人間を健康にする特効薬があるとすれば、それは走ることにほかなりません。(ダニエル・リーバーマン)
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靴はわれわれの足を弱くし、オーバープロネーション〔踵が内側に傾くこと〕を招き、膝に問題を生じさせる。1972年にナイキが現代的なアスレティックシューズを発明するまで、人々はきわめて薄い底の靴を履いて走っていたが、彼らの足は強く、膝の負傷率ははるかに低かったのです。(ダニエル・リーバーマン)
クリストファー・マクドゥーガルのBORN TO RUNの中の
ダニエル・リーバーマン博士の言葉が気になっています。
私はランニングシューズを買うことで、走る決意を固め、ランニングを習慣にしようとしています。
しかし、博士はそのシューズによって、多くの人が怪我をしていると言います。
今のところ、私はシューズによって心地よく走っていますが、怪我をしては意味がありません。
なぜ、ランニングシューズが問題なのでしょう?
ランニングシューズを履いているランナーはかかとで着地するようになります。
シューズメーカーは開発にあたり、長年かかとに伝わるインパクトを和らげてきました。
靴のかかと部分にジェルや泡状の物質、あるいは空気を入れて対応してき他のです。
しかし、このような高級シューズを履くことで、選手の怪我か増えていると
スタンフォド大学陸上部のヘッドコーチのヴィン・ラナナは指摘しています。
シューズのサポート機能をどんどん増やすことで、われわれは足を自然な状態から遠ざけてきたんだ。(ヴィン・ラナナ)
ヴィン・ラナナは、ランナーたちに裸足でトレーニングさせていますが
その結果、スタンフォードの陸上部は驚異的な結果を残すと同時に選手の怪我を減らしています。
過去何十年かのシューズメーカーの開発より、人類のシューズなしの体験の方が優っていたのです。
シューズに改良を加えることで、過剰に足の機能を補ってしまい、怪我を引き起しています。
なんと毎年、全ランナーの65パーセントから80パーセントが負傷すると本書では紹介されています。
怪我の原因の多くがシューズによるものなら、別のアプローチを考える必要があります。
この状態を看過していると走る人を減らしてしまい、不健康な人を増やしてしまうのです。
Born to run走るために生まれた [ クリストファー・マクドゥーガル ] |
ここで注目されたのが、裸足で走ることです。
裸足で走るランナーは、つま先の付け根に近い部分で着地します。
足が最初に着地した時にも、小さな足裏部分しか使いません。
足先と脚部がバネのように動くため、上手にショックを吸収するのです。
人類は脈々と怪我をしない方法を身につけてきたのですが
高級ランニングシューズの登場がそれを邪魔していたのです。
ランニングシューズが存在しなければ、走る人はもっと増えるだろう。(ダニエル・リーバーマン)
裸足で走ることは確かに正しいとは思いますが、都会の地面はそれを許しません。
足の裏を上手に防御しないと、切り傷やすり傷に悩まされ、結局走るのが苦になります。
走る際の衝撃が怪我の原因であることをシューズメーカーも理解し始めています。
今後は、裸足に近い感覚の薄いシューズがどんどん登場してくるはずです。
人間は数百万年もの間、裸足だったのですから、シューズ・メーカーの開発もそれを目指すべきです。
走る際に怪我をしなくなれば、走る人が増加し、健康な人たちを増やせます。
その結果、急性心不全、高血圧、動脈閉塞、糖尿病などの現代人の病を減らせることでしょう。
今日もお読みいただき、ありがとうございました!
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