聖書男(A.J.ジェイコブズ著)の書評

かつての自分といまの自分が会ってスターバックスでコーヒーを飲むぐらいはいい。でも、店を出るときは互いに頭を振るだろう。あいつ 、なに勘違いしてるんだって。(A.J.ジェイコブズ)

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このブログでも何度も紹介しているA.J.ジェイコブズ
彼の健康男 体にいいこと、全部試しました!は、とても面白く
彼の探究心と行動力に惹かれ、前作の聖書男(バイブルマン) を読むことにしました。
本書は、A.J.ジェイコブズが、聖書に書かれている教えを実践する記録です。
法律に違反しない、自分の体を傷つけないことをルールに
一年間にわたり、彼は聖書に体を張って、チャレンジしていきます。

いつもどおり著者の話は、ユーモラスで、読んでいて楽しいのですが
ジャーナリストという職業柄、様々な選択肢を検討しこだわりを見せます。
聖書専門店に行き、多くの聖書を買い、自分の行動ルールを作り出すなど
仮説を組み立て、行動を続け、聖書を探求していきます。
我々日本人にははわからないキリスト教へのアメリカ人の思いも知ることができ
いつもとは違う読書体験ができました。

聖書の基本は、旧約聖書ということで最初の8ヶ月を旧約に
残りの4ヶ月は新約聖書を基軸に生活をすることを決めます。
聖書の言葉から、自分の行動ルールを抜き出し
日々それにチャレンジしていくのです。
例「二重の糸で織った衣服を身につけてはならない」
「欲してはならない」「ひげをそらない」

欲望の街ニューヨークで、「欲してはならない」を実践する著者は
次々に自分の行動を変えていきます。
新聞や雑誌の広告を見ないように、情報断捨離を行ったり
聖書的ではない(性描写のある)映画を見ないようにするのです。

もっとも苦労するのは、他人との比較です。
「汝の隣人のものを一切欲してはならない」を追求していくと
他人との比較をやめなければなりません。
著者は専門家からアドバイスを受け、欲は叶わないという考えを採用し
ついには、自分の信念であるポジティブ思考を捨ててしまいます。
聖書に従って生きることは、超ハードですね。

しかし、TVや映画などがなかった時代の教えを守ろうとするのは無理があります。
性の情報が氾濫する現代に実践しようとすれば、TVやネットを見るのも一苦労。
実践する中で、家族とのドタバタも始まり
聖書を実践する生活は、ある意味コメディー的要素も加わります。
真摯な描写と不真面目な内容が交互に展開され
人間の苦悩をここから感じ取れます。(このブレが本書の魅力でもあります。)

徹底的に行動する彼の姿勢は素晴らしく
私が彼の本を読みたくなるのも、この行動する力があるからです。
いろいろな人のアドバイスを参考にしながら行動し
未来を少しづつ変えていくA.J.ジェイコブズには、とても共感します。

私も断酒以降、行動する読書を実践していますが
本に書かれている良いことを実践すれば、人生はよい方向に動き始めます。
読むだけの読書ではなく、行動につなげることで
必ず、何かしらの結果が生まれるようになるのです。

冒頭のジェイコブズの言葉のように、1年後の自分が今より成長して
「あいつ何考えているんだ?」と思えるぐらいに変わりたいと思います。
そのために、聖書にしろ、自己啓発書にしろ、ビジネス書でも
書籍の中で、自分を変えてくれる言葉や思考法に出会えたら
必ず、自分ゴト化していこうと決めました。

ただ、著者のように、聖書のすべてを実践することは、私にはできません。
合理的に考えて説明できないことをするのは、あまりにもハードすぎです。
ヒゲもそらない、着る服も制限されるなんて生活は、現代人には難しすぎます。
自分を良い方に変えてくれそうな習慣だけを選択し
取り入れることが、本書からの教訓かもしれません。
自分の頭で考え、行動しましょう!

今日もお読みいただき、ありがとうございました!

   

photo credit: Open Bible via photopin (license)

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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