佐宗邦威氏の21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由の書評

・思考の方法創造力とイノベーション、クリティカル思考と問題解決、意思決定と学習
仕事の方法コミュニケーション、コラボレーション
仕事の道具ICT(情報通信技術)とデジタルリテラシー
世界で暮らすための技能市民性、生活と職業、個人的および社会的責任
ATC21S(21世紀型スキル)


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21世紀に求められるATC21sとは何か?

ATC21s(Assessment and Teaching in 21st Century Skills)は、アメリカ政府や大学、インテル、マイクロソフトなどのIT企業が協力して、21世紀に求められるスキルをまとめています。ITなどのテクノロジーは凄まじい進歩を遂げ、新しいビジネスが次々と登場しています。これに伴い、私たちの業務の種類が増加し、専門領域が細分化されています。現代の仕事は20世紀とは様変わりし、私たちは新たなスキルを求められています。では、どうしたら、複雑な課題を解決できるスキルを身につけられるのでしょうか?

佐宗邦威氏の21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由に、そのヒントが書かれていました。経営環境が大きく変化する中、今までの左脳アプローチだけでは、複雑な課題を解決することが難しくなってきました。戦略思考だけでなく、右脳アプローチを行うことが、多くのビジネスマンに求められています。そんな中、最近注目を集めているのが、欧米のデザインスクールのカリキュラムです。MBAでは論理的思考ベースの「ビジネスのより効率的な進め方」を教えていますが、デザインスクールでは今までの延長線上にはないアイデアの生み出し方が学べます。

彼らは「イノベーションを担う3つの輪」という考え方を取り入れ、ビジネスの課題を解決しています。「デザイン、ビジネス、エンジニアリングの3つの要素が協働することでイノベーションを生み出すことができる」というものです。

1、構想:人間にとって望ましい姿を構想する=デザインの役割
2、実現:再現性をもって実現することを可能にする=エンジニアリングの役割
3、商売:社会にとって影響力を広げていく商売の仕組みをつくる=ビジネスの役割

デザインスクールでは、多様性も確保されています。デザイン、エンジニアリング、ビジネスのそれぞれの分野で異なる得意分野を持つ学生を混ぜたうえで、これら3つの分野を融合したカリキュラムを意図的につくり、少数精鋭のチームが協働することでイノベーションを生み出しています。

デザイナーが日々無意識に実践しているアナロジー思考は、大きく、以下の2つに分かれます。
1、発想のためのアナロジー(自分の身近なものと結びつける:Make strange familiar)
2、伝えるためのアナロジー(自分の身近なものをまったく違うものと結びつける:Make familiar strange)

発想のためのアナロジーとは、自分が取り組むテーマや解決したい課題を、全然別のものでたとえて置き換えたら何になるのかと考えることです。この思考法を取り入れることで、意図していなかったつながりや共通する本質的な課題が見えてきます。アイデアづくりの基本は要素と要素、アイデアとアイデアを掛け合わせることですが、これを強制的に行うのです。(アイデアのつくり方については、こちらの記事を参照ください

その際、写真を活用するとよいと著者は述べています。テーマにあった写真を街に出て撮影し、それを組み合わせることでアイデアが生まれます。instagramやpinterestを活用するのも良さそうです。

新しいコンセプトの商品やサービスを、知らない人に伝えるために、身近なものでたとえるコミュニケーションも効果があります(伝えるためのアナロジー)。人は、まったく聞いたことがないことを理解できませんからで、たとえ話を使ってわかりやすく説明するのです。

コミュニケーションのためのアナロジーの練習方法としては、自分が考えた新しいコンセプトを、子どもやお母さんなどまったくその分野の知識がない人に説明してみることです。伝えようとするときには、自然に彼ら彼女らも知っているアナロジーを使わなければならないので、アナロジーカが磨かれます。

私はベンチャー企業の経営者に自社のプロダクトを母親に説明するようにアドバイスしていますが、伝えるアナロジーを鍛えることで、ブレークスルーを起こせるようになります。

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デザイン思考を実践しよう!

クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法の中で、スタンフォード大学d.schoolとIDEOの創業者でもあるデイビッド・ケリーはデザイン思考の実践方法の9つのヒントを紹介しています。

1、自分が創造力を持っていることを信じ続けることを強く決意する
2、日々、旅人のような気持ちで、周りの世界から新しい発見を探そうとする
3、常にリラックスし、周囲にオープンな雰囲気をつくりだす
4、ユーザーに寄り添い、共感しようとする
5、まず、現場に行って観察しようとする
6、「なぜ」を繰り返す
7、 目の前で問題が見えていても、視点をずらして、本質的課題に置き換える
8、自分の創造力を応援してくれるネットワークをつくる
9、偶然の出会いを大事にする(デイビッド・ケリー)

この9つのルールは本当に効果があります。私は日々旅人のように行動しています。街をぶらついたり、海外に旅しながら、アイデアのネタを探しています。積極的に行動し、情報と情報を組み合わせることで、アイデアが生まれるようになったのです。

「デザイン思考」を身につけ、思い切って行動することでチャンスをつかめるようになるのです。自分の仕事に、自分が発見した情報やアイデアをつけ加えればよいのです。人とのネットワークを増やすこと、他者の視点を取りれることも重要です。そのためには多様な人脈を作り、協働することが欠かせないのです。身近な人とアイデアについて話すことを習慣化すると、様々な情報が手に入り、アイデアの質を高めることができます。

デザイン、エンジニアリング、ビジネスのプロフェッショナルでチームを作ることで、イノベーションを起こせるようになります。
・デザイン:人間の生活にとって理想的な姿を描く力(What todo)
・エンジニアリング:理想的な姿への解決策を実現させる力(How to make)
・ビジネス:解決策のインパクトを持続可能に最大化する仕組みを作り、人を動かしていく力(How to maximize)デザインスクールでは、イノベーションを起こすために、未来を描く役割を担うデザイナー、それを実現可能な形に引っ張り上げるエンジニア、そのインパクトを最大化する役割を担うビジネスマンで協業することで、イノベーションを生み出しています。

ソーシャルネットワークのハブとなっている人に、情報が集まる現象が起こっています。人と人、会社と会社を繋ぎ合わせるハブとなっている人の役割はより大事になります。ある程度人脈や知識の幅が広く、いろいろな背景の人と話ができたり、違うコミュニティで生きている人のことをよくわかっている人が、新たな組み合わせからイノベーションを生むのです。その繋ぎをうまく進める上では、自分の専門性を持ち、他の人の専門性とつなぎ合わせるH型人材の役割がより重要になります。

ビジネスの越境人材をまとめるハブになることが、これからの人には求められます。デザイン、プロトタイピング、コミュニケーションデザインなどのデザイン思考は、ハブとなる人にとって強力な武器になるはずです。このようなH型の人材(人の専門性と人の専門性をつなげる人)が、イノベーションには欠かせません。

ミハイ・チクセントミハイ博士は「人生の幸福という感情は、余暇によって起こるのではなく、自分の能力を超えた問題にチャレンジにしているタイミングで起こる積極的なもの」と述べています。創造的なパフォーマンスを発揮し、今ここに集中することで、私たちは幸せになれるのです。デザイン思考を身に付けることで、人とのつながりが強化され、幸福度を高めることもできそうです。

まとめ

現代の複雑な課題を解決するためには、戦略思考だけでなく、デザイン思考が求められています。デザイン、エンジニアリング、ビジネスの3つの分野のプロフェッショナルで協業し、それぞれのアイデアを掛け合わせることで、イノベーションを起こせるようになります。

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