アートが持続的幸福をもたらす理由。アート脳(スーザン・マグサメン , アイビー・ロス)の書評

assorted-color paint brush on brown wooden table top

アート脳
スーザン・マグサメン , アイビー・ロス
PHP研究所

アート脳(スーザン・マグサメン , アイビー・ロス)の要約

アートには日常生活を変革する力があります。著者たちは、アートや美が脳に驚くべき影響を与え、文字通り脳の回路を再構築する可能性を提唱しています。アートが単なる娯楽ではなく、私たちの認知機能や健康、ストレス軽減、深く関わっています。また、アートは持続的な幸福にも良い影響を及ぼしているのです。

アートが脳に良い変化をもたらす!

アートや美学には、私たちに変化をもたらし、結果的に人生をも変革させる力があるのだ。(スーザン・マグサメン , アイビー・ロス)

アートの力を科学的に解明し、その驚くべき効果を世に広めようとする2人のエバンジェリストがいます。それが、本書アート脳の執筆者のスーザン・マグサメンアイビー・ロスです。

マグサメンは、ジョンズ・ホプキンス大学の神経美学分野の第一人者として知られ、アート体験が人間の脳にもたらす影響を長年研究してきました。もう1人のロスは、グーグルのハードウェア部門で革新的なデザインを手がける副社長として、テクノロジーとアートの融合を実践してきた人物です。この異色の2人が手を組み、アートの真価を科学の目で解き明かそうとしたのが、本書になります。

アートの本質と価値について、多くの人々の考えには偏りがあります。アートはエンターテイメントや贅沢品といった捉え方が一般的ですが、マグサメンとロスはこの認識に異を唱えます。彼らは、この固定観念を根本から覆す新たな視点を提示しています。

彼らの研究によれば、アートは単なる娯楽を超えた、人間の生活に不可欠なものだと言います。絵画、ダンス、文章、建築など、様々な芸術形態が私たちの日常生活に深く関わっていることを、著者たちは科学的なアプローチで明らかにしています。これらの芸術活動は、私たちの心身に予想以上の影響を与えているのです。

著者たちが提唱するのは、アートが日常生活を根本的に変える力を秘めているという考えです。アートや美は、私たちの脳に驚くべき影響を与えています。それは文字通り、脳の回路を再構築する力を持っているのです。

私たちの脳は、数十億もの神経細胞(ニューロン)で構成されており、これらの細胞は互いにシナプスと呼ばれる接続部分でつながっています。新しいことを学んだり、新しい経験をしたりするたびに、これらのシナプス結合が強化されたり、新しく形成されたりします。 アートや美的体験は、このプロセスを特に強力に促進する「秘伝のソース」のような役割を果たします。

例えば、絵画を鑑賞するとき、私たちの脳は色彩、形、構図などを処理するために、様々な領域が活性化します。音楽を聴くときは、聴覚野だけでなく、感情を司る領域や運動野なども刺激されます。これらの複合的な刺激が、新しいシナプス結合の形成を促すのです。

私たちの脳には、周囲の環境から得られる膨大な情報の中から、特に重要で注目すべきものを選び出す機能があります。この機能を担っているのが、「サリエンシー・ネットワーク」と呼ばれる脳の領域です。 サリエンシー・ネットワークは、主に前島皮質と背側前帯状皮質という2つの領域で構成されています。

これらの領域は、私たちが日常生活で遭遇する様々な刺激の中から、特に「突出している」もの、つまりサリエント(顕著)な情報を識別する役割を果たしています。

アートと美的経験がこのサリエンシー・ネットワークを強く刺激し、大きなサリエンシーを生み出す主要な手段であると著者たちは指摘しています。つまり、アートは私たちの注意を引き付け、強い印象を与える力を持っているのです。

例えば、美術館で見る絵画は、日常的な視覚刺激とは異なり、私たちの注意を強く引きつけます。その色彩や構図、表現されている内容が、サリエンシー・ネットワークを活性化させ、強い印象として脳に刻まれるのです。同様に、音楽を聴くときも、その旋律やリズム、ハーモニーが聴覚を通じてサリエンシー・ネットワークを刺激し、私たちに強い感動や記憶を与えることがあります。

アートがストレスを軽減する理由

アートには神経化学物質、ホルモン、エンドルフィンの分泌を促し、感情を解放させる作用がある。

アートが人間の心身に及ぼす影響は、近年の科学研究によってますます明らかになってきています。神経化学物質、ホルモン、エンドルフィンの分泌を促進し、感情を解放させるアートの力は、単なる娯楽や文化的体験を超えた、生物学的な現象として注目を集めています。

詩や小説、絵画、映画や音楽などのアート体験は、人間の脳内で複雑な神経化学的反応を引き起こします。その結果、古代ギリシャの哲学者アリストテレスが「カタルシス」と呼んだ感情の浄化や解放が生じることがあります。この過程を経て、人々は自己や他者とのつながりがより深まったような感覚を覚えるのです。

アートがもたらす効果は、ストレスを軽減します。例えば、ドとソの音は地球の主要な周波数と共鳴するとされ、多くの人々に心を落ち着かせる効果があると言われています。実際、これらの音を聴くことで、ストレスが軽減されたり、集中力が高まったりすると報告する人も少なくありません。

ドとソの音程(周波数)は、世界中の多くの文化で「美しい」と感じられる響きを生み出します。この普遍的な美しさは、単なる文化的な学習の結果ではなく、人間の脳の構造や知覚システムに根ざしている可能性があります。そのため、これらの周波数の組み合わせは、音楽はもちろん、瞑想や療法など、様々な分野で広く活用されています。

自分の好きな音楽のプレイリストを聴くことで、慢性的な頭痛を軽減できると言う研究結果もあります。痛みを和らげるために音楽を聴いた人々は症状が改善したのです。

詩を読むことは、単に芸術を楽しむ以上の効果があることが、最新の研究で明らかになってきています。エクセター大学の研究では、fMRI(機能的磁気共鳴画像法)を使って、詩を読んでいる時の脳の活動を観察しました。その結果、詩を読むと、リラックスした状態と関連する脳の領域が活性化することがわかりました。

興味深いことに、脳は詩を散文とは違う方法で処理しています。詩を読むと、神経科学者が「前チル反応」と呼ぶ状態が起こります。これは、穏やかな感情へとゆっくりと移行していく過程のことです。このため、気分が落ち着かない時や眠れない時に詩を読むと、リラックスする効果が期待できます。

同時に、詩を読むことで私たちの視点や思考に広がりが生まれる可能性もあります。 さらに、詩には脳の神経可塑性を高める効果があるようです。詩を読むことも書くことも、この効果があると言われています。これにより、脳が新しい物語や考え方を構築しやすくなり、同じことを繰り返し考えてしまう状態(反芻思考)から抜け出す助けになる可能性があります。

気分転換やストレス解消が必要な時、新しい視点が欲しい時、あるいは単に心を落ち着かせたい時に、詩を読んでみるのは良い選択かもしれません。短い時間で読める詩は、忙しい日常の中でも取り入れやすい心のケア方法と言えるでしょう。

複数の研究によると、ぬり絵がストレスを軽減することが明らかになっています。ぬり絵が集中力を高め、脳内で瞑想した効果と同じような生理的反応をもたらすことがあると言うのです。実際、色を塗っている間は不安を示す全ての物理的指標が下がり、不安を感じる度合いも低下します。

また、身体的な健康問題に対しても、アートは驚くべき効果を発揮することが報告されています。慢性的な痛みに悩む患者が、アート療法を通じて症状の軽減を経験したという事例や、不安障害やうつ病に苦しむ人々の症状が、創作活動や芸術鑑賞によって改善されたという報告も数多く存在します。

ウクライナ戦争でトラウマを負った人たちに絵を描くという早期介入をすることで、PTSDが80%以上減少したと言う研究結果もあります。

音楽やアートと関わるときに分泌されるドーパミン、 セロトニン、オキシトシンは、不安や落ちこみを軽減させる。

踊ることには、私たちの心と体に様々な良い影響を与える効果があることがわかっています。 まず、踊ると気分が良くなります。これは、体を動かすことで脳内にセロトニンという物質が分泌されるからです。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、気分を明るくする効果があります。

そのため、踊ることで気分の落ち込みを防ぐことができます。 さらに、踊ることは脳にも良い影響を与えます。踊りは複雑な動きを伴うので、脳の左右の半球をつなぐ神経活動が活発になります。これは、新しい神経回路を作り出すきっかけになり、脳のネットワークを強化します。

当然、踊ることは、身体的にも良い影響を及ぼします。下手でも構わないので踊ることを習慣化したほうが良さそうです。

アートは現在、私たちの体と心を癒すために様々な目的で活用されています。予防や日常的な健康問題の症状緩和から、病気や障害の治療、心理的サポート、慢性的な問題との共存、そして人生の終盤における慰めや生きがいの提供まで、その役割は多岐にわたります。

このようなアートの活用は、科学的な裏付けのある効果的な方法として認識されつつあります。日常的な痛みから深刻な病気まで、アートは私たちの心身に測定可能な変化をもたらしています。 今では医療の専門家たちも、アートが健康に与える良い影響を理解し、患者さんにアート活動を勧めるようになってきています。

ソーシャルワーカーや公衆衛生の専門家だけでなく、医師たちもアートの効果を認め、それを治療や健康増進に活かそうとしています。

アートは、運動や良質な栄養と同じように、私たちの健康を支える重要な要素になりつつあります。日常生活の中にアートを取り入れることで、心身の健康を増進させることができるのです

これらの知見は、アートが単なる文化的活動を超えて、実際の医療や心理療法の現場でも重要な役割を果たす可能性を示唆しています。

アートは学びにも効果がある!

アートがよりサリエントな経験を創造すると、可塑性や神経結合、より良い理解がもたらされる。アートや美が教育や仕事、生活に統合されたとき、私たちの学ぶ能力が強化されるのである。

アートと学習能力の関連性について、近年の研究が興味深い結果を示しています。音楽を聴いたり絵を描いたりする創作活動が、脳の特定領域を活性化させ、記憶力や集中力を向上させることが明らかになりました。特に、アートがシナプスの結合を強化し、脳の可塑性に好影響を与えることがわかってきました。

例えば、絵を描くことで視覚野が、音楽を演奏することで聴覚野と運動野が刺激されます。これらの活動は、それぞれの脳領域の能力を高め、日常生活のあらゆる場面で役立ちます。記憶力の向上は仕事や学習の効率を上げ、集中力の増加は複雑な問題解決をスムーズにする可能性があります。

さらに、アートによる脳の活性化は年齢を問わず効果があり、高齢者の認知機能低下を遅らせる可能性も示されています。これらの発見は、アート教育が単なる情操教育ではなく、認知能力の発達に直接的な影響を与えることを科学的に裏付けています。 このような知見を踏まえ、教育機関や医療施設でアートを積極的に取り入れるプログラムが展開されています。

学校では、従来の美術や音楽の授業に加え、他の教科とアートを融合させた総合的な学習プログラムを導入する動きが見られます。病院では、患者の回復促進のため、院内にアートギャラリーを設置したり音楽療法を取り入れたりする例が増えています。

アート教育の影響は芸術的才能の育成にとどまらず、学業全般や人格形成にまで及ぶことが明らかになっています。アート教育を受けた生徒は、落ちこぼれる可能性が5分の1に減少し、成績優秀者とみなされる可能性が4倍に増加するという驚くべき結果が報告されています。

これは、アートが創造性や批判的思考力を育むだけでなく、集中力や忍耐力も養うためだと考えられます。 また、アート教育を受けた生徒は、大学進学適性試験や読み書き、英語力の技能試験でも好成績を収める傾向にあります。絵を描くことや音楽を演奏することが、言語能力や数学的思考にも良い影響を与えているのです。

さらに、アート教育を受けた生徒は規律を乱すことも少ないことがわかっています。アートが自己表現の健全な手段を提供し、感情のコントロールや社会性の発達を促進するためです。アートを通じて自分の感情や考えを表現することで、ストレスや不満を建設的に解消する方法を学ぶことができます。

特筆すべきは、アート教育が教育の格差是正にも貢献する可能性があるという点です。すべての子どもたちが平等にアート教育を受けられると、低所得と高所得の家庭の生徒の学習の差が縮小し始めます。これは、アートが経済的背景に関わらず、すべての子どもたちに創造性や自己表現の機会を提供するためだと考えられています。

子供たちが本当に学ぶべきことは、以下の6つのCになると言いますがが、これらが遊びとアートで育めると著者たちは指摘します。
・Collaboration(コラボレーション)
・Communication(コミュニケーション)
・Content(コンテンツ)
・Critical Thinking(クリティカルシンキング)
・Creative Innovation(クリエイティブイノベーション)
・Confidence(コンフィデンス)

アートは単なる趣味や娯楽ではなく、子どもたちの潜在能力を引き出し、より公平で創造的な社会を作り出す鍵となる可能性を秘めています。今後、教育関係者や政策立案者は、これらの知見を踏まえ、カリキュラムにおけるアート教育の位置づけを再考する必要があるでしょう。

 

アートで人は幸福度を高められる!

アートとは自分の身体状況あるいは感情の状態を変化させ、幸福感を高める活動である。

ドレクセル大学の研究が、アートの創作活動が人体に及ぼす驚くべき効果を明らかにしています。特別研究機構副学部長でクリエイティブ・アーツセラピー学部准教授のギリジャ・カイマル氏が率いるチームの調査によると、わずか45分間のアート創作で、参加者の大多数にストレスホルモンの一種であるコルチゾールの顕著な低下が見られました。

この研究結果は、アートが単なる趣味や娯楽の域を超え、生理学的にも重要な影響を与えることを示しています。特筆すべきは、この効果が芸術的なスキルや経験の有無に関係なく現れたことです。つまり、プロのアーティストでなくても、絵を描くのが得意でなくても、誰もがアート創作の恩恵を受けられるということになります。

そして、アートは持続的な幸福を得る手助けもしてくれます。美術館を訪れたり、コンサートに行ったりする経験が、脳内の幸福感を司る神経伝達物質の分泌を促進することが分かっています。つまり、アートは単に一時的な喜びをもたらすだけでなく、長期的な幸福感の向上にも貢献しているのです。

マグサメンとロスの研究は、アートを贅沢品や娯楽としてではなく、健康や幸福のための必需品として捉え直す必要性を示唆しています。彼らは、日々の生活にアートを取り入れることで、個人の健康と幸福度が向上するだけでなく、社会全体にも良い影響を与えると主張しています。

子供の頃に流行った曲がスーパーの店内で流れると、私たちの脳は瞬時に反応します。血流が変化し、ドーパミンなどの快楽物質が分泌されます。すると、中学時代の友達との思い出が蘇り、懐かしさという複雑な感情が湧き上がってきます。こうして、一曲の音楽が私たちの心の状態を大きく変化させるのです。

この例が示すように、私たちは常に五感を通じて様々な刺激を受け取っています。これらの刺激は互いに影響し合い、私たちの世界の捉え方や気分を形作っています。 アートは、こうした感覚的な刺激の一つとして捉えることができます。アートは私たちの神経系に独特な方法で働きかけ、感情の処理や表現、さらには無意識の領域にまで影響を及ぼします。

人生では様々な感情的な起伏に直面しますが、アートはそれらに対処する手段となります。アートには、喜びや満足感といったポジティブな感情を増幅させ、幸福感を高める力があります。また、ストレスを和らげる効果もあり、日常生活で遭遇する様々な刺激に対する私たちの反応を変える可能性も秘めています。

アートと瞑想には共通点があることが最近の研究で明らかになっています。

アートを利用して瞑想に近い状態を育むと、脳の前頭前皮質の批判や個人攻撃を司る領域の活動が抑えられ、普段より寛容で大局的な視点を得ることができるのである。

通常、瞑想というと静かに座って呼吸に集中するイメージがありますが、アートの制作や鑑賞も瞑想の一種として注目されています。

仏教の瞑想専門家であるシャロン・サルツバーグは、アートを通じた瞑想が非常に効果的だと主張しています。この考え方は、従来の瞑想のイメージを大きく変えるものです。 アートを通じた瞑想では、静かに座るのではなく、創造的な活動に没頭することで心を整えます。絵を描いたり、彫刻を作ったり、美術館で作品を鑑賞したりすることで、自然と「今この瞬間」に意識を向けることができます。

アート制作では、筆の動きや色の選択、形の創造に集中することで、日常の雑念から離れ、現在に意識を向けることができます。これは瞑想の核心である「マインドフルネス」そのものです。

アート鑑賞でも同様の効果が得られます。作品の細部や構成、色彩、形に注目することで、意識が自然と「今、ここ」に向けられます。さらに、作品から受ける印象や感情に気づくことで、自己への理解も深まります。このように日常生活の中でアートに触れる機会を増やすことで、心の健康を保つことができるようになります。

世界は無限のエネルギーと振動で満ちており、アートが幸福感を育む方法も無数に存在する。アートは、私たちが不確かで予測不能な人生を航行し、複雑な感情や気持ちの波を乗りこなす手助けをしてくれる。

アートと持続的幸福の関係について、興味深い研究結果が示されています。持続的幸福には6つの基本的な特性があるとされ、それらは好奇心、感嘆、畏怖、豊かな環境、創造性、儀式、そして斬新さと驚きです。これらの要素を日常生活に取り入れることで、私たちは持続的な幸福を実現できる可能性があります。

アートは、これらの特性を育む上で重要な役割を果たします。例えば、アートは好奇心を刺激し、私たちの理解や感動への欲求を引き出します。

また、アートは感嘆や畏怖の念を呼び起こす力を持っています。美的なマインドセットを心がけることで、日常のありふれた瞬間にも感嘆の念を抱くことができます。畏怖の体験は、私たちの脳に特別な変化をもたらし、不確実性やリスクに対する耐性を高めることが示されています。

アートに囲まれた豊かな環境は、日常的に感性を刺激し、好奇心や感嘆の念を呼び起こします。例えば、美しい絵画や彫刻が置かれたオフィスや、自然の景観を取り入れた建築空間は、私たちの心を豊かにし、創造性を高める効果があります。

アートギャラリーや美術館といった空間は、日常から一歩離れて、新たな視点や思考を得る機会を提供します。これらの場所は、畏怖や驚きの体験をもたらし、私たちの脳に新鮮な刺激を与えます。

創造性の面では、アートの実践が重要です。アート活動に従事することで、マインドワンダリングが促進され、創造性が高まります。これは、脳のデフォルトモード・ネットワークと関連があると考えられています。

さらに、アートは儀式や習慣の形成にも役立ちます。アートを通じた儀式的な実践は、感情や象徴、知識の分析を促し、強い意義と自己認識の感覚を構築するのに役立ちます。 一方で、アートは斬新さと驚きをもたらす源泉でもあります。私たちの脳は新しい刺激を求めており、

アートはその欲求を満たす理想的な手段となります。斬新な経験は脳内のドーパミン放出を促し、さらなる関与を引き出します。

アートには、比類のない方法であなたを変える力がある。病気から健康な状態へ、ストレスから穏やかな気持ちへ、悲しみから喜びへと移行するのを手助けし、持続的な幸福と繁栄を可能にする。アートはあなたを根底から変化した状態へと導き、あなたの生理機能そのものを変化させる。アートは昔から希望の最高の姿を示し、今日では科学によって新たな知識がもたらされており、それは私たち1人ひとりの人生に取り入れることができる。

アートは私たちの幸福感を高め、より良い未来を築くための力を与えてくれます。アートを通じて、私たちは新たな考えを生み出し、人間性の共通点を確認し、より深くつながることができるのです。アートは単なる娯楽ではなく、持続的な幸福と豊かな人生を実現するための重要な要素なのです。

著者2人の綿密な研究は、この学際的アプローチが私たちの日常生活や社会構造に及ぼす広範な影響を明らかにしています。それは単なる娯楽や贅沢品ではなく、私たちの健康と幸福に直結する、生活に不可欠な要素なのです。この新たな理解は、従来の医療の在り方を変え、より健康的なコミュニティの構築につながる可能性を秘めています。

本書は、アートと科学の相互作用が個人の幸福感や社会の進歩にいかに貢献しうるかを、エビデンスに基づいて示している点で非常に説得力があります。研究者はもちろん、アーティストや教育者だけでなく、ビジネスパーソンにとっても示唆に富む一冊といえるでしょう。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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