安を生じさせ、気分を下げることがあります。しかし、自己分析を行い、物事の受け止め方や心地よさを理解することで、気分を回復させることが可能です。自己回復には、マインドフルネスや感謝の習慣が効果的です。

頭に浮かぶ思考をコントロールし、自分の気持ちをより良い方向に導くことで、より充実した生活を送ることができます。嫌な思考から抜け出すためには、まずその思考から一歩離れて、それが本当はどんなものであるかを思考すること(メタ認知)が効果があります。つらい感情が湧き上がったら、好奇心を使って、別のアプローチを考えてみましょう。

現在の状況が厳しい場合や生活環境が悪い場合も、気分が落ち込んだり不安定になったりすることがあります。 さらに、ライフスタイルも気分に関係しています。十分な睡眠や適度な運動、バランスの取れた食事など、健康的な生活習慣を守ることは、気分の安定につながります。逆に、不規則な生活や過度なストレス、不健康な食生活などは、気分を不安定にさせる要因となることがあります。

心と体の健康を保つためには、運動、睡眠、栄養、そして人とのつながりに意識を向けることが重要です。これらの要素をバランスよく取り入れることで、ストレスに打ち勝ち、心身の不調を予防することができます。日々の生活の中で、自分自身の健康に対する意識を高めていきましょう。

ストレスをポジティブにリフレーミングしよう!

ストレスにさらされると、世界は確実で予測可能だ、と思いたいがために、思考は「全か無か」に偏りやすい。そのようなときこそ、物事を論理的に考え、さまざまな側面を比較検討し、より多くの情報に基づいて判断を下さなければならない。

感情的な推論や自己中心的な考え方などのバイアスには注意が必要です。ネガティブな考えが浮かぶのは避けられませんが、そのバイアスを認識し、自分の反応をコントロールすることは可能です。今抱いている考えが、他の考えの一つに過ぎないことを認識すると、他の考えにも心を開けるようになり、感情に支配されにくくなります。

自分の考えを深く理解するためには、それが一つの考え方に過ぎないことを認め、他の考え方を試してみることが必要です。自分の考えに思考バイアスを見つけてラベル付けすることは、認識に役立ちます。ネガティブな思考が負のスパイラルに導かないためには、感情に関わらず、事実としての確証がないことを理解することが大切です。

好奇心を持つことも、ネガティブな思考から距離を置く手段の一つです。一般的な思考バイアスを理解することで、ネガティブな思考から遠ざかり、それらが現れたときに気づいてラベルをつけることができます。 最も重要なことは、ある考えを事実として受け入れる前に、他の考えを検討することです。公平で思いやりのあるバランスの取れた考え方を探しましょう。

感情に支配されると極端で偏った考え方に陥りがちですが、現実は複雑で多面的です。問題の各側面をじっくり考えることが大切で、はっきりした答えが見つからない場合でも構いません。わからないことに耐えることで、より意識的な選択ができるようになります。

ストレスに対する考え方がパフォーマンスに影響することが研究で示されています。ストレスを「問題」とではなく、「役に立つもの」と考えると、ストレスの抑制にエネルギーを費やすことなく、タスクに集中できるようになり、自信が高まり、パフォーマンスが向上します。

このマインドセットの変化は、ストレスによる消耗を軽減し、パフォーマンスを向上させます。 リフレーミングは、状況を異なる視点から見ることです。

例えば、「ストレス」を「決意」、「脅威」を「挑戦」に変えることで、感情や意味を変えることができます。新しい視点から状況を見ることで、ストレスを受け入れ、克服できる可能性が高まります。ストレスが高まると、心の視野だけでなく、実際の視野も狭くなりがちです。これは、最も重要な要求に集中するために起こる現象です。

しかし、ストレスが高まっている場合でも、体のパフォーマンスを高く維持しながら、心を落ち着かせる方法が存在します。 研究によれば、その方法の1つは視野を広げることです。これは、頭を動かして周囲を見回すことではなく、単に視野を広げてより多くのものを見るように心がけることを意味します。

視覚システムは自律神経システムの一部であり、視野を広げることで、ストレスや覚醒に関連する脳の回路に影響を与えることができます。 私たちはストレス反応を完全に止めることを目指しているのではなく、ストレス耐性を高め、強いストレスに対処できるようになります。新しい視点から状況を見つめ、ストレスをポジティブに活用することで、結果を出せるようになります。


この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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