WOWファクター ~心の中の平和のとりで~ (山本・リシャール登眞)の書評

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WOWファクター ~心の中の平和のとりで~
山本・リシャール登眞
小学館

本書の要約

心の中にWOWの貯金を持つことで、新たなことにチャレンジできます。日本人の多くの人が、WOWな体験を増やすことで、幸福度もアップできるはずです。WOWは誰もが発見できるのですから、自分が何で幸せを感じるのかをもっと意識し、WOWファクターを増やすべきです。

WOWファクターを増やすと幸福度もアップする!

僕は、幸福というのは心をポジティブに動かされることだと思っています。そして心をポジティブに動かすのが、この本のテーマ、「WOWファクター」なのです。(山本・リシャール登眞)

TVをあまり見ないので、著者の山本・リシャール登眞について何も知りませんでしたが、WOWというタイトルに惹かれ、本書を読むことにしました。WOWといえば、今は亡きZapposのトニー・シェアを思い出しますが、著者もトニーのようにWOWな体験をすることで、自分の人生をよりよいものに変えてきました。

ユニセフの2020年発表によると、先進38カ国中、日本の子どもの「身体的健康」は1位、「精神的幸福度」は何と37位でしたが、なぜ日本人の幸福度はこれほど低いのでしょうか?

その答えを16歳の高校生が私たちに教えてくれました。スイス・ベルギー・日本の3カ国にルーツを持ち、4カ国で生活してきた著者は、最年少11歳で「世界遺産検定マイスター」に合格し、現在も、『世界ふしぎ発見!』などの番組レポーターとしても活躍しています。

著者は生まれたときから、様々な人たちと接することで、「人はみんな違うことが当たり前」と考えられるようになりました。小さな時から多様な文化・自然・芸術から「WOW(感動)ファクター」を見つけたことで、嫌なことを乗り越えられるようになったと言います。

一人ひとりの心にWOWの気づきがあれば、挑戦心と行動力が身に付き、前向きに生きていけると思うからです。未知の物事や人々、世界と出会ったときに、過剰な恐怖感や警戒心、嫌悪感を抱くのではなく、「WOW!」と驚きに目を見張りながら、物怖じせずに自分の気持ちを素直に伝える勇気を持てる、と信じています(もちろん、あえて危険な場所に飛び込んでいく必要はありません)。  

心の中にWOWの貯金を持つことで、新たなことにチャレンジできます。日本人の多くの人が、WOWな体験を増やすことで、幸福度もアップできるはずです。WOWは誰もが発見できるのですから、自分が何で幸せを感じるのかをもっと意識し、WOWファクターを増やすべきです。心をポジティブにできるWOWを見つけることが、幸せになるための秘訣なのです。

WOW体験から得られること。

自分の好きなことや興味のあることに挑戦してきたら成果が出て、その成果がつながっていき、どんどん世界が広がっていったのです。 世界遺産検定は、まさに僕にとって多様な世界へのパスポートになりました。

好きなことをやること、そのためのインプットを増やすことで、脳の中で情報がつながるようになり、アイデアが浮かびます。著者は小さな時から世界遺産に興味を持ち、学びと行動を続けることで、多くのチャンスを引き寄せてきました。

図書館や書店には、好奇心をくすぐる書籍がたくさんあります。7歳だった著者は、書架を巡ることで、世界遺産検定の書籍に出逢います。この未知との出合いが彼の好奇心に火をつけ、最年少で「世界遺産検定マイスター」に合格し、著者の人生を豊かなものにします。

WOWにはいくつかの効用があります。
①見慣れないものや見たことのないものに感動や興味を覚えること自体が、ある意味でその人の「力」になります。

②人間らしさや自分らしさを引き出してくれます。心が動かされるときや何かを「かっこいい」とか「好きだな」と感じるときに、人は自分がどんな人間なのかがわかります。

③自分の好きなことをアウトプットしたくなります。WOWの発信によって、新たな出会いをデザインできます。

④興味のある分野のWOWファクターに目を向ければ、うまくいく可能性が見えてきます。WOW体験によって、挑戦心と行動力が自然と身に付くのです。

WOWがあれば、挑戦することに物怖じしなくなるだけでなく、前向きになれるのです。結果的に、人生がずっと楽しくなるのです!

著者は子供の頃から、さまざまないじめを体験したと言います。起きてしまった不愉快なことや理不尽なことは、「社会勉強の先取り」だと考えることで乗り越えます。

確かに、意地悪な人や不誠実な人はどこにでもいますが、WOWファクターによって、自分を知り、自分の道を歩むことで、嫌なことにフォーカスせずにすみます。

自分がどうにもならないことについては気にしない、気にしない。でも、自分で何とかできることについては努力する。やっぱり大事なことは、「Never mind」と「Never give up」をバランスよく保つことだと思います。 そして何より大切なのは、常に「素敵ね!」とか「幸せ!」と思えるものを見つけようとする気持ち。つまり、WOWファクターを見つける力だと思うのです。

「Gain Experience(経験を積む、場数を踏む)」こと、行動することによって、自分をよりよい存在に変えられます。

私もサラリーマンを辞めて、やりたいことにフォーカスするようになってから、WOWな体験が増えています。好きなことであれば、インプットやアウトプットを増やせます。この書評ブログでの発信から、私も多くのチャンスを引き寄せることができました。

「インプットとアウトプットの連続が自分を育ててくれる」という著者の言葉に共感を覚えました。WOWファクターを見つけ、それを育むことで私たちは幸せになれるのです。


この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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