鈴木祐氏の最高の体調 ~進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法~の書評

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その最終目標は、自分の遺伝子が持つポテンシャルを最大まで引き出すこと。ちょっと体重を減らしたり肝臓の数値を良くするだけでなく、脳と体を最適化するのが最終的なゴールでした。


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体と心の不調は炎症が原因だった?

自分の体を変えたければ、遺伝のミスマッチを特定し、それを修正すればよいと鈴木祐氏は最高の体調 ~進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法~ の中で述べています。遺伝子が持つ自分のポテンシャルを最大化することで多くの問題は解決するのです。

文明病を引き起こす要素は大きく分けて2つあります。ひとつめの要素が「炎症」です。多くの研究により、炎症が鬱や肥満、糖尿病といった様々な不調の原因だと考えられているのです。もう一つの重要な要素が「不安」です。「不安」は古代から存在してきた感情ですが、実は現代人が抱く「不安」は、古代人や狩猟採集民が感じていたものとは全く性質が異なると鈴木氏は指摘します。不安が強くなると記憶力を低下させたり、理性的に判断できなくなるだけでなく、最悪の場合死期を早めてしまうのです。

炎症は「腸」「環境」「ストレス」の3つを修正することで改善できます。不安に関しては、「価値」「死」「遊び」などの現代人が陥りがちな心理的トラップを逃れる方法を考えることで解決策が見つかります。脳に炎症が起ると不安は増強されます。そして、その不安によって炎症が更にひどくなるというネガティブな連鎖が始まります。今日は一つ目の要素の「炎症」を防ぐために何をすればよいかを考えてみたいと思います。

慶応大学医学部のチームは2016年に、スーパー高齢者の秘密を探る研究を行いました。被験者は日本に住む85才~110才の高齢者1554人で、彼らの老化レベルをチェックしました。スーパー高齢者たちの体には一般的な高齢者に比べると、体の炎症レベルが異様に低いという特徴があったのです。炎症の原因は老化した細胞や免疫細胞だと推測されています。また、細胞の老化は食べ過ぎ、太り過ぎで加速することがわかっています。特に内臓脂肪を溜め込むことが老化のスピードを早めてしまうのです。

人体にとって、内臓脂肪は「異物」でしかありません。そのため私たちの体は、内臓脂肪が増えると免疫システムを動かしはじめ、脂肪細胞が分泌する炎症性物質が臓器に炎症を引き起こします。しかし、いくら免疫システムが頑張っても、内臓脂肪ばかりはどうにもなりません。

この体脂肪を落とすためには、食事や運動でカロリーを減らすしかありません。内臓脂肪が減らない限り体はジワジワと燃え続け、炎症性物質で傷ついた血管や細胞が動脈硬化や脳梗塞の引き金になってしまうのです。これを放っておくとメタボリックシンドロームになり、人の体は老化していきます。

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炎症を防ぐために何をすればよいのか?

2017年にカロリンスカ研究所のチームが調査を見ると炎症の恐ろしさを理解できます。研究チームは約5万人のスウェーデン人男性を集め、「全体的に見て、現在のあなたの『健康状態』はどれに当てはまりますか?という質問をしました。『とても良い、良い、普通、悪い、とても悪い』」の5段階から選んでもらったのです。続いて被験者の炎症マーカーを調べたところ、「体調が悪い」と答えた被験者ほど、体内の炎症レベルが高かったのです。

「なんだか体調が……」と感じている人は、その時点ですでに体内が燃え盛っている可能性が大きいと言えます。もしいまの健康状態が「普通」よりも良ければ問題はありませんが、「悪い」か「とても悪い」だった場合は、体内の炎症はかなり進んでいます。謎の不調と炎症は、明確に連動しているのです。

カロリーの取りすぎ、睡眠不足、トランス脂肪酸などが炎症の原因になりますが、最近は孤独が炎症を引き起こすことがわかってきました。2015年にブリガムヤング大学が行ったメタ分析により、孤独感はタバコや肥満と同じぐらい全身に炎症を起こし、早死にのリスクを高めることがわかりました。孤独感が強い人は早期死亡率が26%も高まり、社会からの孤立が長引けば、その数字はなんと32%にまでアップするのです。

炎症を防ぐ方法はいくつもありますが、腸内環境をよくすることもそのうちの一つです。

腸管は栄養の吸収を行うための器官ですが、いっぽうでは細菌やバクテリアなどの脅威にさらされています。人間の腸は、栄養を体内に送り込むと同時に外敵が体内に入り込むのを防ぐという、非常に難しい役目を任されているわけです。そんななか、腸内細菌は兵隊として働きます。まずは善玉菌が腸内に巨大なコロニーを作り、敵に立ち向かうための前線基地を設営。そこで栄養素をもとにバクテリアを駆除する武器を作り出し、腸管からの侵入をブロックするのです。同時に、腸内細菌は食物繊維から酪酸という脂肪酸を生産し、これで有害物質が体内に入り込むのを防ぎます。腸内細菌がなければ、私たちの免疫システムは攻撃も防御もままなりません。

人類の暮らしが近代化するなかで、「リーキーガット」という症状が生まれ、腸内環境を壊しています。「腸管壁浸漏症候群」という症状で、腸の粘膜をつなぐ結着細胞が壊れて、バリア機能が破れてしまうのです。実はこのリーキーガットが私たちの疲れや不調の原因になっています。

2016年、コーネル大学の研究チームが、「慢性疲労症候群」に悩む患者の腸内細菌を調べる研究を行いました。コーネル大学の研究結果は、慢性疲労と腸内細菌の関係を強く示していました。慢性疲労症候群の患者は健康な人にくらべて腸内細菌の種類が少なかったうえ、疲れやすい人ほど体内の炎症レベルが高く、リーキーガットの割合も多いことがわかりました。またバクテリアと人が共存できる環境によって、腸内環境がよくなることも最近の研究で明らかになっています。

疲れを無くし、炎症を抑えるためには腸内細菌と仲良くなることが求められます。本書ではそのために以下の方法が推奨されています。
■腸内細菌に悪影響を与える抗生物質を避ける。
■抗菌成分の入った薬用石鹸の使用を控える。
■抗菌グッズや殺菌グッズの多様を避ける。
■カビを防ぐために換気をする、空気清浄機を設置する。
■多様な発酵食品を食べる。
■プロバイオティクスを摂取する。
■ゴボウ、寒天、キノコ、海藻などの食物繊維を摂取する。
■加工食品を減らす。

炎症を減らすためには、腸内環境だけでなく、健康を維持するために最適な環境に身を置くなどの努力も必要になります。孤独を防ぐために家族と友人との関係を強化すべきです。また、自然と触れ合うことで私たちは自分の心と体を癒せるのです。ストレスを減らし、人間らしさを取り戻すことで、私たちは健康になれるのです。

まとめ

老化や疲れの原因が炎症と不安であることがわかってきました。現代人の生活は急速に変化し、体と心がそれに追いついていないのです。炎症を抑えたければ、祖先の生活を見習うべきです。太らないことを意識し、食事をコントロールしたり、運動を心がけましょう。家族や友人との会話、自然とのふれあいも効果があることがわかっています。

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