労働時間が長いと業績も上がるが、それには限界がある。週当たりの労働時間が30時間から50時間の場合、仕事に費やす時間が増えると、業績もよくなる。しかし、50時間から65時間になると、労働時間を増やすメリットは少なくなる。そして65時間以上になると、全体的な業績は労働時間が長くなるほど落ちてくる。(モートン・ハンセン)
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価値を仕事の評価基準にしよう!
モートン・ハンセンのGREAT @ WORK 効率を超える力の書評を続けます。著者のモートンは労働者を対象にした大規模な調査を行うことで、生産性を高める以下の7つの習慣を見つけました。
①優先すべきことをいくつかに厳選し、
そうして選んだ分野に大きな・努力を注ぐ(業務範囲の重点化)。
②あらかじめ定められたゴールに到達するだけでなく、 新たな価値を生み出すことに重点を置く(仕事の再設計)。
③機械的な反復練習を避け、技能を伸ばす練習を行なう( 質の高い学習サイクル)。
④自分の情熱を強い目的意識と一致させられる役割を探し求める( 内的動機づけ)。
⑤他者の支援を得るために心理戦術をうまく使う( しなやかな主張)。
⑥無駄な会議を減らし、参加する会議では白熱した議論が必ず起こる一ようにする( 厳密だが、オープンなチームワーク)。
⑦部署横断プロジエクトに参加する場合は、 どれに参加するかを注意深く選び、生産性の低いプロジエクトは、 はっきりと断る(ほどよい協働)。
今日は2つ目の仕事の再設計について、紹介したいと思います。 スタンフォード大学の経済学者ジョン・ペンカヴエルは、1914年にイギリス の兵器工場で働いていた労働者について調べました。その結果、週の労働時間が64時間から67時間のとき業績が最高となり、労働時間がそれより多くなると業績は落ちてくることを発見しました。
生産性は「オレンジの果汁を絞るようなものだ」とモートン・ハンセンは述べています。最初は、果汁がたくさん出てきますが、絞り続けて指が白くなるころには、一滴か二滴しか出なくなります。やがて、どんなにがんばって絞っても果汁が出てこなくなります。そうなったら、絞り切ったオレンジの価値はなくなり、あなたはオレンジを捨てるだけです。労働時間についても、これと同じことが言えます。週50時間以上働いているのなら、自分を絞りすぎだと考えてみましょう。この状態に陥っているなら、仕事にもっと時間を割きたいという誘惑に負けてはならないのです。
成果の上がる再設計には、
どれにも共通点がひとつあることがわかった。それは「価値」だ。 よい再設計は、仕事量は同じでも、生み出す価値が大きい。 そこで問題になるのは、そもそも価値とは何なのかということだ。
活動の量で仕事を評価するのではなく、実際の価値で仕事を評価するようになると、仕事の時間を減らせるようになります。忙しい=業績と言う考え方をやめて、価値を行動の評価基準にするのです。サラリーマンの頃の私は1日の労働時間を基準に働いていましたが、独立した今はクライアントへの価値提供に主眼をおくようになり、生産性を以前よりはるかに高めることができました。
では、どうすれば、価値を基軸に仕事を再設計できるのでしょうか?著者は価値を高める3つの要素を明らかにしています。
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価値を高める3つの要素
ある人の仕事の価値=他者へのメリット×クオリティー×効率
価値の式は、3つの要素から成り立ちます。第1の要素は、自分の仕事がほかの人や組織にどれくらいメリットを与えられるか
小さな再設計で大きな変化をもたらすことができます。例えば、
コールセンターの業績を上げたいなら、従業員に休憩時間をひとりひとり別々に取らせるのではなく、
こうしたささやかだが強力な再設計を見ると、 古代ギリシアの数学者アルキメデスの有名な言葉を思い出す。 その言葉とは「立つ場所と長いてこを与えてもらえば、 地球をも動かすことができる」である。(中略)てこと支点を使えば、 少ない力で同じ結果を得ることができる。賢い再設計とは、 アルキメデスのてこを見つけて、それを賢く使うことだ。
仕事を再設計して価値を創造する5つの方法を著者は紹介しています。
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自分に不要なことを減らし、重要で優先順位の高いものを選び、それに集中するのです。その際、他者のメリットとクオリティを意識し、スピーディーにそれを行うことで、価値を提供できるようになります。
まとめ
生産性を高めるためには、仕事の再設計を意識することが重要です。あらかじめ定められたゴールに到達するだけでなく、
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