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哲学

ほんとうの中国 日本人が知らない思考と行動原理 (近藤大介)の書評

近藤大介氏の『ほんとうの中国』は、中国人の思考と行動原理を理解するための視座を与えてくれる一冊です。中国大陸は「日々是リスク也」を前提とする弱肉強食社会で、性悪説や金銭第一主義が人々の行動規範に組み込まれています。雄弁で主張し、闘争で勝ち、金を得ることが価値の中心にある一方、日本は「和」や「絆」を重んじ、チームワークを強みとします。
行動経済学

知って得する、すごい法則77 (清水 克彦)の書評

本書『知って得する、すごい法則77』(清水克彦著)は、心理学・行動経済学・社会学の視点から人間行動をパターン化し、77の法則を紹介しています。著者は報道や教育の現場での経験を踏まえ、「本当に使える法則」を厳選。ロミンガーの法則(成長の7割は実務)、エメットの法則(先延ばしのコスト)など日常や仕事に役立つ知恵が並びます。会議の生産性や組織の特徴を見抜く視点も提示し、行動や成長を支える実践的な一冊です。
AI

教育ビジネス 子育て世代から専門家まで楽しめる教育の教養(宮田純也)の書評

社会構造が大きく変化し、人生100年時代を迎える現代において、教育の役割は大きく変わりつつあります。もはや一度きりの学びでは不十分であり、自ら考え、行動し、社会に貢献できる力を育む教育が求められています。宮田純也氏は、教育を単なる知識の伝達や育成の枠にとどめず、社会やビジネスとの接点から捉え直し、変化の激しい時代における学びの本質を鋭く掘り下げています。
投資

世界大激変: 混乱する世界をどう読むか (ジム・ロジャーズ)の書評

ジム・ロジャーズは、保護主義の台頭や経済ブロック化が再び世界を揺るがすと警告しています。インフレ時代にはコモディティ投資が有効であり、ドルや貴金属、資源国に注目しています。日本は税の使い方や移民政策を見直し、変化を恐れず行動することが求められています。歴史と哲学から学び、自ら判断する知性が重要です。
ブログ

本の読み方 スロー・リーディングの実践 (平野啓一郎)の書評

スロー・リーディングは、情報過多の現代において「速く読む」より「深く読む」ことの大切さを教えてくれます。プロットではなく細部に目を向け、作者の意図や言葉の背景を丁寧に読み解くことで、思考や感性が磨かれ、自分との対話が生まれます。再読を重ねることで作品への理解が深まり、読書は単なる知識の取得ではなく、人生を豊かにする習慣へと変わっていきます。これは、未来の自分への投資でもあります。
イノベーション

ほんとうの日本経済 データが示す「これから起こること」 (坂本貴志)の書評

日本経済は人口減少と高齢化により、需要不足から供給制約へと移行しています。人手不足が常態化するなかで、賃金上昇を物価高で終わらせず、生産性向上と結びつけられるかが鍵です。本書は統計データを基に、人口減少を単なる縮小要因ではなく、産業再編や雇用の質向上を促す契機と捉えています。
哲学

古典に学ぶ現代世界 (滝田洋一)の書評

本書は、過去の名著を現代の視点で読み直し、古典がいまを読み解くヒントとなることを示しています。政治、経済、社会、文化など6つの視点から多様な書籍を紹介し、特に『ケインズ 説得論集』や『国富論』『戦略論』などを通じて、現代の課題との接点を浮かび上がらせます。古典に挑む価値を再認識させてくれる一冊です。
文化

アホになる修行 横尾忠則言葉集の書評

「アホになる」ことで、自由が始まる――横尾忠則氏の作品と向き合うたびに、そんな感覚が体を通り抜けていきます。思考より感覚。理解よりも体感。わからないことをそのまま抱える強さが、想像力を解き放ちます。悩みは時間が解決してくれる。だからこそ、今は考え込むより、まず動く。常識や正解にとらわれず、自分の感覚で生きてみる。その一歩を後押ししてくれるのが、横尾氏の言葉と作品なのです。
哲学

精神科医が教える 良質読書(名越康文)の書評

名越康文氏は、親切でわかりやすい本ばかり読んでいても思考力は鍛えられず、「限界を超える読書」こそが本当の知的成長を促すと述べています。わからない部分に立ち止まり、問いを抱えながら本と対話することで、理解が深まり、自分の内面も変化していきます。そうした読書の積み重ねが、人生の困難を乗り越える力となり、世界の見え方さえ変えてくれるのです。
AI

文学は何の役に立つのか? (平野啓一郎)の書評

現代の混迷する社会において、文学は何の役に立つのか――平野啓一郎氏はこの問いに「正気を保つため」と答えます。文学は、共感や多様な視点を通じて思考を深め、自分自身や社会と向き合う力を育てます。物語を読むことで孤独がやわらぎ、他者理解が広がるといった、AIでは代替できない精神的な価値をもたらします。本書は、文学の意義を改めて考えさせると同時に、新たな作家や作品との出会いを促す優れた読書案内でもあります。
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