やり抜く自分に変わる 超習慣力――悪習を断ち切り、良い習慣を身につける科学的メソッド
ウェンディ・ウッド
ダイヤモンド社
本書の要約
習慣は、「合図となる状況と報酬を得る反応」が十分に関連づけられることで生まれます。関連づけられることで行動が自動化され、私たちは自分をコントロールできるようになるのです。意志の力ではなく、習慣の力を身につけ、自分によい変化をもたらしましょう。
43%もの行動が習慣的に行われていた?
行動するときに機能するのは、隠れているも同然の膨大な潜在意識だ。(ウェンディ・ウッド)
南カリフォルニア大学心理学部教授のウェンディ・ウッドは、習慣のプロフェッショナルです。人が行動を継続しようと目標を宣言しても、継続する力は呼び起こされないと言います。強固な姿勢、決断、プランニングは、継続にはほとんど意味をなしません。
継続を生み出すのは習慣の力で、意志の力ではないのです。多くの人は意志の力だけでダイエットをスタートしますが、すぐにリバウンドが起こり、元の木阿弥です。
一方、習慣の力を活用し、習慣と目標を一致させることで、私たちは簡単に変化できるようになります。
習慣と目標が一致団結すれば、当たり前に手を取り合って、とるべき言動へ導いてくれる。たいていは、そういうことが起きていると気づくことすらない。いちいち決断しなくても、習慣として自然にその行動をとる。
意識的な決断だけでは、絶対に実現しないことを可能にしてくれるのが、習慣の力なのです。著者の調査によると
43%もの行動が、意識せずに行われていました。無意識の習慣が私たちの半分程度の行動を支配していたのです。これらの習慣をよい習慣に置き換えることで、私たちは大きな変化を手に入れられるようになります。
コメディアン向けの実験によると創造的な作業を継続して行う習慣が身につけば、その作業に没頭し、自分が思う以上のアイデアを生み出すことができることが明らかになりました。コメディアンたちの想定や欲求はそこには関係なく、彼らにやり抜く習慣がしっかりと定着していれば、努力を続け、見事にアイデアを生み出すのです。
私はこの書評ブログを書き続けることで、脳の中で情報と情報がつながるようになり、よいアイデアを作れるようになりました。毎朝の継続習慣が私のビジネスによい効果をもたらしてくれたのです。
習慣のメリットを手に入れ、人生をよりよくしよう!
一度きりのことなら決断によって行われるが、同じことを何度も繰り返せば、その行動はまったく違うものとなり、脳内の違う領域までもが活動を始めるというのだ。
健康維持などの目標を達成するために始めた行動を繰り返すうちに、その行動をとる状況と反応が強く関連づけられ、やがて習慣となります。その状況を思い浮かべると、直ちに意識が反応するようになるのです。習慣を身につけることで、選択する回数が減り、本来やるべきことに集中できるようになります。面倒な洋服選びから解放されることで、スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグは仕事に集中しています。
行動を続けると脳がリワイヤリングされ、過去に行ったことを簡単に繰り返せるようになります。合図を見つけると脳が自動的に反応し、意識的な決断が不要になるのです。習慣は行動する自己を助けてくれ、重要なタスクに時間をかけられるようになります。
自制には、適切な状況に身を置いて適切な習慣を確立することが関係する。
自制することで、私たちは健康になれたり、仕事で成果を出せるようになります。そのためには、適切な状況に自分を置き、適切な習慣を身につける必要があります。
既存の合図に新しい行動を結びつけることで、私たちは新たな習慣を簡単に身につけられます。フロスを習慣化させたければ、歯磨きに便乗して歯磨きのあとにフロスをすればよいのです。
毎朝10時にオフィスを出てスターバックスでコーヒーを飲むなら、その時間をたまっているメールの返信を最低1件は書くようにすればよいと著者はアドバイスします。コーヒーとメールという2つの行動が結びつき、厄介なメールに返信する苦痛がすぐさまコーヒーで報われ、新たな習慣が完成します。私は朝の執筆とカフェラテを結びつけることで、この書評ブログを朝の習慣にできました。
習慣は、「合図となる状況と報酬を得る反応」が十分に関連づけられることで生まれます。関連づけられることで行動が自動化され、私たちは自分をコントロールできるようになるのです。意志の力ではなく、習慣の力を身につけ、自分によい変化をもたらしましょう。
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