佐宗邦威氏の「直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN」の書評

「自分モード」のスイッチを切ったまま日々を過ごしていると、僕たちは「何がしたいのか」を思い出せなくなる。「君はどう思う?」と意見を求められても、そもそも「自分がどう思うのか」すら、よくわからなくなる。そういう人からは何か新しいことを発想したり、粘り強く考えたりする力が失われる。(佐宗邦威)

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ビジョン思考(Vision Thinking)を身に着けよう!

佐宗邦威氏の直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVENが面白いので、今日はこちらを紹介したいと思います。他人のためばかり考え、生きていると思考が窮屈になり、他人モードの人間になってしまいます。自分モードのスイッチをオンにして、何がしたいのかを明らかにして、自分の直感に基づいて生きてみましょう。多くの成功者は自分の妄想からビジネスをスタートしています。彼らはまずビジョン(妄想)を作り、それをエネルギーにして戦略を組み立てています。

「2035年までに人類を火星に移住可能にする」(イーロン・マスク)
「もしすべてのウエブサイトをダウンロードできて、そのリンク先を記録しておけたら、どうなるだろう?」(ラリー・ペイジ)
「質の高い教育を、無償で世界に提供」(サルマン・カーン)

彼らの「妄想」は、「戦略」や「市場ニーズ」に先行しています。ヘンリー・ミンツバーグが指摘する「戦略は実践のなかで創発される」を実践していたのです。いま、ビジネスの世界では、こうした「創発的戦略(Emargent Strategy)」が求められていると著者は述べています。

自分の妄想を解き放ったあとには、それを具体的な「かたち」へと落とし込み、周囲の人を納得させていくステップが不可欠だ。「直感から思考をはじめる」とは、「ただの妄想で終わる」ということではない。ビジョナリーな人たちは、途方もないビジョンを駆動力にしながらも、同時に「直感」を「論理」につなぎ、「妄想」を「戦略」に落とし込むことを忘れていないのである。

このような「ビジョン思考(Vision Thinking)」を身に着けることで、成功者は多くの人を巻き込み、事業を拡大しています。今、マーケットに強烈なインパクトを与えているのは、「根拠のない直感・思い込み」「人に理解できない感性・ビジョン」を見事に手なずけた人たちなのです。PDCAを回したり、戦略思考を取り入れても、内発的動機を高めることはできません。正解のない時代には、長期的な方向付け(ビジョン)が欠かせなくなっています。妄想を駆動力にして、自分モードの思考を取り戻しましょう。

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余白をデザインしよう!

ビジョン思考を身につけるためには、余白を作るとよいです。著者は以下の2つのアクションをレコメンドしています。
①いますぐ1冊のノートを買うこと
②いますぐカレンダーに、毎朝15分、ノートを書くためだけの予定を入れること

私は毎朝、2つの日記(感謝日記未来日記)を書いていますが、この15分の時間が私の脳をリフレッシュしてくれます。モーニングジャーナルの考えを取り入れたものが、私の未来日記なのですが、この時間を作ることで、私は妄想を習慣化できました。(モーニングページに関するジュリア・キャメロンの参考記事

内省の時間を持つことで、内発的動機が生まれます。本当に価値あることは絵空事からしか生まれないのです。妄想を生み出すためには、忙しい自分を解放し、内省の時間を持つことが重要です。10%のカイゼンよりも10倍にすることを考えた方がはるかに価値があります。MTP(Massive Transformative Purpose)を取り入れ、個人の創造力や内発的動機に訴えかければ、10倍の結果を得られることがわかってきました。

次の4つのステップを取り入れることで、自分思考のモードを取り戻せます。

1、妄想(Drive)→2、知覚(Input)→3、組替(Jump)→4、表現(Output)

情報を集めて、商品をリリースするまでのあいだに、マーケットのニーズが変質します。今は経営管理よりもスピードが重要です。ロンドン・ビジネススクールの経営学者ゲイリー・ハメルは、今後の企業経営陣の課題は「マネジメント・イノベーション」だと述べています。

従来の階層型組織が持っている欠点を取り除き、「個人」が自律的に戦略立案や意思決定を行う分散型組織へのシフトを、経営トップらが真剣に考えていかねばならないというのだ。これをさらに推し進めるなら、「唯一の明確なビジョンをカリスマ社長が提示し、社員たち全員がその達成を目指して尽力する」という、いわゆるトップダウン型のビジョン経営すらも、時代にはそぐわなくなってくるだろう。むしろ、経営者はごくゆるやかな不変のミッションだけを提示しておき、あとはそこに集った固人やパートナー企業が思い思いにそれぞれのビジョン(妄想)をミッションの価値観を守る範囲で実現していく、いわゆる「ティール組織」が望ましい。

不要な階層性を取り去り、個人がフラットに価値を生む「場」をつくる自律分散型の組織こそが、21世紀のビジネスの勝者となるのかもしれない。

まとめ

1、妄想(Drive)→2、知覚(Input)→3、組替(Jump)→4、表現(Output)の4つのステップで、自分モードを取り戻せ、イノベーションを起こせるようになります。妄想するためには、脳を解放するための余白の時間が欠かせません。経営者はチーム全員が妄想の力を活用するティール組織を作るべきです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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