レジリエンスの高い人や企業は、現実に毅然と目を向け、困難な状況を悲嘆することなく、前向きな意味を見出し、啓示を得たかのように解決策を生み出していく。(ダイアン・L・クーツ)
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レジリエンスに必要な3つの要素
レジリエンス (ハーバード・ビジネス・レビュー EIシリーズ)を読了しました。最近、「レジリエンス(再起力)」という言葉をよく聞くようになりました。このブログでもなんども取り上げてきたテーマです。グローバル化、AIやロボティックスが進化する中で、私たちの働き方は変わり、ストレスを感じることが増えています。
様々な課題に直面する現代人にとって、この立ち直る力を養うことが求められています。レジリエンスを身につけることで、私たちは壁を乗り越え、良い人生を送れるようになります。
ハーバード・ビジネスレビューのシニアエディターのダイアン・L・クーツは、研究を通じて、レジリエンスが高い人には3つの要素があることを見つけます。
①現実をしっかり受け止める力
②「人生には何らかの意味がある」という強い価値観によって支えられた、確固たる信念
③超人的な即興力
本当にレジリエンスがあるという意味においては、これらの3要素がすべて必要なのです。人だけでなく、レジリエンスの高い組織にも同じことが言えます。
①現実をしっかり受け止める力
現実を直視し、それに向き合うことは、とても難しく、不愉快になることも多々あります。しかし、現実を直視することで、私たちは困難に耐え、生き延びようと準備します。このトレーニングを重ねるうちに、私たちは強くなり、結果、目標を達成できるようになります。
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ブリコラージュを鍛えよう!
②「人生には何らかの意味がある」という強い価値観によって支えられた、確固たる信念
何かの問題に遭遇した時にも、そこに何かしらの意味を見いだせれば、未来を変えられます。人は差し迫った状況に直面するとついつい諦めてしまいます。彼らは自分自身を被害者と捉え、嘆き悲しむことに時間を使います。一方、レジリエンスの高い人は、自分自身や他者にとっての意味を見つけ、困難な状況を概念化しようとするのです。
どうしようもない状況にあっても、変えようもない運命に直面しても。我々は人生に意味を見いだせることを忘れるベきではない。(ヴィクトール・E・フランクル)
レジリエンスの高い人は、つらかった今日から、充実した明日を生み出します。アウシュビッツの生存者のヴィクトール・E・フランクルは、生きるための具体的な目標を作ることで、人生をよりよくできると述べています。どんな状況に陥っても、人生に意味を見出すようにしましょう。
③超人的な即興力
手近なもので間に合わせる能力もレジリエンスには不可欠です。
ブリコルールという動詞は、古くはボールが跳ね返るとか、犬が迷うとか、馬が障害物をよけるとか、いずれも非本来的な運動を指していた言葉である。(クロード・レヴィ=ストロース)
フランスの人類学者クロード・レヴィ=ストロースの言葉から生まれた「ブリコラージュ」には、「すぐに回復する」という意味があり、レジリエンスの概念と密接に関係しています。
最近では、ブリコラージュは必要なツールや素材が手元になくとも、問題解決策を即興的につくり出せる能力と定義されています。ブリコラージュの能力を備えた人は、本来の使用方法にはとらわれず、今目の前にある物で何とか間に合わせようと、いろいろな使い道を試行します。
たとえば、強制収容所では、レジリエンスの高い囚人は、ひもやワイヤーを見つけては拾っていました。そのガラクタが後で役に立つかもしれないと考え、準備を怠らなかったのです。凍えるような寒さのなかでは、それで靴が直せれば、生きられるのです。状況が不透明で、他の人たちが混乱しているような時でも、ブリコラージュカの高い人は、可能性を想像しながら、自分の人生をより良くしているのです。
レジリエンスとは人々の魂に深く刻まれた反射能力であり、世界と向き合い、理解する能力なのです。レジリエンスのあるひとは、現実に毅然と目を向け、困難な状況を物ともせず、前向きな意味を見つけます。目の前にある材料を活用し、諦めずに課題を解決することで、人生をよくできることを私たちは過去の偉人から学べます。
まとめ
レジリエンスを身につけることで、より良い人生を生きられます。レジリエンスの高い人は、現実に毅然と目を向け、困難な状況を悲嘆することなく、人生に前向きな意味を見出します。ブリコラージュの能力を備えた人は、今目の前にある物で課題を解決する努力を続け、結果を残すのです。
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