オリジナルな人とは「みずからのビジョンを率先して実現させていく人」である。(アダム・グラント)
PDFA習慣術の徳本昌大です。
最近面白い翻訳本が立て続けにリリースされているので
毎日の読書時間が増え、うれしい悲鳴をあげています。
GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代で有名なアダム・グラントの
新作ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代もそんな一冊で
アダムの幅広い知識と体験から、人生をより良くする方法を学べます。
本書には多くのケーススタディが出てきますが
ワービー・パーカーというオンラインメガネサイトの話が象徴的でした。
ザッポスを見習い、メガネをオンラインで売るというアイデアを彼らは考えます。
多くの人たちが彼らは失敗するだろう!とネガティブな評価を下します。
(実際、アダム・グラントも投資を断ります)
それでも彼らは諦めることなく、チャレンジを続けます。
彼らのビジネスモデルは、すぐに生活者から評価され
わずか数年で年間売り上げが1億ドルを超えました。
2015年にはスタートアップ企業であるワービー・パーカーが
ビジネス雑誌のファスト・カンパニーの「最も革新的な企業」に選ばれたのです。
Appleを押さえての一位ですから、その価値がわかります。
アダム・グラントは彼らを「オリジナルな人」と呼んでいます。
彼らがなぜ「オリジナルな人」になれたのかといえば
生活者メガネを手軽に買い求められるようにするための行動を起こしたからなのです。
ワービー・パーカーの4人は「みずからのビジョンを率先して実現させていく人」だったのです。
ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 [ アダム・グラント ] |
離職率が低い人や生産性が高い人は、ブラウザーに特徴があるという話も面白かったです。
サファリやエクスプローラーは最初からパソコンにインストールされています。
ファイアフォックスやクロ ームを入手するには
少しばかり頭を使って、別のブラウザをダウンロードしなければなりません。
「今あるもの」をそのまま使うのではなく、みずから行動を起こして
よりよい選択肢がないかを探し求める人は価値があるのです。
この自発的な行動が、どれほど小さかったとしても
職場での行動を決定づけ、ビジネスを改善していくのです。
このようにオリジナルな人というのは、普通の人たちの中にもいます。
ワービー・パーカーの創業者も学生をやりながら、残りの時間で起業したのですが
徹底的にリスクを冒さなくとも、アイデアは前進させられるのです。
調査結果からも起業でリスクを冒した人たちよりも
本業を続けたまま起業した会社の方が、ずっと存続の可能性が高いことがわかっています。
NikeもAppleもGoogleも、当初は本業や学業を続けながらの起業だったのです。
Queenのブライアン・メイやジョン・リジェンドも
天体物理学の博士課程やコンサルタントをやりながら音楽活動をしていたのです。
ある一つの分野でオリジナリティを発揮したいのであれば、その一つの分野以外のあらゆる分野で確実な行動をとって、感情の安定と社会的な安定を得ないことには、けっしてできない。(エドウィン・ランド)
私たちはある分野でリスクをとろうとするのなら、他の場所では安全志向で行こうとするのです。
成功している人がみなリスクテイカーではないと思えると、行動が怖くなくなります。
ある分野において安心感があると、リスクがとりやすくなり
別の分野でオリジナリティを発揮するというメリットが生まれます。
成功を収めるオリジナルな人は、ある部分では
ことさらに慎重になることでバランスを取っているのです。
多くの起業家はリスクをたっぷり冒している。だが、そういった起業家は失敗していることが多く、サクセスストーリーにはなっていない。(マルコム・グラッドウェル)
成功している人ほど、ハイリスクには敏感なのです。
実は、リスクテイカーほど失敗することが多く、大きな成功をつかめないのです。
起業の際に、リスクポートフォリオのバランスをとることは間違いではありません。
先日書評を書いた10%起業の考え方が、正しいことを
アダム・グラントが教えてくれたのです。
本書を読むと、今ままでの通説がいくつも覆ります。
本書については、今後もこのブログで紹介していきます。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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ソーシャルメディアを武器にするための10カ条 [ 徳本昌大 ] |
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