いったん仕事を離れれば、自分が 「顧客」になるわけです。そういう意味では、「顧客の気持ち」を想像するのは、それほど難しいことではありません。そして、顧客から信頼を得たいと思ったら、顧客のことを知る努力を続けることです。常にアンテナを張って、顧客のためになる情報を収集する。それを日常的な習慣にしてしまうのです。顧客はわがままな生き物です。けれども、そんなわがままな顧客と信頼関係を築くことがこれぞ営業冥利につきるということではないでしょうか?(理央周)
盟友、理央周氏の新刊なぜか売れる営業の超思考が面白かったので
遅まきながら、ご紹介します。
本書は、マーケティングの知識を学びながら
営業マンが成功するための思考術も、同時に習得できる仕掛けになっています。
私たちは、顧客視点(客観視)で自社の強みをあぶりだし
顧客にそれを伝える努力をすれば、成功できるのです。
これはマーケッターも営業も同じです。
売れる営業が増えれば、企業も成長しますから
このセンスをもった営業を増やすことが、営業を統括する経営者のつとめかもしれません。
飛び込み営業も大事ですが、マーケティング的なアプローチを心がければ
顧客の方から、価値を感じて、近づいてきてくれるようになるのです。
マーケティングに関して、一応整理しておくと
1、何を「商品(製品)戦略」
2、誰に「ターゲット戦略」
3、どうやって「プロモーション戦略」
の3つのサイクルをしっかりと回すことが基本になります。
この考え方を営業にも、応用するのです。
自社製品を誰にどう伝えるかを考える科学的アプローチを
営業マンが持てれば、根性がなくても、良い営業成績をおさめられるのです。
理央氏は営業の基本は以下の3つだと言い切っています。
■商品の価値、顧客の特性、自分の強みを「知る」
■顧客の期待を「超える」価値を考える
効率的にアプローチする方法を考えて「動く」
この3つのサイクルを繰り返すだけで、私たちは売れる営業マンになれるのです。
確かに、自社製品を欲しがっているお客さんに
勝手に見つけてもらえる営業が、もっとも優秀な営業マンかもしれません。
3CやSWOT分析などのマーケティング用語の解説も
営業マンの気持ちになって書かれているので、とてもわかりやすいです。
本の作りも、ちゃんと読者視点で考えられているのは、さすが理央さんですね。
特に、スターバックスをケーススタディにしたPOP(ブランドの同質化ポイント)と
POD(ブランドの差別化ポイント)の話が良かったです。
このPOP&PODを自分の業界に置き換えて、考えることを癖にすると
マーケティングセンスが養われ、優秀な営業になれると思いました。
「自分の強みを知り、それを認めてくれるお客様を見つけて、営業成績を上げる!」
この繰り返しで、自信をつかむことが成功の早道だという理央氏のアドバイスも印象に残りました。
お客さまに安心して選んでもらうためには
会社や
安心できる具体的な数字をしっかりと用意すれば
お客様はその製品やサービスを信頼してくれるはずです。
資格・肩書なども当然大事ですが、それらがなくても自分らしい武器を作ればよいのです。
例えば、情報量や人脈も武器になると思います。
役に立つ業界情報を持っている人、頼りになる取引先を数多く持っている営業は
クライアントからも評価されるはずです。
保険会社の営業で優秀な方は、たいがい売り込みをせずに
人材のハブになることで、営業成績をあげています。
クライアントが自分を思い出してくれる「わけ」を作るのも
今時の営業マンには、必要なスキルのです。
そのためには、パーソナルブランディングを強化するのもよいでしょう。
私の場合は、出版やブログによって、人から信頼してもらえるようになりました。
本のおかげで、初対面の人との会話もとてもスムーズになり
いきなり課題をいただけるなど、営業効率がアップしています。
また、著者やコンサルタント、経営者などの幅広い人脈を顧客に伝えることで
「こんな人いない?」という相談ももらえ、それがビジネスチャンスになっています。
本書は、同じ時間でしっかりと成果をあげたい営業マンだけでなく
自分の価値を高めたいビジネスマンにもおすすめの一冊です。
ドラッカー好きの営業マン、マーケッターにはたまらない一冊だと思います。
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