書評 香咲弥須子氏のマンハッタン・ミラクル! 人生に奇跡を起こすニューヨークの秘密

ニューヨークは3種類の人でできている。1つ目はニューヨークで生まれ育った人。2つ目はニューヨークの外に住んでニューヨークにお金を稼ぎに通勤している人。3つ目はニューヨークに夢を抱いて移り住んで来た人。そしてニューヨークのエネルギーは、3つ目の人たちによって生み出されている。(E.B.ホワイト)


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ニューヨークの魅力を生み出す人々は誰か?

ニューヨークという街に思いを馳せるだけで、気持ちがワクワクします。ニューヨークは世界中の人を魅了するエネルギーを絶えず発していますが、それはニューヨークに移り住んでいる人から生み出されています。作家の香咲弥須子氏のマンハッタン・ミラクル! 人生に奇跡を起こすニューヨークの秘密を今回、献本いただきましたが、本書を読みながら、ニューヨークのパワーをリアルに思い出すことができました。

ニューヨークには夢を抱いて集まってきた人たちの希望が集結し、それがミックスすることでとてつもないパワーが生まれ、それがまた人を惹きつける理由になっています。

毎日、街のどこかで、数々の希望が出会い、融合し、分離し、細胞分裂を繰り返しながらさらに大きな希望が生まれているような。ニューヨークはエネルギーの音がする、とよく言われますが、それは希望が成長していくエキサイティングなプロセスの音なのではないかと思うことがあります。わたしはニューヨークで、希望は、壊れながら進化していくものだということを知りました。1988年から暮らしているこの地で、希望とは、もっと大きな希望を持つためにあるものだと教わりました。(香咲弥須子)

ニューヨークには世界中から希望が集まり、それが融合しながらエネルギー生み出しています。ニューヨークにはエネルギー弾ける音がすると香咲氏は述べていますが、私もその音をニューヨークでなんども聞いた気がします。

ニューヨーカーは人に対してオープンで、街角で自己紹介が繰り返し行われています。人との可能性を広げるオープンな自己紹介を多くのニューヨーカーと続けるうちに、他者との暮らしと自分がつながり、ニューヨークの中でよりよい体験ができるようになるのです。ニューヨークは絶えず変化し、世界中の今を感じることができます。だから、ニューヨークにいればよいのだという本書のニューヨーカーの言葉が刺さりました。

私は月一で海外に行くことを目標にして、世界の変化を楽しんでいますが、確かにニューヨークにいるだけで、旅することなく、歩くだけで世界を体験できます。洗練されたニューヨークを選ぶか、アジアやヨーロッパなどの現地の空気に触れにいくのかの違いはあれ、ニューヨークの魅力の一つが「何かが起きていること」を体験することです。この考え方に触れ、今後もニューヨークを定点観測することを続けたいと思った次第です。

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ニューヨーカーの才能の層は厚く、成功者はたくさんいる!

世界中に才能がニューヨークに集まります。彼らは自分の夢を実現するために、ここで才能を広げる努力を続けます。ニューヨークでは人との出会いから奇跡が生まれることがあり、著者は本書でそのミラクルなケーススタディをいくつも紹介しています。偽装結婚をしながら、成功するロシア人のサラやタクシー運転手をしながら、コロンビア大学で博士号を取得し、人気司会者になる元ナンバーワンコメディアンのアルジェリア人などの話から、私たちはチャレンジする勇気をもらえます。

ニューヨークは傑出した凡人が集まり、一度は希望を打ち砕かれますが、彼らは凡人である自分を受け入れ、そこから新たな希望を見出します。ニューヨークで挫折を経験し、新しい自分に出会い、今までとは異なる価値を提供することでスーパーな凡人になっていくのです。ここには大きな成功だけでなく、小さな成功が集まっています。

どの分野でもニューヨークはとにかく才能の層が厚い、ということを、ずっと目撃し続けてきました。カーネギーホールで演る人だけが成功しているのではなく、ブロードウェイに出る人だけがアメリカンドリームを体現しているのではないのです。どんな小さな場所にも成功者はいて、そこで誰かの心のドアを開け、共に宇宙を旅しています。

著者は アラン・トゥーサンが亡くなる前のライブを観に行きますが、そこで貴重な体験をします。トゥーサンは客席からステージに上がる人を募集したのですが、何人もの人たちが手を挙げたのです。プロのミュージシャン(ピアノの神様)の前でピアノを弾く、それもトゥーサンのしびれるライブの後でピアノを弾く自信のある人がここにはたくさんいます。そして、一人の日本人女性がアドリブで演奏しますが、その演奏がまた素晴らしく、ついには即興でトゥーサンと連弾を始めます。この演奏がまた素晴らしく、会場は熱狂の渦にしてしまったのです。

ニューヨークには自分の才能を提供する場所が数限りなくあります。自分の才能を楽しみ、大事にし、誰とでも共有する気前のよさがニューヨークにはあるのです。

才能を誰かに与え、受け取ってもらうこと、それがニューヨーカーにとっての成功なのです。成功者はそのように成功することによって、成功を人にも手渡し、増やしていくものなのです。コンサートの観客となったわたしたちも、その成功を受け取って、成功者の心を胸に抱くことで、自らも成功者となるのです。つまり、人生に祝杯を挙げることができるのです。

才能の磁場がニューヨークであり、共にエネルギーをギブし合うことで、成功のおすそ分けが起こっているのです。
 
自分が誰であるか?何を提供できるかを発信することは本当に重要です。自分を変えることはどこでも可能ですし、ここ東京でも応援者を探せます。まずは、マインドセットを変えて、才能が集まる場所に出かけ、自分の価値を提供することから始めてみましょう。こうありたい自分になるために、今にエネルギーを注ぐことで人は幸せになれます。著者や本書の登場人物の熱い行動に触れることで、行動する勇気をもらえました。

まとめ

世界中から才能が集まるニューヨーク。新たなニューヨーカーは自分の夢を実現するために、ここで才能を広げる努力を続けます。ニューヨークでは人との出会いから奇跡が生まれることがあり、成功者はそれを応援し、その才能を共有します。ニューヨークは希望をつなぐ場で、多くの凡人が小さな成功を手に入れています。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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