ヒーロー(ロンダ・バーン著)の書評

ロンダ・バーンの新作ヒーローリチャード・バックの以下の言葉で始まります。

あなたの地球におけるミッションが終わっているかどうかを調べるテストがあります、もし、あなたが生きているのであれば、まだ終わってはいません。(リチャード・バック)

私たちの人生には何歳になっても重要なミッションがあるのです。
決してどのような状況になっても諦めないことが、本書では語られています。
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本書ヒーローは12人の成功者の物語です。
しかし、彼らの人生は順風満帆ではありませんでした。
逆に、劣悪な環境で人生をスタートしたり、怪我や大きな挫折があったのです。
彼らは、夢を持ち続け、アクションすることで、自らの人生を変えてきました。
12人のインタビューによって、私たちは夢の実現の仕方を学べるのです。

例えば、キンコーズの創業者のポール・オーファラはこのように生い立ちを語ります。

小学二年生で落第する生徒はあまりいませんが、私はその一人でした。アルファベットが覚えられなかったのです。ですから読むことができませんでした。そして、いつも問題を起こしていました。自制がきかなかったのです。そして16歳の時に高校を退学になってしまいました。

また、インスピレーショナル・ライターのマスティン・キップ
元アルコール依存症でおまけに麻薬にも手を出していました。
一度どん底を味わっても、人生を変えていこうと意識さえすれば
私たちは成功を手に入れられるのです。

ハリウッドに初めてやって来た時、私は音楽業界の経営者になりたいと思っていました。しかし、それは上手く行きませんでした。ハリウッドは環境が最良のところとは言えず、私は麻薬とアルコール中毒になり、どん底に陥りました。一週間のうちに出資者が手を引き、ビジネスパートナーともけんか別れになっただけでなく、ルームメートからもあと三日後に立ち退くように言われたのです。更に痛風になり、腰も痛くなり、交際していた女性とも別れました。私の人生は一週間で文字通り、音をたてて崩れていきました。そして長く辛い旅が始まったのです。今では、そのことに感謝していますが、二度と同じ体験はしたくあり玄せん。その時、私はまるで嵐の中にいるようでした。そして、これは神の嵐かもしれない、と気がつきました。

ヒーローたちは、生きていく環境が困難で障害が多ければ多い程
そのような環境が大きな刺激となって、夢を見つけようとします。

ハーバード大学にホームレスの身から入学を成し遂げたリズ・マレー
人生の変化は良い方にも悪い方にも急激に起こると言っています。

色々な物を持っていた時期もありましたが、突然、形のあるものをすべて失いました。母は逝き、父は収容施設で暮らし、疎遠になっていました。そして、私を一番守ってくれた叔父が、突然亡くなりました。私はホームレスとなり、周りにあったものが急に消えてなくなったのです。私はその時、人生がこんなに悪い方に変わり得るのならば、良い方に変えるこ著ともできるのだ、と感じたことを覚えています。人生はまさに急激に変化したからです。

人生には、このリズ・マレーが経験したように、とても厳しいことが起こります。
しかし、そのような状況(ホームレス)があったからこそ
彼女はホームレスになってから、ハーバードに猛烈に入学したいと思ったのです。
このように「何かになりたい!」「何かをしたい!」という願望を抱いた時に
不可能だと思われる状況を切り開く強烈な力を、私たちは発見できるのです。

ニューヨーク市の路上で、独りぼっちで寝たものでした。オレオやクラッカーを万引きして、鞄を枕にして寝ました。鞄には、日記、衣類、そして母の写真などあらゆるものが入っていて、どこにでもそれを持っていきました。その鞄を枕に路上に寝ながら、良い生活を夢見ていました。そして心の奥底では、自分だけでなく、他の人の人生を良くするためにも、今の逆境を乗り越えなければならないと感じていたのです。

ホームレスになっても、他者への貢献を考えるこのリズの姿勢は見習いたいものです。
自分の使命とは、自分の力を使うことで誰かに貢献することなのかもしれません。

本書は、逆境を乗り越え、夢を実現したい方の指南書です。
これ以上の逆境はないという状況を乗り越えてきたヒーローたちの
経験や思考法は、読んでいてとても勉強になります。
そして、ヒーローたちは、逆境の時にこそ
自分の使命が見つかると声をそろえて言います。
実際、私もアルコールで悩んでいるときに、生きるヒントを見つけました。
子供の時に書くことが好きだったことを思い出し
ソーシャルメディアでアウトプットを始めたのです。
その結果、小学生の頃の夢だった出版が叶ったのです。
元アルコール依存症の私が、断酒をして夢を思い出すことで
書籍をリリースできたのです。

夢が叶うか否かは、外界の環境とは関係ありません。あなたにいくらお金があるか、どんな教育を受けたか、誰を知っているか、どれ程経験があるかなどは関係ないのです。自分の中に本当の力を発見し、それをどのように使ってこの世の障害を克服していくかにかかっているのです。成功者は誰もがそうしており、あなたにもそれは可能なのです。

そして、私は夢が叶ったことで、願望と行動の力を信じられるようになったのです。
多くの書物に書かれている夢の実現法が身近になったのです。
ロンダ・バーンは、逆境の中にこそ黄金のチャンスが潜んでいると言います。

100%悪い環境なんてありません。全ての逆境は反面を合わせ持っていて、どんな困難の中にも何かしら良いものが埋もれているものです。人生とは、あなたが生まれた厳しい環境のことではなく、その中に隠されている黄金のチャンスをあなたがどのように使うか、ということなのです。あなたが夢を追い求めたいという気持ちになるのは、実はそれを叶えるための手段がたくさんあるからです。少なくとも、その夢を抱けるというのは、その夢が叶うという証拠です。あなたの夢はあなたを最高の人生へと誘い、あなたの中のヒーローを見つけるようにと呼びかけているのです。

いくつになっても夢を忘れないこと、そしてそれを思い続ければ
夢を実現できる手段が見つかるというロンダ・バーンの考え方には共感します。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。
  

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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