佳い人には案外逢えません。佳い山水にもなかなか会えません。ただ 、佳い書物だけは、いつでも手に取れます。不幸にして佳い人に逢わず、佳山佳水に会わずとも佳書にだけは会いたいものである。佳書によって、私たちはしみじみと自分自身に話すことができる。天地が壊れる時も、ああ天地が壊れると語れるのであります。これが天地の外に立つということであります。(安岡正篤)
安岡正篤氏は、人生の五計 困難な時代を生き抜く「しるべ」の中で
佳い人と佳い書、佳い山水に出会うことで人生がよくなると書いています。
人生を変えるためには、会う人を変える、本を読む、旅に出ることだと
多くの人が言っていますが、これと同じことをわかりやすく伝えています。
安岡は、佳い人には案外逢えないし、素晴らしい景色をみることも
なかなかできないと指摘しています。
ネットワークを広げたり、旅に出るよりも読書を習慣にすることは
簡単で、コストもかかりません。
本ならば、一冊1000円から2000円程度で
多くの著者の人生に出逢えますし、様々な場所に旅できます。
時間軸、空間軸、ネットワークを超えて
多くの人たちの人生や思考からたくさんのことを学べるのです。
読書の時間を持つことで、私たちは自分との付き合い方を考えられます。
著者の言葉がヒントになり、自分との対話ができるようになるのです。
しかし、多忙な現代人は、自分との時間をなかなか持てません。
いつも何かに追われ、自分を見つめる時間を持てないのです。
最近ではスマホに時間を占領され、クリエイティブな時間をつくりだすにも一苦労です。
そんなときには、ニュースやゲームなどの暇つぶしのアプリを閉じて
Kindleを開いて読書の時間を作りましょう。
紙の本がなくても、Kindleさえあればいつでもどこでも読書を楽しめます。
本という著者が時間をかけて書いたストーリーには
インターネット情報の何倍もの価値があるのですから!
だからこそ、職業人になればなるほど、できるだけ余裕というものをつくって、別の世界、別の思想、別の学問といったものに触れる心掛けが必要です。そうしないと、人間が生きてきません。これは、むしろ養生法、日用心法のうちでも大事な点です。
今の私たちは、安岡氏が生きた時代よりはるかに忙しいはずです。
ですから、余計に学びの時間を持つべきなのです。
専門領域の本ばかりでは、アイデアに広がりを持てません。
変化というものがなければ、人生は面白くならないのです。
読書の幅を広げることで、私たちは人生をどんどん面白くできます。
小説や歴史書、自然科学の本を読むことで、私たちの脳を活性化できます。
モノの考え方を型にはめないようにするためにも、読書の幅を広げたいものです。
世の中には面白い本が想像以上にたくさんあります。
この安岡正篤氏の人生の五計もKindleのレコメンドがなければよまなかったかもしれません。
この一冊を読んだことで、私は広がる読書を心がけることを意識できました。
人生はいかに生き、身を立て、家庭を築き、歳を重ね、そして死を迎えるかを考えることです。
この五計(生計、身計、家計、老計、死計)をつくるためにも、幅広い読書が必要になるのです。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
photo credit: A love story via photopin (license)
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