記憶のためには、蛍光ペンを使わないほうがよい?

能動的な学習アプローチの利点はもっと難しい認知タスクにも通用する。例えば読書を考えてみよう。読んでいることを頭の中にイメージとして思い描けば文章を頭の中に描き出せば記憶に残りやすい。(アーリック・ボーザー)

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効果を得るために、ラインマーカーはやめ、能動的に学ぼう!

アーリック・ボーザーLearn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ書評ブログを続けます。効果的に学びたければ、能動的に行動することが重要です。脳の中でビジュアル化することを意識すると、認知的つながりが作りやすくなり、学習が定着しやすくなるのです。本を読む時も、「頭の中の映画」を創ることで、結果が左右されます。

最近では、学びの常識が正しくないことがわかってきました。マーカー学習法は能動的でなく、認知的なつながりも強化できないのです。ケント州立大学のジョン・ダンロスキーの研究によると、蛍光ペンでマーカーを引くのは人が知識を構築するのに十分な行動ではなく、頭を働かせる「活動」ではないことが明らかになっています。受動的に本を読んだり、教科書の全ページに機械的にマーカーを引くのをやめましょう。マーカーのハイライトが個々の箇所に注意を惹きつけ、関連性を見出すのを邪魔するという研究結果もあるほどです。

効果を出したければ、自分に問題を出したり、自分に説明してみたりするような、能動的な学習活動を行うべきだとダンロスキーは述べています。

(学びとは)単に情報をコピーするだけではない。事実の意味を理解することなのです。(ジョン・ダンロスキー)

結果を出したければ、自分から能動的に学ぶようにすべきです。文字を習い始めた頃の、自分の子ども時代のことを思い出しましょう。ひらがなを手で書いて練習する生徒は、文字をただ見て覚えたり、キーボードでタイプしたりするだけの生徒よりも、体系的な理解が進むことがわかっています。手を動かして文字を書くことで、文字がどう組み合わさって言葉になるのかを実感しているのです。脳と体を結びつけることが、記憶を強化してくれます。

 

結果を出したければ、マインドセットを変え、学ぶことに意味づけをする!

言語の摩滅という現象は昔から知られている。言語は使っていなければ話せなくなることが多い。

第二外国語は学ばなければ、忘れてしまいます。これを「言葉の摩滅」と言います。驚いたことに、言語の摩滅はネイティブスピーカーにもよく起きます。ボリビアの田舎で育ったヤヨイ・オオタの両親は日本人で、彼女は両親とはいつも日本語で話していました。子どものころに日本語で書く勉強をし、日本語の課外授業も受け、友達の多くとは日本語で話していたのです。

しかし、高校卒業後、ボリビア有数の大都市サンタクルスで暮らし、スペイン語中心の日々を送るようになりました。日本語を使わない時間が、彼女を変えてしまい、今では母語をほとんど忘れてしまったのです。両親や昔の友人とはつっかえながらも日本語で話すことができますが、書くスキルはほぼ完全に失ってしまいました。オオタが最初に覚えた言葉は日本語で、両親とは長年、日本語で会話していたにも関わらず。言語の摩滅が起こったのです。5年間タリバンに拘束されていたボウ・バーグダル軍曹も言語の摩滅で苦労しています。彼はアイダホ州で大人になるまで英語で育ったにもかかわらず、アフガ二スタンで捕虜生活を送る間に母語を失ってしまったのです。

言語の摩滅はゆっくりと「複雑に絡まった相互の結びつきがほどけていく」現象です。意味のネットワークの形成が価値を維持し、思考の筋道を変化させる知識の相関関係を支えています。 最も重要なのは「意味」で、集中し、結果を残すためには、学ぶ意味を探すことです。

言語の摩滅には、マインドセットが大きな影響を及ぼします。人は母国についての評価が低いと母国語を忘れやすい傾向があるのです。例えば、スペインのネイティブスピーカーでスペインについて良く思っていない人は、スペイン語を忘れる確率が非常に高いという研究結果があります。マインドセットがネガティブで、価値があるという感覚が少ないほど、母国語を話せなくなりやすいのです。

マインドセットは学びの重要なファクターです。例えば言語の摩滅に関するある研究によれば、母国が嫌いであれば母国語をどれだけよく話していたかは関係がないことがわかっています。つまり、自分の母国についてネガティブな考えを持っている人は、母国語を話す期間に関係なく母国語のスキルを失うスピードが速くなるのです。

心理学者のエレン・ランガーは、学習に対して探索のマインドセットを持つように勧めています。授業の予習として本を読むにしても、成績ばかりを気にしていると読書がストレス体験になってしまいます。本の内容の中に好奇心をそそるもの、自分にとって価値のあるものを見つけるようにすれば、自分のマインドセットが変わります。学ぶ対象に興味を持ち、自分ごと化することで、学習の成果が高くなり、読書体験もはるかに楽しくなるのです。

まとめ

学びで結果を出したければ、学ぶ意味を見つけ、能動的に行動すべきです。蛍光ペンでなぞる勉強法は効果がないことが明らかになりました。学ぶ対象の中に、価値を見出し、自分のために勉強するというマインドセットを持つことで、結果を出せるようになるのです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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