スピードファクトリーは産業界に革命を起こす。消費者は最新の製品を求めており、それが手に入るようになる。(ヘルベルト・ハイナー)
スポーツ用品世界2位の独アディダスは24日、2017年からドイツ国内でロボットによる靴の大量生産を始めると発表した。アディダスは1993年に国内の靴生産から撤退しており、24年ぶりに国内に回帰する。アジアの人件費が上昇する一方で、ロボットの競争力が高まってきたことが背景にある。アディダスは欧米などの大消費地に近いところで生産する体制を敷く構えだ。(日本経済新聞)
スピードファクトリーが加速し、世界の工場がロボティックスで変わり始めています。
ロボットを活用することで24時間体制での大量生産が可能になり
メーカーは場所と時間に左右されずに、生産ができるようになります。
人の力を使わない工場の出現で、企業の拠点戦略が変わり始めるはずです。
アディダスは自動車部品・医療機器メーカーのエクスラー・モーションと協力し
エクスラーの工場があるドイツのアンスバッハを拠点にすることで
ヨーロッパの消費者ニーズにあった生産が可能になります。
これにより、売れ筋商品に対するスピーディな対応や在庫リスクの軽減を図れます。
また、アジアでの人件費、ヨーロッパに輸送するコスト、CO2の排出量も削減できるなど
同社はスピードファクトリーによって、多くのメリットを享受できそうです。
ヘルベルト・ハイナー社長は「スピード、都市、オープンソース」の
3つのキーワードでアディダスを成長させています。
ニューヨークや東京、上海など世界の6つのマーケットを戦略エリアに選び
マーケティング投資を集中して、ブランド力を強化しています。
また、SNSやランニングアプリからユーザーの声を収集し、開発につなげるなど
ファンマーケティングにも力を入れています。
空飛ぶロボットは黒猫の夢を見るか? ドローンを制する者は、世界を制す [ 高城剛 ] |
このような「脱アジアからロボティックスへ」といった動きは、今後世界経済の大きな潮流になるものと思われます。東西ドイツ統一の1990年から昨年2015年まで、グローバリゼーションとインターネットの恩恵に預かり、会社を巨大化してきた「アディダス」が、今年2016年からローカルでロボティックス、いわゆる社内外を巻き込み高度な生産システムを構築する「インダストリー4.0」のフェーズに本格的に入りました。(高城剛)
ロボティックスやドローンの動きを見ていると
新たな産業革命が、今まさに巻き起こっていることがわかります。
世界の有名メーカーにGoogle、アマゾン、ロッボト、ITベンチャーが加わり
インダストリー4.0を牽引しているのです。
そして、その動きは世界の距離をますます小さくし
企業の在り方、人間の働き方を根本から変えようとしています。
世界の工場として急速に発展を遂げたアジアは、これから曲がり角を迎えることになります。 今後発展するのは、「世界の工場で働くロボットを作る工場」だけで、ロボティックスを制するものが、今後25年間にわたり、世界を席巻するようになると思われます。かつてのインターネット同様に。(高城剛)
企業の動きも作ることから新たな価値の創造にシフトし
人の働き方や教育もこの数年で大きく変わるはずです。
日本企業もマーケットに近い場所での生産を意識せざるを得ません。
ロボティックスやドローンは工業だけでなく、農業や観光も変えていくはずです。
この動きは日本に有利に働くはずです。
ロボティックスやドローンを活用したビジネスが世の中を変えることがわかっているのですから
日本企業もここにフォーカスすべきです。
私も時代に乗り遅れないように、最近いろいろな会社とのミーティングを重ねながら
面白いビジネスを考えています。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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photo credit: Adidas en Lollapalooza 2016 via photopin (license)
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