読書という行為は、自分の時間といくばくかのお金を投資することで人生における豊かさを回収するという投資行為です。カギになるのは、投入する時間と得られる豊かさのバランスです。これ以上時間を投入しても、追加で得られる豊かさは増えないと判断された時点で、その本と付き合うのは終わりにしましょう。
外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術(山口周著)を
書店で見つけて、衝動買いしました。
自分でも読書術の本を書いているので
読書関連の本を見つけると、ついつい買ってしまいます。
特に、本書は読書を仕事につなげることがテーマになっているので
余計に興味が沸き、一気に読了しました。
著者の山口周氏は電通からボストンコンサル、ATカーニーなどで
コンサルタントとして活躍しているだけあり、彼の読書術はとても参考になりました。
仕事で成果を出すためには、しっかりとリターンを取らねばなりません。
大量購読も大事なのですが、「本をどう読むか?」がポイントになります。
新刊ビジネス書には価値がない!
古典や教養系の本を繰り返し読めなどの山口氏の主張には共感します。
(もっと古典を読まなければ!と痛感しました。)
クライアントを説得するためには、流行りの誰もが読んでいる本より
自分の価値をつくりだす古典を何度も読んだ方が良いのです。
また、自分の専門分野の本を読むだけでなく
リベラルアーツ(教養に関連する本)を読むことで、自分の個性を作りだし
クライアントに選ばれるようにするのです。
「狭く、深く読むビジネス書」と「広く、浅く読む教養書」の両方を読むことで
多方面の情報と情報がつながりはじめます。
これがアイデアの源泉になるのです。
ジェームス・W・ヤングが言うように
「アイデアとは新しい組み合わせをつくる」ことなのです。
読書で情報の点と点をつなげることが、自分の体験と結びつきます。
アイデアを生み出すためには、この多方面の知識がやがて役に立つのです。
知識のストックを脳内につくりだすことで、脳は変化します。
私もこの書評ブログを始めたことで、脳の可塑性を信じられるようになりました。
本は「2割だけ」読めばいい、自分のフィーリングに任せて読めばよいを
実践すれば、短時間で果実を得ることができます。
仕事で結果を出すためには、自分の時間を意識し
2割読めばいいと割り切らないといけないのかもしれません。
段落冒頭の文を一文だけ読んで、面白ければ章全体を読んでみるなど
山口氏の読み方は、時短とリターンを徹底的に意識しています。
せっかくだから全部読もうとは思わずに
ビジネス書の場合は、拾い読みを習慣にすべきです。
また、本を同時進行で何冊も読むというスタイルは
私も実践しているのでオススメです。
絶えず、読む本があれば、アイドルタイムを極小化できます。
暇な時には、絶えず読みかけの本があれば、それを手に取ります。
ぶらぶらしている時間を読書でミニマム化すれば、生産性が高まりますから
いつでもKindleを持ち歩きましょう。
今の気分に合う本を絶え間なく読むことで、インプット量を最大化できます。
これがアイデアを生み出すための糧になるのです。
また、有益な本を読んでも、読みっぱなしでは仕事につながりません。
特に、リベラルアーツ系の本を読む際には、アウトプットを意識すべきです。
その際、抽象化することで、知識を実生活に役立てられるようになると
山口氏はアドバイスしています。
外資系コンサルは3回読みをし、重要な箇所を転記し
仕事への示唆を書き出していくそうです。
その流れで自分の具体的なアクションの仮説を作り出し
それを行動につなげるのです。
読書とは、自分を変化させるための行動の仮説づくりであるわけですから
このアウトプットがければ、全く意味がないのです。
名著がずらりと並んだ巻末のビジネス書マンダラも役に立ちます。
本書への1500円の投資は、無駄になりません。
読書を仕事に繋げたい人には、オススメの一冊です。
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