日本の未来を考えよう (出口治明著)から、尖閣の意義を考えてみた。

書評

「人間にとって一番恐ろしい動物は何だろう?」という問いに対して、人々はやれ「人食いライオン」だの、 「人食いザメ」だの、さまざまな回答をしました。しかし、実際の統計を見ると、1位はぶっちぎりで「蚊」。年間、70万人もの人を殺しています。 2位は 「人間」 (殺人)で同40万人。次は 「毒蛇」で、数字はガタッと落ちて4万人。人食いザメによる死者は、年間10万人前後しかいないそうです。

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PDFA習慣術
の徳本昌大です。
日本の未来を考えよう (出口治明著)を読むと
数字を把握することと多様な視点を持つことが
生きる上で重要なスキルであることがわかります。

冒頭の蚊の話から、出口氏は数字の重要性を教えてくれます。
国語的なアプローチだけだと話が広がり、結論が出ないことが多いのですが
私たちは数字をファクトにすることで、現状の課題を明確にできるのです。

この逸話が意味するところは、人は 「国語」で議論をすると答えがたくさん出てきて議論が拡散しがちになるが、 「数字」を介してみると、議論が収束して世界の姿がはっきりと見えるということです。ようは、形容詞やイマジネーションで物事をとらえるのではなく、客観的な数字やファクトを基準にすれば、実像がより分かり、ムダな恐怖がなくなり、さらに今の自分たちに課された課題が明確になるということです。テレビのニュースや新聞に接するときも、政治家やコメンテーターの発言をただそのまま受け入れるのではなく、冷静に数字を追うべきだと思います。

メディアや他者から情報をもらう時にも、数字の裏付けがあれば
何が正しいかを自分視点で判断できるようになります。
情報に流されなくなれば、賢い判断ができるようになります。

出口氏は本書で統計データを駆使することで、日本を多様な角度から分析し
近未来の日本の姿を私たちに提示してくれたのです。
特に、本書で私が気になったポイントが、中国や韓国ともめている領土問題についてです。
この数年のイノベーションによって
日本の近海には、多くの海洋資源が眠っていることがわかってきました。
資源がないと言われ続けてきた日本が、実は資源大国だったのです。

日本は愛知県と三重県沖の海底にあるメタンハイドレートから天然ガスの産出に成功しました。世界初の偉業です。また、同じ年に、南鳥島沖の海底にハイブリッド車の製造に欠かせない 「ジスプロシム」をはじめとしたレアアースが大量に眠っていることを東京大学のチームが発見しました。さらに、伊豆・小笠原海域や沖縄海域には、銅、鉛、亜鉛、金、銀やレアメタルを含有する海底熱水鉱床が存在することが分かっています。

中国がこの数年で態度を急変させて、尖閣列島にこだわり始めた理由がここにあります。
「尖閣なんか中国にくれてやったらいい」という発言が
都知事選の時に話題になりましたが、私は海洋資源の話を思い出し
あり得ない候補だと思いましたが、この視点での報道はなかったように記憶しています。
たかが無人島と思っているジャーナリストが政治家になってはいけないのです。
メディアも含め、感情論中心の国語的批判が多かったのですが
数字やファクトで論破しなければ、議論は平行線で終わります。

日本も含め、東アジアで島の所有権がしばしば外交問題になっていますが、 「たかが無人島」などと侮ってはいけません。実際に争っているのはその島を起点にした半径370kmの領海の支配権であり、漁業や天然資源という大きな利権が絡んでいるのです。

尖閣に漁船になりすました中国の民兵が押し寄せている今こそ
メディアをはじめ、日本人全てが日本の資源の重要性を理解すべきだと思います。
過去の歴史(ファクト)を調べるだけでも、中国の異常性がわかりますが
メディアはこの問題をあまり報道しようとしません。
中国の行動を矮小化することはやめ
日本人に今こそ尖閣の意義も含めて、しっかりと伝えるべきだと思います。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

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