60歳からの人生デザイン – 手ぶらで、笑顔で、機嫌よく過ごすための美学
秋田道夫
ワニブックス
60歳からの人生デザイン(秋田道夫)の要約
秋田道夫氏の『60歳からの人生デザイン』は、60代以降を穏やかに充実して生きる方法を提案する一冊です。「60点主義」や「機嫌よくいなす」考え方を通じて、無理をせず自分らしく過ごす大切さを説きます。年齢に縛られず興味を追求し、人間関係を大切にすることで、幸福感が高まると提案。若い世代への支援も自己充実につながり、過度な期待を持たず穏やかに生きることが人生の秘訣としています。
60歳以降の人生を上機嫌にする方法
わたしたちは多くの「べき」から解き放たれ、もっと軽やかに歩んでいってもいいでしょう。そう、手ぶらで、笑顔で、機嫌よく。(秋田道夫)
秋田道夫氏の60歳からの人生デザイン – 手ぶらで、笑顔で、機嫌よく過ごすための美学は、60代以降の人生をどのようにデザインし、より充実して生きるかを提案する一冊です。私自身も62歳を迎え、人生の折り返し地点を過ぎた今、著者のアドバイスにはとても共感を覚えました。
秋田氏が提唱する100点を目指さず、60点でよいという「60点主義」は、これからの人生を穏やかに過ごすための重要な考え方だと感じます。この考え方は自分に無理をさせずに生きる基本の考え方になります。
また、著者は「今置かれた状況を機嫌よく『いなす』ことが最上の生き方」と述べています。そのためには、考え方を柔軟にし、自分自身で人生をより良くする意識を持つことが大切です。
「もう年だから」と諦めるのではなく、年齢に関係なく好きなことや面白いことを見つけ、没頭することで、充実した時間を過ごせます。年齢に縛られず、自分らしい生き方を選ぶことが大切です。 今の自分の行動が、将来の自分を助けることにつながります。
例えば、私自身は47歳の頃からこの書評ブログを書き続けていますが、この習慣が今の自分を支えてくれています。インプットとアウトプットを積み重ねることで、新たな出会いや経験が生まれ、人生に彩りを与えてくれます。
さらに、「自分は大したことがない」と認識することで、60代以降も肩の力を抜いて生きやすくなります。「人から期待されている」と思わなくなると、緊張や萎縮から解放され、より自由に行動できるようになります。著者は講演会で話す際、「誰も私の話なんて大事に聞いていないだろう」と考え、気負わずに臨むそうです。その結果、過剰な期待を抱かずにすみ、思いがけず良い反応を得たときには素直に喜びを感じられるといいます。
人生において、良好な人間関係は幸福感を高める重要な要素です。秋田氏は、笑顔を絶やさず、相手に対して謙虚な姿勢で接することを推奨しています。「自分は大したことがない」と思うことで、利他的な態度を保ちやすくなり、人間関係も円滑になります。
また、聞き上手になることで、相手のニーズを理解しやすくなります。 特に、若い世代を支援することは、60代以降の充実感にもつながります。彼らの話に耳を傾け、自分の知識や経験を謙虚に共有することで、感謝される機会が増えることを私も実感しています。
私自身、情報経営イノベーション専門職大学で毎週講義を行っていますが、学生たちへの貢献を意識しながら学び、教えることで、自らの幸福度も高まっていると実感しています。
社会や家族、そして自分自身に対して過度な期待を持たず、ありのままの自分を大切にすること。それが、穏やかで満たされた人生を送る秘訣なのです。
自分の居場所を転換する!
「自分の居場所」を変えるだけで、機嫌をよくすることができます。わたしは、それを「転換」と呼んでいます。「いつもの居場所」を離れて少し歩くだけで、不思議なほどすっきりとリフレッシュできます。
毎日同じ環境で過ごしていると、その場所の情報に慣れてしまい、新しい刺激を受けにくくなります。そこで、意図的に環境を変えることで、新たな光景や音、人の声、香りといった刺激を自然に取り入れることができます。これが気分の切り替えにつながり、最終的には生産性や創造性の向上にも寄与します。
しかし、大きく環境を変える必要はないと著者は言います。気分転換のための「ちょっとした変化」で十分です。例えば、いつもの通勤路を変えてみるだけでも、新たな発見があります。少し遠回りして、目に留まる風景や魅力的な店を見つけたり、街の活気を肌で感じたりするのもよいでしょう。
私は普段は車で移動していますが、異なる景色に触れたり、季節の移ろいを感じたりするのを楽しんでいます。新しい店を見つけたときは、ふと寄り道することもあります。時間に余裕がある日は、移動先の近くの神社に立ち寄り、静かな時間を過ごすことも。こうした何気ないひとときが、意外にも創造的な発想を生むことがあるのです。
「成功者は、自分が信頼している人からの情報以外は一切聞き入れない」という話を著者は紹介しています。世の中にはさまざまな情報があふれていますが、すべてを受け入れていたら、気持ちが疲れてしまうこともあります。だからこそ、自分が本当に大切にしたい情報だけを選び取る姿勢が必要なのかもしれません。
特に、否定的な情報やネガティブな意見ばかりを見聞きしていると、無意識のうちに気持ちが沈み、心がすり減ってしまうこともあります。そうならないためにも、自分にとって心地よい情報を意識的に選び取ることが大切です。
テレビのニュースで流れる犯罪や事故、芸能人の話題から距離を置き、私は読書や執筆の時間を大切にしています。好きな音楽やオーディオブックを聴きながら近所を散歩をすれば、景色の変化を楽しみながら心が満たされ、気持ちも前向きになります。
著者が指摘するように、自分の中に「喜びのスイッチ」があるかのように、好きなものに触れるだけで気分が上向くのは不思議なものです。日常の中で意識的にポジティブな情報を取り入れることで、心のバランスが整い、安定した気持ちで過ごせるようになります。
また、心の安定には「何に使ってもいい予金」を持つことも大切です。決まった用途のない、自由に使えるお金があるだけで、気持ちに余裕が生まれます。好きな本を買ったり、新しい体験をしたり、自分を満たすことに投資できるからです。お金は選択肢を広げ、創造力や幸福感を高めてくれると実感しています。
子育てがひと段落した今、私は旅行にお金を使うようにしていますが、日本にはまだ行けていない場所がたくさんあります。神社好きな私にとって、これから訪れる楽しみがいくつも残っています。もちろん、海外にもチャレンジしてみたいと思っています。
大切なのは、情報に振り回されるのではなく、自分が選んだものに囲まれて過ごすこと。そのことで、創造力が高まり、より充実した時間を過ごせるのだと思います。これからも、自分にとって心地よいものを選びながら、心を豊かにしていきたいと考えています。
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