モートン・ハンセンのGREAT @ WORK 効率を超える力の書評

「もっと賢く働く 」7つの習慣は業績を上げただけではなかった。職場での幸福度も向上したのである。(モートン・ハンセン)

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「トップ・パフォーマー」に求められる「7つの習慣」とは何か?

人より短い時間でズバ抜けた成果を上げる人には共通の特徴があるとモートン・ハンセンGREAT @ WORK 効率を超える力の中で述べています。仕事ができる人は、著書が見つけた7つの習慣を身につけ、幸せに働いていたのです。
仕事ができる人になるとは、仕事で業績を上げ、仕事に情熱と強い目的意識を注ぎ込み、それでいて充実した人生も送るということなのだ。とても素敵なことではないか!
モートンはこれを実証するために、アメリカの多種多様な職業や産業から管理職と従業員合わせて5000人を抽出して、調査を実施しました。調査参加者は、販売員、弁護士、トレーナー、アクチュアリー(保険数理人)、株式ブローカー、医師、コンピューター・プログラマー、エンジニア、商店の店長、工場長、マーケティング担当者、人事担当者、コンサルタント、看護師、そして、私が個人的に気に入っているラスヴェガスガスのカジノ・ディーラーなど多岐に渡りましたが、ここから以下の賢く働くための7つの習慣が見つかったのです。

①優先すべきことをいくつかに厳選し、そうして選んだ分野に大きな・努力を注ぐ(業務範囲の重点化)。
②あらかじめ定められたゴールに到達するだけでなく、新たな価値を生み出すことに重点を置く(仕事の再設計)。
機械的な反復練習を避け、技能を伸ばす練習を行なう(質の高い学習サイクル)。
自分の情熱を強い目的意識と一致させられる役割を探し求める(内的動機づけ)。
他者の支援を得るために心理戦術をうまく使う(しなやかな主張)。
⑥無駄な会議を減らし、参加する会議では白熱した議論が必ず起こるようにする(厳密だが、オープンなチームワーク)。
部署横断プロジェクトに参加する場合は、どれに参加するかを注意深く選び、生産性の低いプロジェクトは、はっきりと断る(ほどよい協働)。

最初の4つは、自分自身の仕事をマスターすることに関係し、残る4つは、他者と一緒に働くことと関連しています。

実際、調査対象5000人に見られる業績の差のなんと66パーセントがこの「7つの習慣」で理由を説明できたと言います。それに対して、これ以外にも検証した学歴、在職期間、年齢、性別、労働時間といった要因は、すべてを合計しても、業績の差の10パーセントを説明できるにすぎませんでした。週当たりの労働時間は確かに重要ですが、業績との関係は、「もっと一生懸命に働く」という単純な考え方が示すよりも、はるかに複雑だったのです。残る24パーセントは理由が不明で、おそらく運や才能といった要因が含まれていると著者は指摘します

このグラフからわかるように、調査参加者は「7つの習慣」を仕事で実践すればするほど、業績もよくなっていますもし、「7つの習慣」の実践度が21パーセンタイル順位にすぎないなら、その人の業績はパッとせず、下位の21パーセンタイル順位でしかないのです。(グラフのA点)。しかしこの「7つの習慣」の実践度を一気に90パーセンタイル順位にまで高めれば、予測によると、業績が89パーセンタイル順位にまで上がる可能性があります。あなたがトップ・パフォーマーになりたければ、今すぐこの7つの習慣を身につけましょう。

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することを減らし、そこに徹底する。

私たちは、タスクをたくさん引き受ければ、それだけたくさん成果を生んで業績も向上すると思っている。しかし、「することを増やす」というのは、一般的に言って戦略としては欠点がある。

タスクを増やすと結果を残せるというのは間違いです。有名なスコットとアムンセンの南極点到達の競争も勝負の分かれ目になったのは選択と集中でした。多くの装備を準備したスコットは、犬ぞりに集中したアムンセンに大差をつけられた上に、全滅という最悪の結果でメンバーを不幸にします。

取り組むべき項目をふたつか3つに厳選し、それ以外は断ることで、初めて人は自分の力を最大限に発揮できるようになります。そして、選んだ重点分野に、とことんこだわることを忘れてはなりません。アムンセンは犬にこだわり、優秀なドライバーを集め、走行スピードを最高にすることを目指したのです。

「重点化」には、ふたつの活動が含まれる。少数の優先事項を選ぶことと、その優先事項で抜きん出るため努力を尽くすことである。仕事で優先すべき少数の項目を選んでも、それにこだわらない人が多い。彼らは、することを減らしただけで満足している。それは間違いだ。

先ほどの5000人を対象に実施した定量的調査によると、カギとなる少数の優先事項を選び、その分野で抜群に優れた仕事をするために膨大な努力を注いだ人は、もっと多くの優先事項に幅広く取り組んだ人よりも、はるかに高い業績を上げていたことがわかりました。

「することを減らして、こだわる」をマスターしていた人は、この習慣を実践していない人と比べ、業績ランキングが25ポイント高くなっていました。今のあなたが中位の業績全従業員の中で50パーセンタイル順位だとして、「することを減らして、こだわる」のスコアを低位(「することを増やす」戦略)から高位に伸ばしたとします。そうすることで、業績が75パーセンタイル順位になるのです。つまり、全従業員のうち74パーセントよりも上の業績を上げられるようになるのです。「することを減らして、こだわる」ことは、7つの習慣のうちでもっとも効果があることもわかりました。

情報の豊かさは、注意力の貧困を生み出す。(ハーバート・サイモン)

タスクを増やすと一見成功に近づきそうですが、注意を向ける事柄が増えれば増えるほど、ひとつひとつに充てられる時間は少なくなり、どれにも満足に取り組めなくなることを忘れないようにしましょう。複数の優先事項を調整するには、頭を酷使する必要があります。マルチタスキングは効率的だと考える人は多いのですが、調査によると、ふたつの事柄、例えば、メールを読むことと、同僚のプレゼンテーションに耳を傾けることを素早く切り替えながら同時に進めると、どちらも能率が落ちることがわかっています。

そして、最重要項目を選択したら、それに徹底的にこだわるべきだとモートンは言います。

ズバ抜けた仕事をするのに、これ以上仕事の活動を増やす必要はない。もっとよい働き方がある。わずかな項目を選び、その項目で抜きん出ることにこだわるのだ。やることを増やすのは、戦略として欠陥がある。しかも、重点化の考え方は誤解されやすい。多くの人は、重点化とは少ない分野に集中することだと思っているが、実際はそれだけにとどまらない。抜群のクオリティーを生み出すためには、選んだ分野でこだわることも必要なのだ。賢い働き方とは、まず、することを減らし、残った仕事に徹底してこだわることである。

タスクを減らし、重要な仕事にこだわるための3つの戦術を著者は紹介しています。この3つのルールを身に付けることで、自分の生産性を高められます。
1、「オッカムのかみそり」を使え

タスク、優先事項、委員会、ステップ、分析表、手順のうち不必要なものを削ること。そのうえで、残った活動で最高の成績を出すため、あらゆる努力を注ぐこと。
2、自分の体をマストに縛りつけよ
誘惑や邪魔者を追い払うため、あらかじめ明確なルールを決めておくこと。例えば「メール・チェックに一時間も使わない」など、ルールはありふれたものでよいのです。
3、上司に「ノー」を言う
やることリストにこれ以上項目を増やすと業績が落ちると、上司にきちんと説明すること。成功への道は、いつも上司の機嫌をとることにあるのではない。選んだ少数の分野でトップクラスの成績を出すために多くの努力を注ぎ込めるよう、あえて上司に「ノー」と言うことも必要なのです。

本当に必要なものを選択し、誘惑に負けないようにしましょう。時には上司にノーという勇気が必要です。私は最重要項目を達成するために、朝早い時間を割り振り、毎朝早起きしています。この時間が私の生産性を高めてくれることに気づいたからです。本書のアドバイスを信じ、私はこだわりの要素を追加することにしました。最も重要なタスクに徹底的にこだわることを意識しようと思います。

まとめ

モートン・ハンセンは生産性を高めるための「もっと賢く働く 」7つの習慣を見つけました。この7つの習慣は業績を上げるだけでなく、職場での幸福度も向上させます。この7つの習慣で最も重要なことは、タスクを減らし、最重要項目に徹底的にこだわることです。これで私たちは結果を残せるようになるのです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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